

【もうすぐ節分】豆はいくつ食べるのが正解?
2月3日は節分。最近では恵方巻を食べることも一般的になりましたが、節分といえばやはり「豆まき」が有名ですよね。
「鬼は外! 福は内!」という掛け声で豆をまき、家から鬼を追い出す行事は、皆さんのご家庭でもやっているでしょうか。
さて、そんな節分では豆まきだけでなく、年の数だけ豆を食べるのもまた恒例です。その際、満年齢分だけ食べればいいのか、数え年の分だけ食べればいいのか、疑問に思ったことはありませんか?
そこで今回は、節分の時に食べる豆の数について詳しく解説。また、豆まきをするようになった由来などについても併せて説明していきます。
Check!:節分とは? 豆まきのやり方や節分の食べ物も紹介
■節分で食べる豆の数はいくつが正解?
節分では「鬼は外、福は内」と豆まきをしますが、その後は自分の年齢の数だけ豆を食べるのが習わしとなっています。
これは、火で炒って邪気を払った豆が「福豆」と呼ばれ、それを食べることで体内に福を取り込み、健康で幸せな1年が送れるように願いを込めていたことからきているようです。
では、節分で食べる豆は、今現在の自分の年の数だけなのか、数え年の数なのか、どちらが正しいのでしょう。
◇食べる数は年齢分? 数え年分?
節分に食べる豆は、数え年、つまり満年齢にプラス1した数を食べるのが一般的です。
昔の日本では、生まれた年を1歳として、誕生日に関係なく、新年を迎えるたびに全員が同時に年を取ると考えられていました。
また、節分は「季節を分ける」が原義で、冬が終わって春が始まる「立春」の前日にあたります。
江戸時代の頃は立春から1年が始まるとされていたため、節分の翌日から始まる新たな年の分も含めて、満年齢プラス1年の数え年分だけ豆を食べるのが一般的だったようです。
とはいえ、最近では数え年ではなく満年齢の分だけ食べる人も増えたため、厳密な正解はありません。
そのため、来年の無病息災を願って食べるのであれば、満年齢でも数え年でもどちらでも問題ないというのが結論でしょう。
◇節分の豆が年齢分食べられない場合は?
中には、年の数だけ豆を食べるのが難しいこともありますよね。
子どもの頃は喜んで食べていたものの、「年を重ねるにつれて年齢分の豆を食べるのがつらくなってきた……」なんて人もいるのではないでしょうか。
そんな時は「福茶」を飲むのがおすすめです。福茶とは、湯呑みに福豆を入れた状態で作るお茶のこと。茶葉の他、梅や昆布を入れて作るものもありますが、ただ炒った豆にお湯を注ぐだけでも大丈夫です。
福茶を飲むと、福豆を食べたのと同等のご利益が得られると考えられています。そのため、お腹を膨らませずに節分を過ごしたい方は、ぜひ試してみてください。
■そもそも節分に豆をまくのはなぜ? 2つの由来
節分には豆をまくのが一般的ですが、そもそもなぜこのような風習が生まれたのでしょうか。
ここでは、豆まきの由来について2つピックアップして紹介します。
◇(1)中国の宮中行事が伝わったから
節分に豆をまくようになった由来は、一説によると「追儺(ついな)」という厄払いの儀式にあるようです。
追儺は、もともとは中国の宮中で行われる伝統行事で、別名を「鬼遣(おにやらい)」といいます。それが日本へと伝来し、宮中行事として親しまれるようになったのだとか。
当初は、役者が目に見えない疫鬼を追い払うというものでしたが、次第にその役者が鬼に見立てられるようになったそうです。
そして、いつしか豆をまいて邪悪な鬼を追い出す行事へと発展し、今の節分のようなスタイルになっていったと考えられています。
◇(2)語呂合わせから
豆まきは、語呂合わせが由来になっているという説も。
昔からの言い伝えに「毘沙門天のお告げに従い、人々が豆を炒って鬼の目に投げつけることで鬼を撃退した」というものがあります。そこから「魔の目(=鬼の目)」に豆を投げつけて「魔(ま)を滅(めっ)する」と考えられるようになったのだそうです。
■節分の豆まきの豆はどんな種類でもいい?
節分の豆まきに使う豆は大豆が一般的ですが、大豆なら何でも良いというわけではないようです。また、地域によっては他のものをまくこともあるのだとか。
ここからは、節分の豆まきに使う豆の種類について詳しく確認していきましょう。
◇節分の豆は「炒った大豆」が一般的
節分の時にまく豆は、炒った大豆が一般的です。これには2つの理由があります。
☆(1)豆から芽が出てこないようにするため
1つ目は、豆から芽が出てこないようにするためです。
生の大豆を家の中にまき、拾いそびれた場合、後になって芽が出てしまうことがあります。昔は節分でまいた豆から芽が出るのは縁起が悪いこととされていたため、日数が経過しても芽が出ないように、あらかじめ火を通すようになったといわれています。
☆(2)語呂合わせから
2つ目の理由は、「炒る」と「射る」の語呂合わせです。
先述の通り、豆は「魔目」と読むことで「鬼の目」を表します。そのため、炒り豆にすることは「鬼の目を射る」ことに通ずるとされていました。
これら2つの理由から、節分でまく豆には、全国的に炒った大豆を使うことが一般的になったと考えられています。
◇一部の地域では落花生をまくところも
東北や北海道などの一部地域では、炒った大豆の代わりに落花生をまく地域も多いようです。
雪国における2月3日はまだまだ雪の多く残る時期なので、外に豆をまくと後で探すのに骨が折れます。
しかし、大豆よりも大きな落花生であれば、雪の上でも比較的簡単に見つけられますよね。また、殻が付いているため、拾った後に食べても衛生的というのも1つの理由でしょう。
雪国だけでなく、鹿児島や宮崎などでも落花生をまく地域がありますが、こちらは落花生の生産量が多いことが影響しているようです。
◇北海道の一部ではチョコをまく地域も?
北海道では、炒った豆でも落花生でもなく、個包装されたチョコをまく家庭もあるのだとか。
こちらも落花生同様、拾って食べることができるというのがポイントのようです。
今後は地域の風習に限らず、それぞれの家庭の楽しみ方の1つとして豆以外のものをまくところも増えてくるかもしれませんね。
□節分に食べる豆の数に正解はない
節分に食べる豆は、満年齢プラス1の数え年の数だけ食べるのが一般的とされています。
しかし、最近では数え年ではなく実年齢の分だけ食べる人も増えてきたため、絶対的な正解があるわけではありません。
節分で豆を食べる際に重要なのは、この先1年の無病息災を祈る気持ちです。そのため、数にこだわりすぎる必要はないでしょう。
今回紹介したことを参考に、皆さんが正しいと思う形で節分を楽しんでみてくださいね。
(LIB_zine)
※画像はイメージです
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