溝端淳平にインタビューを行った

溝端淳平、“二代目キャプテン・アメリカ役”への重責と覚悟「自分の声によって台無しにしてはいけない」

2025.02.11 08:10
溝端淳平にインタビューを行った

マーベル・スタジオの劇場公開最新作「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」が2月14日(金)より日米同時公開される。今作の主人公は映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)のラストで、初代キャプテン・アメリカを務めたスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)より正義の象徴である盾を託されたサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)。

重責を受け継ぐことになったサムだが、周囲で不穏な動きが高まり、誰が味方で誰が敵か分からぬ陰謀と壮大な戦いに巻き込まれていく。このほどサムの日本版声優を務める溝端淳平にインタビューを行い、これまでとは一味違ったという今作のアフレコについてやハリソン・フォードの印象などを語ってもらった。

7作目にして“主人公”としてのサムの声を担当

溝端がサム役を務めるのはこれが7作目。2014年の「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」で初めて声を当てて以来、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」「アントマン」「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ/エンドゲーム」(いずれもディズニープラスで見放題独占配信中)と続き、今回の「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」でついに主人公としてのサムの声を演じることとなった。

――溝端さんは個人的にもマーベル作品のファンだそうですが、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品のどんなところに魅力を感じていますか?

アイアンマンやキャプテン・アメリカなど、いろんなヒーローの物語がありますが、一人一人のかっこよさに引かれるだけじゃなくて、一人一人の生き様にドラマがあって、感動してホロリと泣けてしまったりもします。

宇宙などでの壮大な戦闘が繰り広げられる、非現実的な要素もある作品ではありますが、その中で彼らが“いかに生きているか”。そこが見えるからMCU作品は人の心を動かし、つかみ続けているのだと思います。

そして、今回の「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」のように、継承されるところも大きな魅力だと思います。誰かの意思を継いでいくところもファンの心をつかんで離さない理由だと思います。

また、いろんなところから見始められるのも人気の秘訣(ひけつ)だと思います。新作を見てから、これ見てなかったなと遡って見ることもできる。そうして、無限に広がっていくんですよ。そうすると、つじつまが合わないんじゃない?と思われるかもしれませんが作り手の方たちは常に面白いことをやろう!と子どもの頃の感覚を持ち続けながら、きっちりつじつまを合わせて作品として成立させていくんです。そういうところもMCU作品の大きな魅力だと思います。

――「エンドゲーム」以来に演じるサムが、キャプテンとして帰ってくると聞いたときはどう思われましたか?

満を持してキャプテン・アメリカをやらせていただけるんだという喜びと、プレッシャーの両方を感じました。責任の比重は、今までと全然違いますから喜び半分、プレッシャー半分という感じです。僕自身がMCUの大ファンなので、あまりプレッシャーをかけ過ぎないようにしようと思いながら演じました。

――サムを演じる際に意識したことは?

これまでのサムは、“バランサー”的役割を果たしていたと思います。もともと退役軍人のカウンセラーをしていた人で、人の心に寄り添える優しさの持ち主。そして、たまに軽口をたたいて場をなごませるところが魅力でしたが、今回のサムは全然違いました。

もちろん優しさもユーモアも根底にありますが、キャプテン・アメリカという大変重いバトンを受け継ぎ、戦いの先頭でみんなを引っ張っていかないといけないという重責に苦しみ、ある種の孤独な戦いを抱えている表情も見てとれる。

そういう意味では、サムという人物の物語がこれまで以上に重く深く描かれていくので、最初に「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」をやった頃とは全然気持ちが違って、演じながらサムの成長を感じました。

「これまでで一番物語に寄り添い、僕自身が没入しています」

――彼の成長ぶりを声色でも表現されたのですか?

アフレコ時の監督が最初の「ウィンター・ソルジャー」と同じ方だったので、相談したところ「初めて会ったときと比べると、溝端くん自身の声もだいぶ低くなっているのでちょうどいいんじゃない?」とおっしゃってくださったので、そこまで気にせず演じました。

新しいキャプテン・アメリカになったサムを、自分の声によって台無しにしてはいけないという思いが強いので、芝居自体だけでなく、翻訳の解釈の仕方についてもスタッフの皆さんとディスカッションをしながら進めていきました。これまでで一番物語に寄り添い、僕自身が没入しています。アフレコは大変でしたが、とても楽しかったです。

――セリフ回しって大切ですよね。同じ意味合いでも言い方一つで変わるので。

そうなんですよ。あとは声のトーン一つでも変わるので、彼の雰囲気に一番合うトーンを追求しました。ハリソン・フォードさん演じるロス大統領とのシリアスなシーンも多いので、時間をかけてじっくりやらせていただきました。

“レジェンド”の圧倒的存在感「プレミア感が漂います!」

――今回はハリウッドのレジェンドであるハリソン・フォードさんがマーベル作品初参戦という点にも注目が集まっていますが、映像で対峙(たいじ)していかがでしたか?

やっぱり画面に出てくるだけで、プレミア感が漂います!登場するだけで、彼の独壇場になるなと思いました。

――今回はそのフォードさんが演じるロス大統領が“レッド・ハルク”に変身するということで、どういった展開がされるかがとても気になります。

そうですよね。実は今回はサムだけでなく、ロス大統領の物語でもあるんです。ロスが抱えている後悔や人間として歩んできた道のりを見つめ直すストーリーも描かれています。

一方、サムの内面もこれまで以上に深く堀りさげられます。これまでキャプテン・アメリカを務めてきたスティーブ・ロジャースは誰もが想像するアメリカのヒーローでしたが、サムは血清も打っていない普通の人間で、スティーブのキャプテン・アメリカとは全然違う。それゆえの悩みが尽きないんです。加えて、彼は優しくて賢いので、周囲がとてもよく見えているんですけど、見え過ぎるがゆえの悩みも出てくる。いろんな悩みや葛藤を抱えていくんです。

――そんな中で、サムがキャプテン・アメリカとして立とうとするところが魅力だったりするのでしょうか?

サムの場合は、“立とうとし過ぎない”ところがいいと思っています。キャプテン・アメリカを受け継いだことはうれしいけれど、やっぱり前者が偉大だったので、自分と比べたりしながら、周囲に押されて前に進もうとする。悩みながら先頭に立ち、そして周囲も支えていくところが新時代のリーダーだと感じます。

“二代目ファルコン”は「兄弟みたい」

――二代目ファルコンも登場して、共に陰謀に立ち向かうんですよね。

二代目ファルコンとなる、陸軍中尉ホアキン・トレス(ダニー・ラミレス)との関係も兄弟みたいで素敵なんです。ホアキンはサム以上に明るくて陽気なキャラで、彼のそういうところにサムが助けられているように感じました。

――他にも注目ポイントはありますか?

今回は日本がキーポイントになっていて、そこも見どころです。ネタバレになるので、あまり言えないのですが、平岳大さんも尾崎首相役で出演されていますし、桜も出てきます。これ以上は言えないです(笑)。

――最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

空中アクションや「キャプテン・アメリカ」シリーズの醍醐味であるサスペンス要素も楽しめますし、サムとロス大統領、二人の悩みや葛藤が描かれ、人間ドラマとしての魅力も多分に含まれた一作になっていると思います。

これまでのファンの方はもちろん、初めてご覧になる方も楽しめる作品になっていますので、ぜひ劇場でご覧ください。

◆取材・文=及川静

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