

“美少女ユニット”が戦場で熱唱…ジャンルを超えた名作「マクロスΔ」の色褪せぬ魅力

「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ」が、5月3日にディズニープラスのスターで配信された。同作は、2016年に放送されたTV版のストーリーを新たなシーンを加えて大胆に再構築した劇場版で、2021年公開の「劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!」の前編にあたる。劇場公開された2018年から6年経過してもなお、色褪せぬ魅力で視聴者の心を震わせてくれる今作をレビューする。(以下、ネタバレを含みます)
「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ」ストーリー
西暦2067年、ブリージンガル球状星団では、人々が凶暴化する奇病「ヴァールシンドローム」が猛威を振るっており、唯一ヴァールを鎮圧できるのは、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」が奏でる歌声だけだった。そんなある日、ワルキューレに加入することを目指して故郷を後にした少女、フレイア・ヴィオン(CV:鈴木みのり)は、偶然ヴァールの暴動に巻き込まれてしまう。だが、なんとか自身の歌声で凶暴化を鎮めることに成功。その活躍によりフレイアはワルキューレの新メンバーとして抜てきされる――というストーリー。
“マクロス”といえば「超時空要塞マクロス」から続くアニメシリーズで、「マクロスΔ」はアニメ作品としては7作目。前シリーズから8年後を描いたもので、銀河系辺境域の移民惑星を舞台として、これまで描いてきた“地球人と異星人との邂逅”ではなく、“人類種間の戦争”を描いた意欲作だ。そのため、「Δ」からでも全く違和感なく入って来られるというメリットを内包しつつ、骨太なストーリーが展開されていく。
というのも、“地球人と異星人との邂逅”ではどうしても地球人目線で感情移入してしまうが、“人類種間の戦争”ということでフラットに双方へ感情移入ができるため、より深く作品にのめり込むことができるからだ。初見では、どうしてもワルキューレ側目線での視聴となりそうだが、繰り返し視聴すれば敵側の倫理やこだわり、背景、思いなどもしっかりと描かれているため、新たな視点で楽しむことができる。
ロボットオタクも“沼らせる”精緻なロボットデザイン
こういった勧善懲悪ではない作りからも想像できる通り、子どもの視聴を切り捨てて大人の視聴者に響く作品へと全振りしているところこそ、魅力があふれる源泉となっているといえる。前述した骨太のストーリーに加え、ロボットオタクを“沼らせる”精緻なロボットデザイン、迫力とスピード感のあるロボットアクション、そして何より美少女ユニットが戦場で歌うことで活躍するという設定が斬新で唯一無二の特色となっている。
タイプの違う5人のメンバーがそれぞれの特性を生かしつつ、戦場やライブ会場でオリジナル楽曲をパフォーマンス。戦場で命懸けで歌うという「マクロス」王道である歌手の活躍を描きつつ、少年漫画の王道の手に汗握るバトルアクションで魅せ、メンバーの挫折や再出発を描くことで“青春モノ”の要素もある。つまり、ジャンルの枠を超えた“おいしいとこ取り”のスペシャル丼的な作品なのだ。
加えて、オリジナル挿入歌が18曲もある力の入れようで、常に楽曲が流れているミュージカルのような作りとなっているところがニクい。しかも、挿入歌でありながらメンバーが歌っているという設定のため、しっかりとした理由の下で自然と曲が流れ始めるし、その楽曲がばっちりシーンを引き立たせている。“挿入歌に説得力を持たせつつ、効果もそのまま”というこの手法は、まさに発明ではないだろうか。
アニメーションを飛び出し、現実で大きなライブを開催するワルキューレメンバーの声優陣の演技と歌唱力も相まって、全方位的に“刺さる”名作として認定できると言っても過言ではないだろう。
美少女メンバーを“推し”ても良し、作り込まれたロボットに少年心をうずかせるも良し、心の機微を丁寧に描いた人間ドラマに涙しても良し、声優陣の演技と歌声に“沼って”も良し、スピード感と迫力あるバトルアクションに手に汗握っても良し、オトナな視聴者に寄せたちょっぴりセクシーなシーンにドキドキしても良し、あらゆる魅力の“激流”に身を任せる2時間を味わうことができる。
「マクロスΔ」シリーズは、ディズニープラスのスターで配信中。
◆文=原田健
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