丸山隆平が映画「金子差入店」ワールドプレミア上映に登壇「俳優としての演技を引き出してくれた監督に感謝です」
丸山隆平主演による映画「金子差入店」(2025年公開)が、10月2日~11日(金)に韓国・釜山で開催されている「第29回釜山国際映画祭」のコンペティション部門<NEW CURRENTS(ニューカレンツ)>部門に出品。10月3日のワールドプレミア上映に丸山と古川豪監督が登壇した。
丸山らが舞台あいさつにシックな黒のスーツで登壇
「金子差入店」は、刑務所や拘置所に収容された人への差入を代行する「差入屋」を舞台にしたさまざまな事情や、差入店を営む家族の絆を描く人間ドラマ。
この日、丸山と古川監督は共にシックな黒のスーツに身を包み、上映前の舞台あいさつに登壇。会場には注目を集める本作をいち早く鑑賞するために集まった映画ファンや世界各地のメディア、そして丸山の晴れ舞台を一目見ようと、現地に加えて日本のファンも多く詰め掛け、本作のプロデューサー・稲葉尚人氏も含めた3人の登場に大きな歓声が巻き起こる。
3人は、そんな熱気に包まれた満席の会場に驚きながらも喜びの表情を見せ、大きく手を振って歓声に応えていた。
丸山隆平が古川監督への感謝を伝える
舞台あいさつでは、古川監督が「カンドッグル マトゥン フルカワゴウ イムニダ(監督の古川豪です)。ヨロブン マニ キデヘジュセヨ(皆さん、楽しんでください)」と韓国語であいさつ。丸山は「ヨロブン! アニョハセヨ(皆さん、こんにちは)ウリ ヨンファ マン・クァン・ブー!!(私たちの映画をよろしくお願いします)」と興奮気味に話し、劇場は大きな歓声に包まれる。
構想から完成までに11年の歳月を費やした本作が、ついに初お披露目の場を迎えたことについて、古川監督は「日本特有の差入れという、文化の中で生きる人々を描いています」と緊張の面持ちで語り、上映がスタート。そして、上映後には盛大な拍手に迎えられ、観客からの質疑応答へ。
本作の制作のきっかけを聞かれた古川監督は、「とある作品の撮影中、東京拘置所の前に差入れ代行のお店が目に留まったことがきっかけでした。元々、滝田洋二郎監督の『おくりびと』(2008年)を見て、特殊な職業を題材に扱いたいと思っていたので、この差入れ代行という仕事にとても引かれました」と回答。
丸山は金子真司を演じたことについて、「演じることになったのは、古川監督との出会いが一つのキッカケでした。そして、この作品のお話をいただき、脚本を読んだときに“差入屋”という職業を初めて知り衝撃を受けました。身近な人間ドラマであり、人と人とのつながりの豊かさを色とりどりに描いていて、その歯車の一つになって役に立てるということが楽しかったです。俳優として今の自分にできる全ての演技、エネルギーを古川監督が引き出してくれました」と語る。
また観客からの質問で、映画のように拘置所には匿名で差入れができることから、「匿名で何か伝えるとしたら、誰に何を伝えますか?」と聞かれた丸山は「今年41歳になるのですが、今の自分を作ってくれた、今までの全ての方々に感謝ですかね。そして、自分の役者としての演技を引き出してくれた監督に感謝ですね」と質問が“匿名”ということで名前は出さなかったが、隣にいた古川監督が恥ずかしそうに顔を赤らめていた。
観客の質問の挙手はまだまだ続いたが、時間となり惜しまれる中、本作のワールドプレミアは終了。コンペティション部門の結果は10月12日(土)に発表を予定している。
映画「金子差入店」のストーリー
刑務所や拘置所に収容された人への差入を代行する「差入屋」。金子真司は一家で「差入店」を営んでいた。
ある日、息子の幼なじみの女の子が殺害される凄惨な事件が発生。彼女の死にショックを受ける一家だったが、犯人の母親が差入をしたいと尋ねてくる。
差入屋として犯人と向き合いながらも、日に日に疑問と怒りが募る金子。そんな時、毎日のように拘置所を訪れる女子高生と出会う。彼女はなぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。
2つの事件の謎と向き合ううちに、金子の過去が周囲に露となり、家族の絆を揺るがしていく。
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