「リロ＆スティッチ」インスタ映え、TikTokダンス…SNSでの拡散力が社会現象級ヒットの一因に

2025.06.28 11:10

日本では6月6日より劇場公開されているディズニーの実写映画「リロ＆スティッチ」が、映画としての枠を超え社会現象と呼べるほどの話題となっている。全世界での興行収入は10億ドルに迫る勢い、その波に乗り異例のスピードで続編製作が決定。スクリーンの外でも、X(旧Twitter)、Instagram、TikTokといった各SNSで大きな盛り上がりを見せ相乗効果で作品に興味が持たれている。

異例のスピードで続編制作が発表

本作は、2002年に公開されたアニメーション映画「リロ＆スティッチ」(ディズニープラスで配信中)の実写版。物語は、両親を亡くした少女リロと姉のナニ、そして愛を知らない暴れん坊のエイリアンであるスティッチとの奇跡の出会いから始まり、“オハナ(家族)”の絆が描かれる。美しいハワイの島を舞台に、姉妹とエイリアンが本当の家族になっていく感動のストーリーが展開される。

全世界での興行収入は、すでに9.1億ドル(約1328億円)を突破しており、2025年公開作品の中でもトップ3に入る記録を樹立。5月23日に公開された米国では公開から3週連続で興行収入1位を獲得し、日本国内でも公開約3週間で興行収入19億円を超えるなど、世界的に注目を浴びている。(※Box office mojo調べ／1ドル＝146円、6月26日時点)

そして、ディズニーはスティッチが試作品626号であることにちなんで、6月26日(米国時間)の「スティッチの日」に早くも続編の制作を公式発表。これは、ディズニーが本シリーズの成功を確信したことの表れといえるだろう。

SNSでの拡散が作品の魅力を広める

X(旧Twitter)では、本作を鑑賞した観客からの「爆泣きした」「涙でぐしょぐしょになった」などの感想が多く投稿され、物語の良さを広く伝える大きな要因に。

またInstagramでは、ユーザーがスティッチの人形を抱いたり、カチューシャを付けたりした“インスタ映え”する自撮り写真が多く投稿されキャラクターとしてのスティッチのかわいさを拡散。

さらに、スティッチの楽曲を使ったダンス動画のTikTokでの盛り上がりも見逃せない。日本版エンドソングに起用されたTravis Japanの「バーニング・ラヴ」に合わせたダンスや、人気ダンスクリエイター・タイガが投稿した「アロハエコモマイ」のダンス動画は多くの「いいね」を集め、一般ユーザーによる「踊ってみた」動画も次々と投稿されるなど、大きなムーブメントが広がっている。

こうしたSNSでの拡散は、2002年のアニメーション版を知らない若者世代に本作の鑑賞を促す大きなきっかけとなっているだろう。

もちろん、今回のヒットは単に“バズっている”からだけではない。アニメーション版から引き継がれたスティッチの愛らしさや、“オハナ(家族)”の絆の描写に加え、実写版でより現実味を増した姉・ナニのヤングケアラーとしての苦悩の表現など、作品の根幹をなすテーマが深く評価されているからこそ、これほどの支持に繋がっているのである。

読者のみなさんは、「リロ＆スティッチ」のどのような部分に心を引かれただろうか。