柳葉敏郎、秋田がい旋で地元に感謝「皆さんの温かい気持ちに触れることができました」<室井慎次 敗れざる者>
映画「室井慎次 敗れざる者」の秋田がい旋舞台あいさつが10月26日、秋田・イオンシネマ大曲とTOHOシネマズ秋田で実施。柳葉敏郎、福本莉子、齋藤潤、生駒里奈、本広克行監督が登壇した。
温かい大拍手で包まれたがい旋舞台あいさつ
10月11日に全国381館で公開された本作は、10月25日までの公開2週間で興行収入10億円を突破し、大きな話題を呼んでいる。
今回、がい旋舞台あいさつが行われた秋田は、本作の舞台で主人公・室井慎次(柳葉)の故郷。“踊るプロジェクト”のイベントが秋田で開催されたのは、「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」以来12年ぶりとなる。
普段、柳葉も訪れるというイオンシネマ大曲での舞台あいさつでは、柳葉、福本、齋藤、本広監督が登場すると、会場は歓迎ムードの温かい大拍手で包まれた。
全国の劇場の中で観客動員数第1位がTOHOシネマズ秋田、第2位がイオンシネマ大曲であることが伝えられ、柳葉は「どでんしたっす!(びっくりしました!)」と秋田弁で驚き、「本当にありがとうございます。秋田で撮影をしているときは懐かしい思いと、育ててもらった故郷へ少しでも恩返しができたらと思っていました。そんな中、こんなうれしい出来事を聞けて、秋田県人でいがったっす(良かったです)!」と感謝。
福本は「昨日、大曲駅に着いた瞬間から本作のポスターがあって、街全体で映画を盛り上げてくださり、皆さんの愛が伝わってきて、とてもうれしかったです」、齋藤は「僕もすごいびっくりしてます。本当に皆さんに愛されているんだなと感じています」と、秋田の人たちの本作に対する愛について話す。
柳葉敏郎の母校で撮影「感極まるものがありますね」
また、秋田での撮影について「猛吹雪の朝に撮影でラーメンを食べて、すごくおいしかったです。体に滲みました」と語る福本に、柳葉が「あそこの店は角館高校の後輩がやっているんだよ」と地元トークを展開。
齋藤は「秋田に着いた瞬間の外の空気がおいし過ぎて、ここに住みたいなと思いました。田沢湖の水がきれいで、美しい自然に囲まれながら撮影できていたのは幸せでした」と振り返る。
柳葉、齋藤、福本は「昨日、きりたんぽ食べたね」「ハタハタも食べました!」「彼らはみずを絶賛していました!」「とてもおいしかったあ」など、秋田の食べ物についても語り、本広監督は「秋田に来て食べ物がおいしくて、撮影期間中に14kg太りました(笑)」と告白し、笑いを誘った。
齋藤演じるタカの高校は、実際に柳葉が通っていた母校。柳葉は「感極まるものがありますね。僕は出番がなかったんですけど、タカがお世話になっているので、プリンの差し入れを持っていきました。おいしかったべ?」と齋藤に語り掛け、「おいしかったです! 二つ頂きました!」と和気あいあいとした様子。
「僕も柳葉さんの母校で撮影できることがうれしくて、柳葉さんが頑張ろうと声を掛けていただいて、すごく温かったです」という齋藤の返しに「100点だな(笑)」と、柳葉は温かい笑顔を見せた。
「室井慎次 生き続ける者」先行上映が緊急決定
さらに、「室井慎次 生き続ける者」(11月15日[金]公開)の先行上映が緊急決定。「それだけ、この作品が皆さんの思いを背負っているんだなと感じて、感謝しかないです。室井慎次という男の生き様の話ですが、彼の体に流れている秋田の血が皆さんに伝わっているのかなという気がしてならないです」という柳葉のコメントに、会場からは大きな拍手が。
福本も「『室井慎次 敗れざる者』を見て、『室井慎次 生き続ける者』を楽しみにしてくださっている方がたくさんいらっしゃるんだなと思って、愛しか感じません!」と喜ぶ。
最後に、柳葉から「この話を頂いたときは断るつもりでいましたが、こうして作品を皆さんに見ていただいて、感謝しかないです。室井慎次は敗れざる者であり、生き続ける者です。柳葉敏郎は、幸せ者です」と感極まって涙を浮かべながら深々とお辞儀。
柳葉の退場時には、客席にいた同級生から大きな花束を受け取る場面もあり、地元からの深い愛に包まれた舞台あいさつとなった。
柳葉敏郎と生駒里奈が方言でのトークを繰り広げる
その後、柳葉と同じく秋田出身の生駒も合流し、TOHOシネマズ秋田で2回の舞台あいさつを開催。生駒は「室井さんと同じ由利本荘市出身の生駒です。まさか自分が小さいころから来ていたこの映画館で、舞台あいさつに出る側として、そしてギバちゃんの映画に出るなんて!と思って頑張ってきました」とあいさつ。
