![](https://img-mdpr.freetls.fastly.net/common/web/common/img_protect.png?quality=40&auto=webp)
![](https://img-mdpr.freetls.fastly.net/article/2YZS/nm/2YZSxAvPIZIkSUk0ViShfDYQcL2QZldEvQoAzqnVJwA.jpg?width=1400&disable=upscale&auto=webp&quality=75)
藤森雅也監督らが明かす『劇場版 忍たま乱太郎』作画裏話 「授業のシーンなんだけど、サスペンスのように作ろうと」
![](https://img-mdpr.freetls.fastly.net/article/2YZS/nm/2YZSxAvPIZIkSUk0ViShfDYQcL2QZldEvQoAzqnVJwA.jpg?auto=webp&quality=80)
「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」(公開中)のイベント「第ニ回スタッフトーク」が、2月6日に新宿ピカデリー・スクリーン1にて開催され、メガホンをとった藤森雅也監督とキャラクターデザインの新山恵美子氏が登壇した。(この記事は、本編のネタバレを含みます)
普段の「忍たま」とはひと味違ったシリアスな展開を描く
朝日小学生新聞で1986年より連載を開始した尼子騒兵衛による「落第忍者乱太郎」を1993年にテレビアニメ化した人気シリーズ「忍たま乱太郎」。本作では、「小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師」を映像化し、普段の「忍たま」とはひと味違ったシリアスな展開を描く。
監督は初代キャラクターデザインを務め、前作「劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段」(2011年)でもメガホンをとった藤森。脚本は「小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師」の著者であり、テレビシリーズも手掛けてきた阪口和久が務める。
また、テレビシリーズに引き続き、制作をアニメーション亜細亜堂が担当し、声優として高山みなみ(乱太郎役)、田中真弓(きり丸役)、一龍斎貞友(しんべヱ役)、関俊彦(土井半助役)らが出演する。
「格好良く描こうとすると、頭身が伸びちゃう」
このたび実施された第二回スタッフトークでは、スクリーンにこの日のために新山氏が描き上げたという「忍たま」六年生のイラストが投影され、温かい拍手に迎えられながら藤森監督と、七松小平太のパペットを手にした新山氏が登壇。
テレビアニメ「忍たま乱太郎」(NHK Eテレ)の初代のキャラクターデザイナーである藤森監督と、キャラクターデザインを引き継ぐ形で現在もその役を担っている新山氏。師弟関係とも言える二人の和やかなトークはキャラクターの頭身についてから始まった。
一年生以外のキャラクターたちの頭身をテレビアニメに比べ高くしたことについて、実際のキャラクター設定資料を見ながら藤森監督は「アクションシーンでは、シルエットを立たせやすいのと、座っている芝居でも低くカメラを置いた時に威厳があるように見えるのが良かったなと思います」と設定画を見ながら説明していく。新山も「格好良く描こうとすると(頭身が)伸びちゃいますよね」と特にアクションシーンなどは設定よりも頭身が伸びていることを明かした。
そして、一年生以外の等身を伸ばしたことで“副産物”として現れた効果として藤森監督は「対比で、は組の生徒たちが(先生たちに比べ)小さくなるのでかわいくなるんです。テレビ版だと先生たちの胸下くらいまで身長があるんですが」とし、新山も「土井先生が伸びたのかきり丸が縮んだのか…。きりちゃんが本当にかわいい。(監督が描いた)コンテの時点からこのかわいさだったのでかわいく描かなければと、監督に激しく同意でした」と藤森監督の絵コンテを絶賛した。
土井先生と諸泉尊奈門とのアクションシーンについてトーク
前半はアクションシーンの注力ポイントについてのトークを展開。まず取り上げられたのは冒頭の土井先生と諸泉尊奈門とのアクションシーンについて。藤森監督は「今回の映画で、土井先生と天鬼の忍具の使い方を同じにしたいと思っていて。出席簿はいつも同じなんですが、チョークの投げ方は、6コマで3本のチョークを投げろという指示を入れたかな?」と振り返る。
