

「日本のファンは僕にとって家族のような存在…」タイBLドラマ屈指の人気俳優ワナラット・ラッサミーラット来日インタビュー

タイBLドラマ『En of Love』や、2024年の話題作『JACK&JOKER U STEAL MY HEART』などで知られる、人気俳優の“War(ウォー)”ことワナラット・ラッサミーラットが、2025年3月14日~23日に開催された第20回大阪アジアン映画祭で来日した。
Warが出演したのは、タイ映画としては初めてのタイムトラベルSF大作『タクリー・ジェネシス』。シングルマザーの主人公・ステラが、幼い頃に失踪した父親と再会するため数千年を股にかけた冒険に繰り出す物語だ。
監督・脚本のチューキアット・サックウィーラクンは、大友克洋や藤子・F・不二雄、スティーブン・スピルバーグやクリストファー・ノーランらに影響を受け、ハリウッド顔負けのスケールで、母国タイの歴史や傷を表現するストーリーを描き出した。
過去にも監督とのタッグを経験したWarが演じたのは、まさに作品のテーマを体現するキーパーソンのコン役。日本での劇場公開は未定ながら、作品への思いや俳優としての姿勢、日本のファンに向けたメッセージを語ってくれた。
若い世代には劇中で描かれた歴史的事件を知らない人も増えている。それならば僕が歴史を伝える役目を担いたいという思いもあった
――はじめに『タクリー・ジェネシス』に出演するまでの経緯をお聞かせください。
チューキアット監督とは、今までにも映画やドラマでお仕事をしています。今回は、「SF映画を撮るので出てくれないか」というお誘いをもらったのがきっかけ。僕は子どもの頃から『スター・ウォーズ』の大ファンで、『デューン』やクリストファー・ノーラン監督のSF映画も大好きなので、ぜひやりたいと思いました。タイムトラベルや異次元について語る監督の目に情熱を感じて、「大作だぞ、楽しみだな」と思ったんです。
――脚本を読んだ第一印象はいかがでしたか?
とても感動しました。実際にタイで起きた歴史的事件につながる物語で、僕が演じたコンは、自分たちの大切な主張のために戦った学生たちを代表するような存在。もともと歴史を学ぶのが好きで、この映画で描かれている事件にも強い関心がありました。正式に出演が決まったあとは、実際の歴史を勉強し直すところから準備を始めたんです。
――演じられたコン役についてお聞かせください。
コンは自分の記憶が一切ない人物です。ずっと父親の命令に従い、どこにも行けず、ひとつの土地にとどまっている。だけど本当は、自分が何者で、どこから来たのかを知りたいと思っているんです。コンは少年のような見た目ですが、外見よりも30歳~40歳ほど年を重ねている設定。若々しいルックスのまま、大人として成熟している一面をどのように表現するかを考えました。その複雑さはタイムトラベルにも関係しているので……。
――精神的にはご自身よりもかなり年上の役柄ですが、特別に役づくりはしましたか。
コンと同年代の大人たちを観察し、価値観や性格、声を研究しました。きっと、コンは物静かな人だと思ったんです。僕自身は30歳で、もうすぐ31歳になるので、大人と若者、両方の気持ちに共感します。コンが「自分のことを知りたい」という気持ちもよくわかる。人間は誰でも、「自分のいるべき場所」にいることが一番いいですよね。現代は誰もが居場所を探しているような時代ですが、コンもそれは同じなのだろうと思いました。
――タイの歴史や政治に関係する役どころに抵抗感はありませんでしたか。
そこは確かに考えたところです。劇中の出来事に異論を持つ方や、僕とは違う見方をしている方がいることはわかっていましたから。だけど歴史的事実に変わりはないし、大切なものを手にするために戦った若者たちのことは、同じ若者としても理解できます。若い世代にはこの出来事を知らない人も増えているので、それならば僕が歴史を伝える役目を担いたいという思いもありました。
――本作で「タイ・ボックスオフィス・アワード2024」の助演男優賞を受賞されましたね。
チューキアット監督と、この役柄に挑戦させてくださった製作会社ネラミットフィルムに感謝しています。この映画は僕にとって本当に特別な経験でした。いただいた賞は僕だけのものではなく、監督やスタッフ、キャストの全員に与えられたもので、僕は代表として受け取っただけ。受賞のきっかけをくださった観客の皆さんにも心から感謝しています。
――今後どんな役柄を演じたい、どんな俳優になりたいという夢はありますか?
とにかく、どんな役柄も全力で演じたいですね。「こんな役をやりたい、こういう役はやりたくない」と言って自分に制限をかけることはしたくないし、どの役にも別々の難しさとチャレンジがあるはず。だから自分の好みよりも、それぞれの役柄をよりよく演じること、完璧に近づけることを考えたいんです。もともとアートやデザインが大好きなので、役柄を自分なりにデザインするのはすごく楽しいんですよ。将来的にはアートの分野で仕事をすることも自分の夢ですね。
――そういえば、陶芸がお好きなんですよね。
大学が建築学科で、主にプロダクトデザインを学んでいたんですが、陶芸の授業を受けてハマってしまったんです。家を建てたときに小さな工房を作ったので、そこでじっと粘土をこねたり、表面に釉薬(うわぐすり)を塗ったりしていると、これは一生かけて試せるものだなと感じます。すごく楽しいし、自分の人生を豊かにしてくれるって。
――陶芸が俳優業に活きているところもありますか?
そうですね……演技に直接活きてはいないのかもしれませんが、陶芸からは人生の教訓を学んでいます。たとえば粘土が硬すぎると、形ができても触れた人が怪我をしてしまうかもしれないし、凶器にもなりえます。きちんと水と粘土を混ぜないと、使えるものにはならないんですよね。僕も辛抱強く、時間をかけて粘土を形にすることでしか、優れた陶芸家にはなれない。そのとき、強さも力のひとつだけれど、よりよい人になるためには紳士的かつ柔軟でなければいけないのだと学びました。相手を理解し、受け入れる方法を知らなければいけない。粘土に教わったことは、きっと俳優としての自分にも活きていると思います。
――最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします。
いつも応援してくださってありがとうございます。皆さんがいるからこそ、僕はこの仕事を続けていく自信を持てるし、ひとりの人間として成長しつづけたいと思えるんです。皆さんは僕にとって、友達というよりも家族のような存在。お互いにポジティブな関係でいられることに感謝しています。僕の人生に意味があると思えるのは、ファンの皆さんがいるから。僕もそのお返しに、何らかの意味を届けられていたらうれしいです。
取材・文:稲垣貴俊
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