「お前のLINEは用件だけでいい」と妻に言った夫が、1ヶ月後に自分から長文LINEを送ってしまった話
「いらない」と言った夜
仕事で疲れて帰った夜、スマホを開くと妻からのLINEが何通も。「今日ランチが美味しかったの」「帰り道で猫が寄ってきた」。どれも他愛のない内容ばかり。返事を考えるのもしんどくて、つい送ってしまったのです。
「お前のLINEは用件だけでいい。日常報告いらないから」
送った直後、少しだけ胸がざわついた気がしました。でも「これでスッキリする」と自分に言い聞かせ、その日はそのまま眠りにつきました。
通知が増えないスマホ
翌日から、妻のLINEは本当に用件だけになりました。
「牛乳買ってきて」「明日燃えるゴミの日」「今日遅くなる」
絵文字もスタンプもない。最初は「これでいい」と思っていました。余計な通知が減って楽になった、と。けれど数日が経ち、一週間が過ぎた頃から、妙な感覚が胸に広がり始めたのです。昼休みにスマホを開いても、妻からの連絡はない。何を食べたのか、どんな一日だったのか、まるでわからない。あれほど「いらない」と思っていた日常報告がなくなると、妻の姿がどんどん見えなくなっていきました。
透明人間になった妻
1ヶ月が経つ頃には、隣にいるはずの妻がまるで透明人間のように感じていました。家では普通に会話もある。でも日中、妻が何を考え、何に笑い、何に疲れているのか、何ひとつわからない。あの猫の話もランチの話も、妻の一日を覗ける小さなキッカケだったのだと、ようやく気づいたのです。気づけば、自分でも驚くほどの長文を打っていました。
「最近どうしてる?前はいろいろ送ってくれてたのに、最近全然なくて…正直ちょっと寂しい」。
送信ボタンを押してから、自分の身勝手さに気づきました。いらないと言ったのは、他でもない自分なのに。
そして...
その夜、妻から返信が届きました。「用件だけでいいって言ったの、覚えてる?」一言だけ。何も言い返せず、ただ画面を見つめる時間が続きました。
やがて正直に「…ごめん。あのときは本当に悪かった」と返しました。
その日から、自分のほうから「今日どうだった?」と聞くようにしています。当たり前のように届いていた小さな言葉が、どれほど二人をつないでいたか。失ってみなければわからなかった自分の愚かさを、これからの行動で少しずつ返していきたいと思っています。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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