そして、柳葉と「室井さんと対面する緊張と柳葉さんとお芝居をする緊張と…いろんな緊張がありましたが、自分史上最大の準備をして挑みました。刑務所のシーンがクランクインでしたが、秋田でも久しぶりに雪が降った日で…かじかんで大変でしたよね、柳葉さん?」「さびかったなあ」「んだからやあ」「急に振ってきたっけな」「…という会話をしながら頑張って撮影ができたので、いい経験をさせていただきました(笑)」と、秋田出身同士で方言を使って撮影を振り返る場面も。
地元・秋田での撮影について、柳葉は「俳優として自分が生まれて、育ててもらった場所で、自分の作品が撮れるのは俳優でもなかなかいないと思うんですよね。それをかなえてくれた製作スタッフ、監督、皆さんに感謝ですし、現場でも温かく迎え入れてくれて、あらためて秋田県人の皆さんの温かい気持ちに触れることができました。全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝を伝える。
また、柳葉との共演について、福本は「現場で、細かいところまで気を配っている姿を学ばせていただきました。柳葉さんを中心に、この作品を面白くしようという強い気持ちで挑む良い緊張感がありつつ、休憩中は楽しく過ごせるように努めてくださったり、差し入れもたくさんしてくださって、メリハリのある現場でした。尊敬しています!」とコメント。
齋藤も「この撮影中も、今までに感じたことのない大きなプレッシャーを持ってタカを演じさせていただきましたが、ずっと柳葉さんには近い距離でいろんなことを教えていただき、背中が温かくなるような安心感がありました。自分の中で一つ一つ焼き付けようという思いで挑んでいました」と話し、2人の言葉に柳葉は「ありがとうございます…!」と深々とお辞儀した。
最後に、「『室井慎次 生き続ける者』はどんな作品になりましたか?」という質問に対して、柳葉が「室井慎次の生き様もですが、子供たちの成長ぶりを感じてくれたらいいなと思います。最後の室井をしかと見届けていただければなと思います」という締めくくった。
27年の時を経て再始動した“踊るプロジェクト”
1997年の連続ドラマ開始以来、それまでの刑事ドラマとは一線を画し、警察内部の縦割り社会や上下関係、人間模様を描き、社会現象を巻き起こした「踊る」シリーズ。翌1998年公開の「踊る大捜査線 THE MOVIE」は、興行収入100億円超えの超大ヒットを記録。
2003年に公開された「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」が打ち立てた記録は20年以上経った今でも、2位に50億円以上の差をつけたまま、邦画実写記録の圧倒的頂点に君臨している。
そして、劇中での“青島と室井の約束”から27年の時を経て、プロデュース・亀山千広、脚本・君塚良一、監督・本広克行が再集結、音楽には武部聡志が参加し、“踊るプロジェクト”が再始動。その発表以降、テレビドラマ「踊る大捜査線」シリーズのリピート放送や映画過去作の地上波一挙放送など、X(旧Twitter)では「踊る」関連ワードで何度もトレンドを席巻している。
映画「室井慎次 敗れざる者」ストーリー
「あの男との約束を果たせなかった―」
現場の捜査員のために粉骨し、警察の組織改革に挑むなど、波乱に満ちた警察人生を歩んできた室井慎次。27年前の“青島との約束”を果たせなかったことを悔やみ、警察を辞めて故郷・秋田に帰る。
そこには、かつての険しい表情とは異なり、自分たちが見過ごしてきた「事件の被害者家族・加害者家族を支援したい」という思いで、少年たちと一緒に穏やかに暮らす室井の姿があった。
そんな中、室井の前に突如現れた謎の少女。彼女の来訪とともに、他殺と思われる死体が発見される。そして明かされる、少女の名前は日向杏。シリーズ最悪の犯人と言われた猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘だという、衝撃の事実が判明する。
「とんでもない死体を見つけましたね、室井さん―」
東北の山奥には似つかわしくない、おびただしい数の警察官、ヘリや警察車両。「最悪」はなぜ室井慎次を狙うのか。穏やかな暮らしを求めた室井の周りに、再び、事件の影が迫りくる。
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