松坂桃李、時代劇主演で役所広司と5度目共演 芳根京子が妻役<雪の花 ―ともに在りて―>
2024.02.22 07:00
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俳優の松坂桃李が、吉村昭氏の原作「雪の花」(新潮文庫刊)を小泉堯史監督の手により映画化した『雪の花 ―ともに在りて―』(2025年1月24日公開)で主演を務めることが決定。役所広司、芳根京子が共演する。
松坂桃李主演「雪の花 ―ともに在りて―」
吉村氏が1988年に発表した「雪の花」は、江戸時代末期を舞台に、数年ごとに大流行して多くの人命を奪う天然痘と闘った一人の町医者の実話を描く物語。天然痘の絶対確実な予防法が異国から伝わったと知った福井藩の町医者・笠原良策。京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請い、また私財をなげうち種痘の苗を福井に持ち込む。良策はかつてない予防法成功の為に様々な困難にも諦めず、妻・千穂の支えの中で流行病と闘い続ける。自らの利益を顧みずに、天然痘に侵された日本を本気で救おうと立ち上がった“実在の知られざる町医者・笠原良策”が、いま問いかける“生きる希望”とは。
監督を務めるのは、1970年黒澤プロに参加。『影武者』(80)以降、『乱』(85)、『夢』(90)、『八月の狂詩曲』(91)、『まあだだよ』(93)で助監督を担当。脚本作りから準備、撮影、仕上げまで黒澤明監督に師事、黒澤映画の様々な手法を学び、黒澤監督の遺作脚本『雨あがる』(00)で監督デビューを果たし、『博士の愛した数式』(06)、『蜩ノ記』(14)、『峠 最後のサムライ』(22)といった上質な日本映画を製作し続けている小泉監督だ。
松坂桃李、時代劇主演 役所広司&芳根京子と再共演
主人公・笠原良策を演じるのは、映画『孤狼の血』(18)で、第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、映画『新聞記者』(19)で第43回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。2023年はNetflix『離婚しようよ』、TBS系日曜劇場『VIVANT』、映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』に出演し、日本を代表する俳優へのキャリアを着実に積み重ねる松坂。映画『真田十勇士』(16)、映画『居眠り磐音』(19)以来の時代劇に挑戦する。京都の蘭方医・日野鼎哉を演じるのは、近年映画『孤狼の血』(18)で第42回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、映画『すばらしき世界』(20)では、第56回シカゴ国際映画祭最優秀演技賞、第95回キネマ旬報ベスト・テン 主演男優賞を受賞し、ヴィム・ヴェンダース監督の映画『PERFECT DAYS』では第76回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞、第97回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞を受賞し、さらに名実ともに日本を代表する俳優の一人として活躍を続ける役所。小泉監督とは『峠 最後のサムライ』以来のタッグとなり、松坂とは映画『日本のいちばん長い日』(15)、『孤狼の血』(18)、NHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(19)、TBS日曜劇場『VIVANT』(23)と5度目の共演となる。
良策の妻・笠原千穂を演じるのは、2013年の女優デビュー。映画『累ーかさねー』(19)、『散り椿』(19)で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。映画『カラオケ行こ!』(24)での好演も記憶に新しい芳根。松坂とは『居眠り磐音』以来2度目の共演となる。(modelpress編集部)
松坂桃李/笠原良策 役 コメント
非常に身が引き締まる思いです。時代劇に参加するのは『居眠り磐音』以来。約5、6年の時間が経っていますが、小泉堯史監督のもとで演じさせてもらえるということが、僕にとっては非常に光栄でした。そして、今回、再共演となる役所広司さんはじめ、素敵なキャストの方々と共演させてもらえたのは何より心強かったです。わからないもの程怖いものはない、そんな未知の病と戦った一人の町医者が繋いだ希望。懸命に命と向き合う笠原良策の姿を『雪の花』という作品を通して観ていただきたいです。
役所広司/日野鼎哉 役 コメント
小泉監督の作品にはどんな形でも参加したいと思っていたので、声をかけていただき是非参加させてほしいとお答えしました。松坂くんとは何度かご一緒していますが、良策という役は本当に心の澄み切った青年で、松坂くんにぴったりだと思いました。今の時代があるのも、色々な人たちが命をかけて頑張った結果なのだろうなと、そんな想いをこの映画を通して感じていただきたいです。芳根京子/笠原千穂 役 コメント
小泉堯史組に参加するのは2度目だったのですが、千穂という素晴らしい役に呼んでいただけてとても光栄でした。と同時に、自分に務まるのかすごく不安でしたが、小泉監督から優しさと強さを大切にしてほしいと導いていただきました。今回は殺陣や太鼓、調薬など撮影前から毎日必死に役作りを準備してきましたが、時間をかけた分より丁寧に演じられたと思います。松坂桃李さん演じる良策とも素敵な時間を積み重ねることができました。こういった歴史があるから今があるということを是非感じていただきたいです。
小泉堯史監督コメント
映画監督として、歴史の上で出合った実在の人物は、『明日への遺言』の陸軍中将・岡田資。『峠 最後のサムライ』の長岡藩家老・河井継之助。そして、この度の『雪の花』福井藩町医者・笠原良策。いづれも、己を無に帰し、事に当たった男達。小林秀雄さんは『無私の精神』で、次のように書いています。「実行家として成功する人は、自己を押し通す人、強く自己を主張する人と見られがちだが、実は反対に、彼には一種の無私がある。空想は孤独でも出来るが、実行は社会的なものである。有能な実行家は、いつも自己主張より物の動きの方を尊重しているものだ。現実の新しい動きが看破されれば、直ちに古い解釈や知識を捨てる用意のある人だ。物の動きに順じて自己を日に新たにするとは一種の無私である」と。
江戸末期、福井に生きた町医者・笠原良策に、無私の美しい精神を感じます。努力を積み重ね、勇気を持ち、己を捨てて誠実に働く良策の姿は、永遠に価値ある歴史を生み、現在に生きる私達の心に、強く働き懸けてくれます。歴史は、決して進歩するものではありません。歴史は自然と共に、いつも同じものと戦っているのです。
今や、品位を敢えて失わせようとする文化が、消費と手を結び、勝手気ままに振る舞っています。それによって破壊されるのは、道義的な美しさです。言葉や行ないの立派さは、美しさがあればこそ、時の移り変わりに、耐えることが出来ると謂います。良策との出合いは、歴史を鑑とし、少しでも良きものになれるかもしれないと、私達に希望や勇気を示し、道を清々しく照らしてくれるのでは、と思っています。
【Not Sponsored 記事】
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