

「自分らしい働き方」の正解は無い。「ちょうどいい働き方」をつくり上げる考え方
■いつの間にか、ちょうどよくなっていた働き方
「自分に合った働き方がわかりません」
「今の仕事が本当に向いているのか、自信がなくなってきました」
インスタで相談を募ると、そんな声が少なからず届く。
私も、きちんと分かっていない。分からないまま働き続けている人のほうが、ずっと多いんじゃないかと思っている。
今の働き方が自分にとってベストかどうか即答できないし、ワークスタイルも仕事内容も、これが最適解だと自信を持って言える日はそう多くない。
というのも、「合ってる」「合っていない」の感覚は、一枚の写真みたいに切り取れるものではなく、光や影がじわじわ変わっていくタイムラプス映像のようなものだからだ。永遠に感じられるような流れの中で、その都度ちょっとずつ移ろい変わっていく。
社会人になってから早10年。最初の数年はとにかくバタバタしていた。体調を崩して寝込んだこともあるし、空回りして落ち込んだこともある。
手を抜いて怒られた日や、ちょっと頑張りすぎた週末も、今となっては大切な通過点だ。そうした小さな失敗や回復のサイクルを経て、ようやく「このくらいのペースなら気持ちよく働けるな」という感覚がつかめてきたところだ。
週に何回の在宅勤務とか、フレックス制度とか、名前のつく制度で働き方を語ることはできるけれど、本当に自分の心身に合うリズムは、経験のなかで手探りで見つけていくしかない。
振り返ってみると、私にとっての「ちょうどいい働き方」というものは、明確に選び取ったというよりも、徐々にできあがっていたような感覚に近い。
それは大げさな転機ではなく、小さな選択や実感の積み重なりの中で、静かに育っていくものなのだと思う。
■損得を考えずに動いて広げてみる
一方で、スキルアップや領域の広げ方については、少し違う。こちらはむしろ、思い立ったが吉日だと感じている。
「もっと自分に合う仕事があるんじゃないか」
「もっと武器を身につけたい」
そう感じたときこそ、“動きどき”というか、自分の幅を広げてみる絶好のタイミングだ。
ただ、そのときにそっと忍び寄ってくるのが、「時間やお金をかけて無駄だったらどうしよう」という心のブレーキだ。
人は自分のリソースをかけて何かを始めるとき、どうしても“正しさ”や“見返り”を求めてしまう。けれど、損得にこだわって足踏みをしている限り、たとえ目の前に新しい景色が広がっていても、ドアはなかなか開かない。
正直なところ、私も最初から“戦略的なキャリア設計”があったわけではない。副業でコラムの仕事をするようになったのも、ただ書いてみたい、共有したい、という純粋な思いがあったからだ。
はじめのうちは、周りの出来事を発信してみたり、noteにエッセイもどきを投稿してみたり、ライター経験のある友人に話を聞きに行ったり、そんな程度。でもその“試しに動いてみる”が意外と効いたし、今のキャリアに地続きにつながっているのだった。
副業や転職などの明確な曲がり角でなくてもいい。たとえば、隣の部署の先輩をランチに誘って話を聞いてみる。少し気になっていた業界の無料ウェビナーに参加してみる。本屋で、普段なら素通りしていた棚に立ち止まってみる。そんなふうに、気負わずに業務の“外側”に触れてみることは、思った以上に視野を広げてくれる。
もちろん、巷には怪しげな情報商材や、テンションがやたら高い自己啓発セミナーもあるので慎重さは忘れずに。大手企業や公的機関が主催しているセミナー、大学の公開講座、知人からのレコメンドなど、信頼できる情報源から触れてみるのがいいだろう。
途中で放り投げてもいいし、楽しかったら続ければいい。キャリアの更新は「なんとなく」で動いてみた先にこそ、たまに当たりが出る。
働き方に、あらかじめ用意された正解なんてない。迷ったり、休んだり、選び直したり、試してみたり。いくつもの小さな試行錯誤の先に、「今日は無理なく過ごせたな」「最近、仕事が面白いかも」と感じられる穏やかな手応えが存在しているのだと思う。
働き方は「こうあるべき」ではなく、「こうなっていた」で十分なのだ。
(文:ジェラシーくるみ、イラスト:タテノカズヒロ)
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