新山氏もこのシーンには思い入れがあるとして「土井先生は出席簿で戦っているので、ボロボロになっていくんです。綺麗な状態からその状態まで繋げないといけないので、作画でアクションに合わせて出席簿の傷を少しずつ増やしていきました。シーンの前半と後半で作画監督を分けており、私が前半の作画監督を担当したのですが、出席簿の傷の量は合わせていかないといけないので、出席簿は(後半のシーンを含め)全部やらせてもらいました。傷の密度が増えたり減ったりすると映画として気持ち悪いので、注力しました」と明かし、藤森監督は「その苦労を全く知らず、ちゃんとしているなと思って見ていました」と新山氏をねぎらった。
続いては天鬼VS六年生のアクションシーンについて。このシーンについて藤森監督は「ヒーローものみたいな出撃にしたいと思って。また接近戦が得意な人と距離を置いた戦いが得意な人に分けて全体を動かすというのを『忍たま』でも一回作ってみたいなと思って、やらせていただきました」と話し、「TVシリーズではギャグアニメだから<いけどん>とか<ギンギン>で行くのは正しいんだけど、六年生なんだから出来るやつらに決まってる。本作では彼らにも冷静で優秀な側面があるよ、と描かせてもらいました」とコメント。
普段の「忍たま」らしからぬシーンについても明かす
さらに、普段の「忍たま」らしからぬシーンとしても話題になった六年生の傷について、新山は「設定を書いていて、血の形が都道府県の形に見えないかだけ気になってました」と笑いを誘いながら、カットごとに傷が増えシルエットも変わる善法寺伊作の作画には苦労したと話す。さらに、血の色について藤森監督は「最初はもう少し鮮やかな色も検討したんですが…」と呟き、幅広い年齢層の観客への配慮をし、今の色に決定したという裏話も告白した。
山田先生と卒業生の桜木清右衛門、若王寺勘兵衛のアクションシーンについては「コンテが村野(佑太)くんで、作画は堀内(博之)さん。このシーンはアクション作画監督の関根(昌之)くんとは別の人がやっているんです。堀内さんは理論派で重量感のある動きを描ける方で、このシーンだけでなく天鬼VS六年生のアクションシーンの中盤も手がけてくれています。関根くんと堀内さんはテイストが違うタイプのアクションを描くので、見比べてみると超一流の二人の個性の違いが分かって面白いと思います」と藤森監督ならではの注目ポイントを披露する。
藤森監督&新山氏、互いの仕事のお気に入りポイントを披露
トークは藤森監督、新山氏のお互いの仕事のお気に入りポイントを披露するコーナーへ。まずは、藤森監督が好きな、新山氏が手がけた作画の紹介からスタート。本作で約770カットを手掛けたという新山氏の仕事から、藤森監督が特にお気に入りだという4つのカットを紹介する。
一つ目は、忍術学園を出発する土井先生の表情。二つ目は潮江文次郎が土井先生捜索の折に見せた「しょぼしょぼな顔」。三つ目はきり丸を囲む六年生のカット、特に立花仙蔵の「しょっぱい表情」。四つ目に土井先生の不在に落ち込むきり丸と対峙する山田先生と学園長の優しい表情のカットをあげる。
藤森監督は「きり丸がとにかく落ち込んでいるんですが、きり丸を見せずに二人の目線の芝居で表現しています。話しかけるときの山田先生の表情がいいんだよね」と熱弁すると、新山氏も「私もコンテを読んだ時に、きり丸が最初に写ってからその後は全然写らないんです。じゃあそれ(きり丸が落ち込んでいる姿)を想像させないといけない。きり丸を大切に思っていることを伝えるために一瞬、安心感を与えてあげるお父さんのような笑顔を入れました」と語った。
続いては新山氏がお気に入りの、藤森監督の技が光るシーンを3つ紹介。一つ目は雑渡昆奈門と諸泉尊奈門がは組で行う二回目の授業で尊奈門が教壇に立ったシーン。「コンテを読んだ時に本当にびっくりして。一回目の授業は割とオーソドックスなカット割りなのですが、二回目は二人の心情込みのカメラワークが続いていくんですが、同じ授業のシーンをやっているのに、飽きのこないメリハリのあるカット割り。どうやったら雑渡のお尻ごしに撮るカットにしよう、となるんでしょうか」と、藤森監督の大胆なカット割りに驚愕したエピソードを披露。
藤森監督は「授業のシーンなんだけど、サスペンスのように作ろうと思って。斜めの構図とか広角とかを使って緊張感を出しました。とにかく画がまとまっていてカッコよければいいんです」と自論を展開し、新山氏が「どういう発想なんだろうなとすごくハラハラしました」と驚きを口にした。
続いて紹介されたのは、土井先生の記憶が戻るシーン。「大好きなシーンなんですが、土井先生の目線から山田先生の家、忍術学園との出会い、六年生が一年生だった頃、そしては組に出会って、きり丸との生活が始まって…という流れがあるなと思うんですが、は組が通り過ぎるワイプだけが早くて、知っているのに目で追えないんですよ。今日はここの原画を見せられたらなと思って…」と、回想シーンで一瞬スクリーンを駆け抜けていくは組の生徒たちの原画を披露し、会場からは待っていましたとばかりに拍手が送られる。
