映画「宝島」沖縄プレミア試写会舞台あいさつに登壇した大友啓史監督、妻夫木聡、広瀬すず(写真左から)

妻夫木聡「二度の延期は神様がくれた時間」広瀬すずらと共に1年ぶりの“里帰り”で涙<宝島>

2025.06.08 18:08
映画「宝島」沖縄プレミア試写会舞台あいさつに登壇した大友啓史監督、妻夫木聡、広瀬すず(写真左から)

妻夫木聡が主演を務め、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らが出演する映画「宝島」が、9月19日(金)の全国公開に向けて6月から全国キャラバンを本格始動。第一弾として、物語の舞台となる沖縄の地に、妻夫木、広瀬、大友啓史監督が訪問。6月7日に那覇市の劇場・シネマQで沖縄プレミア試写会舞台あいさつが実施された。

コザ暴動シーンの撮影裏話を披露

舞台あいさつで、最初に沖縄の人々に映画を見てもらえることに対し、妻夫木が「感無量です。二度の延期を乗り越えて、戦後80年という節目に公開されることになったのは、もしかしたら時間をかけて練り上げる時間を神様がくださったのではないかと思う」と運命的な出来事として語る。

広瀬は「時間がかかったからこそ、作品に対するスタッフの皆さんの情熱や愛情、敬意を感じ、貴重な経験だった」と心境を述べた。

また、大友監督は「アメリカ統治下の沖縄を再現するのは難しく、美術的なことだけでなく、予算的なことも含め覚悟を決めないと作れなかった」と当時の状況を振り返り、さらに「調べるにつれ、伝えなければならない思いが募り、覚悟を持って撮影した」と告白。

コザ暴動のシーンでは集めてきたヴィンテージカーをひっくり返して燃やした豪快なエピソードに話がおよぶと、妻夫木は当初実際のゲート通りで撮影したいと言っていたと監督のエピソードを披露。「もし本当にゲート通りで撮影してたら、新たなコザ暴動が起きていたかもしれない」と会場を沸かせる。

大友監督は「コザ暴動はあまり映像などが残っておらず、うちなんちゅの方々によって語り継がれた情報を基に想像力を駆使して組み立てた」と苦労を語った。

妻夫木聡「大好きな沖縄だから、ないがしろにしたくない」

広瀬は沖縄の歴史を演じることについて「授業で習ったことしか知らなかったが、実際に撮影前にいろいろと沖縄の地を回ってみると肌の感覚が変わり、血が騒ぐ感じがし、今の時代に生きている自分たちがどういうふうに受け止めるべきなのか?」と考えさせられたという。

撮影前の役作りについては、妻夫木がコザにある資料館訪問や、実際に体験された人たちに取材したことを語り、当時のことを思い出し涙で言葉を詰まらせる場面も。その都度、会場からは「頑張れ」と温かい声援が送られ、「自分が大好きな沖縄だから、ないがしろにしたくない。どこか見てみぬふりをしていた自分がいたんじゃないか」と佐喜眞美術館で「沖縄戦の図」を見た時に感じたこと、作品を大切に思う気持ちを述べた。

広瀬すず「少しでも皆さまの希望になる作品になったら」

最後に、広瀬は「この映画が皆さんにどのように届くのか、どういう景色として残るのかと。思いながら撮影していたのですが、少しでも皆さまの希望になる作品になったらいいなと思います。この映画がとても大きな輪になることを願っております」とコメント。

妻夫木は「この映画を通して過去を描くことは未来への問いかけだと思いました。過去は無かったことにはできないし、いろいろな思いを背負って僕たちは生きています。だからこそ精いっぱいに生きていかなくちゃいけないし、今を生きる僕たちは、未来を生きる子供たちのために、何を託せるのかを、今一度考える時なのかなと思っています。今こそ手と手を取り合って共に歩む、そういう力持った映画になったと僕は思っています」と何度も言葉を詰まらせながら心境を吐露。

続けて「まずは沖縄の方々の力が必要です。たぎれ、沖縄。たぎれ、日本。まずは沖縄でお願いします。」と宣伝アンバサダーとしての熱い思いを語り、舞台あいさつを締めくくった。

妻夫木聡が来場した340人全員に名刺を手渡し

この日の上映後には、妻夫木が“宝島宣伝アンバサダー”として沖縄への感謝の思いを込め、来場した340人全員に宣伝アンバサダーの名刺を自ら手渡しするサプライズイベントも実施。鑑賞の感動を直接伝えられ、妻夫木が涙ぐむ場面もあった。

名刺を配布し終わった妻夫木は「映画を見たお客さまとしっかりと向き合い、時間を共有できたことはとても貴重な体験だった。この思いを持ち全国キャラバンの向かいたい」と今後のキャラバンへの決意を見せていた。

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