「BS12 年またぎ映画祭」で放送。「アウトロー」

ブルース・ウィリスの「RED」、トム・クルーズの「ジャック・リーチャー」、年末年始に観たい勇気をくれる年末年始ハリウッド映画特集<BS12>

2024.12.27 18:30
「BS12 年またぎ映画祭」で放送。「アウトロー」

誰もが一度は憧れるヒーローといえば、生身で戦うハリウッド映画の主人公だろう。肉体と技術を極限まで磨き上げ、逆境にもくじけず悪を叩きのめすさまは爽快感抜群だ。BS12 トゥエルビ(BS222ch、全国無料放送)では、そんなハリウッド映画を中心にした計15作品を「【2024-2025】BS12 年またぎ映画祭」と題し、12月28日(土)から1月5日(日)にかけて一挙放送する。ここではその中からトム・クルーズ主演の「ジャック・リーチャー」シリーズ、ブルース・ウィリスをはじめとする大スターが共演する「RED/レッド」シリーズをピックアップし、その魅力を紹介したい。

全てを捨て去った元秘密捜査官が巨悪に立ち向かう「ジャック・リーチャー」シリーズ

「ジャック・リーチャー」シリーズの主人公、ジャック・リーチャー(トム・クルーズ)は元米軍の秘密捜査官。本名をはじめ、自身に関する一切の記録を消し、アメリカで放浪生活を送る人物だ。世捨て人となった彼だが、シリーズ第1作目「アウトロー」(2012)では残酷な殺人事件の容疑者となった元米軍スナイパーが、リーチャーを呼ぶよう要求。容疑者をよく知るリーチャーは、彼らしからぬ犯行に疑問を抱き、事件の真相を追いはじめる。

皮肉屋で時にドライにも見えるリーチャーだが、真実が歪められることを許さず、危険を顧みず巨悪に立ち向かう姿はヒーローそのもの。どんな人物や物事に対しても先入観に捉われず、フラットな目線で見るのがリーチャーの調査スタイルだ。現場に立ち、容疑者ならどう考え、どう動くかのイメージを巡らせて、誰もが見落としていた“穴”を見つける手腕には舌を巻かずにいられない。

続く「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」(2016)では、スパイ容疑をかけられた憲兵隊の女性、ターナー少佐(コビー・スマルダーズ)と共に、巨大な陰謀に挑む。リーチャーとタフで勝ち気なターナーのタッグが見せるアクションは、前作以上にスリリングで迫力満点。生死を共にする状況にあって、男女の恋愛関係になることもないのがまた渋くてカッコいい。事件に巻き込まれた少女サマンサ(ダニカ・ヤロシュ)を命がけで守ろうとする姿も痺れるところだ。

折しも今年の12月17日、トム・クルーズが映画作品を通じて米海軍に貢献したとして、米海軍公共サービス殊勲賞を授与されたことが話題となった。「トップガン」「ミッション:インポッシブル」「ジャック・リーチャー」などのシリーズ作品でさまざまなヒーローを演じてきた彼は、ついに本物のヒーローとなったのだ。

老いてなお盛んな元超一流スパイ集団「RED」は憧れの将来像、「RED/レッド」シリーズ

老いなんて怖くない、人はいつでも“現役”に戻れる。そんな勇気をくれるのが、「RED/レッド」(2010)に登場する超危険な年金生活者集団“RED(Retired Extremely Dangerous)”だ。その顔ぶれは、元CIAエージェントのフランク(ブルース・ウィリス)、彼の元上司ジョー(モーガン・フリーマン)、武器のスペシャリストであるマーヴィン(ジョン・マルコヴィッチ)、元女スパイのヴィクトリア(ヘレン・ミレン)。彼らは引退して思い思いの生活を送っていたが、フランクが暗殺部隊に急襲されたことをきっかけに現役復帰する。

愛する女性サラと共に穏やかな生活を送りたいと望むも、否応なしに厄介事へ巻き込まれてしまうフランク。女性に対しては不器用だが、肉弾戦、銃撃戦からカーチェイスまでお手の物。仲間思いの人物でもあり、「RED リターンズ」(2013)では仲間が死んだと思い込み、涙を見せる場面もある。REDの紅一点、ヴィクトリアも実に魅力あふれる女性だ。上品な貴婦人といった佇まいだが、“仕事”となると昔の血が騒ぎ、すまし顔で敵を華麗に始末する。そのギャップに魅了されない人はいないだろう。

ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマンらREDの面々を演じる豪華な顔ぶれもため息ものだ。今も俳優として第一線で輝き続けるレジェンドたちの姿が劇中の元スパイたちと重なり、往年の映画ファンにとっては感慨深いものがある。

老いてなお超一流の腕前を誇る彼らは、多勢に無勢の状況にあっても、持ち前のスキルとチームワークで巨悪をぶちのめす。同世代の人々にとっては中年と高齢者の希望の星であり、若い人々にとっても「将来こんな格好いいおじいちゃん、おばあちゃんになりたい」と憧れの存在になるはずだ。

レジェンド俳優の身体を張ったアクションにマジ痺れる

社会のしがらみから逃れ、自由に生きるジャック・リーチャー。リタイアしてもなおCIAから一目置かれる、極秘任務のスペシャリスト“RED”。多勢に無勢の圧倒的に不利な状況でも、自らの正義と信念を貫き、タフに戦い抜く彼らはまさしくヒーローだ。「ジャック・リーチャー」「RED/レッド」シリーズともにヒーローを演じるのはアラフィフ以上の俳優ばかりだが、年齢を感じさせない身体を張ったアクションには驚かされる。これらの映画を観れば、きっと新しい年に向けての勇気をもらえることだろう。

BS12 トゥエルビの「【2024-2025】BS12 年またぎ映画祭」では、「ジャック・リーチャー」シリーズ(29日[日]18時~、20時~)、「RED/レッド」シリーズ(1月4日[土]、5日[日]18時~)のほか、シルベスター・スタローン主演の「ランボー」5作品(1月1日(水)~5日[日]スタート20時~ほか)、「ダイ・ハード3」「アルマゲドン」(30日[月]19時~)「ディープ・インパクト」(31日[火]19時30分~)と、劇場版「名探偵コナン」3作品が一挙連続放送される。

◆文=帆刈理恵(スタジオエクレア)

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