「これは藤森さんがレイアウトを描き、私が原画を描いたんですが、『きり丸だけ色を落としてください』と指示がありました。実はこの回想シーンには流れがあって、土井先生が六年生の次には組に出会ったが、笑顔のは組の生徒たちの中で、きり丸だけ真顔でこっちを見ていて、土井先生から見てちょっと浮いている子にみえる。ワイプが通過して、夏休み前に影のあるきり丸がいて、そんなきり丸を引っ張り出した後に、きり丸との生活シーンが入っている。個人的には非常に大事なシーンだと思っているんですが、とにかく(流れるスピードが)早い!!私がかわいいかわいいと思いながら描いた顔を見てほしかった」と熱く語った。
最後に新山氏が上げたのは、ひっくりかえる稗田八方斎を顎の下から写したカット。藤森監督がレイアウトしたカットで、新山は「八方斎って鷲鼻じゃないですか。(下から)煽ると鷲鼻ってどうなるんだろうという話になったのですが、鼻どころではなくてここまでひっくり返されるとエラなんだか首なんだか、何だか分からなくなってしまって。こういう美しくも難しいシーンはアニメーター藤森雅也ではないと描けないカットだったと思っています」と藤森監督の手腕を讃える。藤森監督も「口髭が飛び出ているのがかわいいよね。なかなか機会のない角度で描いていただきありがとうございました」と新山氏に感謝を述べ、イベントは幕を閉じた。
関連記事
-
新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>WEBザテレビジョン
-
東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」WEBザテレビジョン
-
<BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現WEBザテレビジョン
-
松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」WEBザテレビジョン
-
ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かすWEBザテレビジョン
-
瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」WEBザテレビジョン
「映画」カテゴリーの最新記事
-
GENERATIONS中務裕太、2人の“永遠のヒーロー”告白「今の僕はいないと思う」【キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド】モデルプレス
-
MAZZEL・KAIRYU&SEITO、ボス・SKY-HIには「頭が上がらない」「人生を救われた」尊敬語る【キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド】モデルプレス
-
=LOVE高松瞳「人生を変えてくださった」ヒーロー明かす 爽やかブルーワンピで登場【キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド】モデルプレス
-
Da-iCE花村想太、免許取得の後押しとなったヒーロー告白「原点なのかな」【キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド】モデルプレス
-
西垣匠、映画の世界に興味を持ったきっかけはサム・ライミ版“スパイダーマン”「初めて見た映画の記憶。僕のヒーロー」WEBザテレビジョン
-
西垣匠、俳優に興味を持つきっかけとなった存在とは「繋がっている」【キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド】モデルプレス
-
前田敦子、ヒーローへの憧れ告白で“マーベル愛”爆発「アベンジャーズが本当にいてくれたら」【キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド】モデルプレス
-
志田彩良、THE RAMPAGE吉野北人を共演前に下調べ「バチバチの金髪」姿に恐れる【遺書、公開。】モデルプレス
-
藤岡弘、ファミリーがレカペ集結 真威人&天音にとってのヒーローは「父しかいない」【キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド】モデルプレス