ディーン・フジオカ、深田晃司監督(C)2018“The Man from the Sea”FILM PARTNERS

ディーン・フジオカ、インドネシアの家族への思い「子どもに何か残していきたい」<海を駆ける>

2018.05.24 12:10

俳優のディーン・フジオカが23日、都内で行われた映画「海を駆ける」(5月26日公開)の外国人特派員イベントに深田晃司監督と出席。インドネシアにいる家族への思いを語った。

同作は、第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を「淵に立つ」で受賞した深田監督の最新作。深田監督は、2011年の東日本大震災の後に大学の研究チームの震災復興リサーチに参加。そこで、2004年にスマトラ島沖大震災で津波で壊滅的な被害を受けつつも、今では完全に復興を遂げた町バンダ・アチェを訪れて本作のアイデアを想起したという。自然は時に豊かに美しく、時に脅威となり人を飲み込み、また人間の生活は自然と共にあるという様を、インドネシアの美しい海、そして国籍や宗教を越えて育まれる若者たちの友情を通して描く、ファンタジーとなっている。

ディーンが演じるのは、海岸で倒れているところを発見された謎の男。片言の日本語やインドネシア語を話す男はラウ(インドネシア語で「海」)と名付けられ、様々な不思議な奇跡と事件を巻き起こしていく。

ディーン・フジオカ、深田晃司監督(C)2018“The Man from the Sea”FILM PARTNERS
ディーン・フジオカ、深田晃司監督(C)2018“The Man from the Sea”FILM PARTNERS

ディーン・フジオカが語る家族への思い

オファーされたときの思いについて、ディーンは「動機の一つとして挙げられるのは、私は家族がジャカルタにいて、子どもが成長した時に、父親がこういう仕事をしていた、と誇りを持っていてもらえるように、日本とインドネシアでこうして離れている分、子どもに何か残していきたいと思いました。それは脚本やキャラクターやストーリー何か父親として模範になれるようにと作品を選んでいます」と紹介。さらに「深田監督の作品は、オリジナルの脚本で、とても創造性に富み、いい意味で観客を突き放す部分があり、観客にはっきりとした解を提供してくれない、読み解いてください、というのが、なかなかないので面白いと思いました」と惹かれたようで「また、アチェで撮影というのが面白いチャレンジだと思いました」とコメント。「私もスマトラに行ったこともないし、アチェは独特の文化と歴史を持っていて、この歴史を話すと長いのですが大丈夫ですか?」と進行役に問いかけたところで、ダメとのジェスチャーが出てしまい、会場は笑いに包まれた。

ディーン・フジオカ、深田晃司監督(C)2018“The Man from the Sea”FILM PARTNERS
ディーン・フジオカ、深田晃司監督(C)2018“The Man from the Sea”FILM PARTNERS
難しい役どころとなったが「役準備は大変でした。脚本を読むと、役がまるで植物のようなエイリアンのような、人間ではないと感じました」と吐露し「監督からも、ラウはこのようなキャラクターだ、と説明はなかったのですが、この役は自然を体現したようなものだと思いました。セリフも少ないので、役を演じるというより、ダンスを踊ったり、アクションをするような振付のようにアートインスタレーションを作っていく感覚に近かったです。仕草や視線の投げ方、笑みの浮かべ方、とても繊細で緻密なので、そこを意識しました」と説明。

また「監督には何度も言わたのは『ラウには姿勢が良すぎる、猫背になりなさい』でした(笑)」と笑いを誘いつつ「このような複雑なキャラクターの方が演じやすいのかもしれません。それは、自分の経験や体験を活かせるので。ただ今回は人間ではないので、難しかったですね。なので、監督に身を任せて、とてもやりやすかく取り組みました」と振り返った。(modelpress編集部)
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