映画「娼年」より(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会

R18「娼年」、映画化の決め手は?松坂桃李主演に驚きの声も 裏話明らかに

2018.03.31 11:00

俳優の松坂桃李が主演を務める映画「娼年」が4月6日より公開。困難と言われていた同作の映画化の実現についてプロデューサーが裏話を明かした。

  
原作は2001年の直木賞候補にもなった石田衣良氏の同名小説。2008年発表の「逝年」、小説すばる誌で現在連載中の「爽年」と続く人気シリーズの原点で、女性の欲望をありのままに描いた刺激的な内容と、女性たちに向き合うことで変化を遂げていく主人公・リョウの姿を繊細な表現で描き、多くの女性から共感を集めた。2016年には松坂と演出の三浦大輔氏のコンビで舞台化した。

そんな人気恋愛小説「娼年」の映画化は、実は過去にも何度か企画されたのだが、実現せず。今回、映画化実現について、本作の小西プロデューサーが裏話を明かした。

「撮影前、念の為、レイティングを確認しようと、映画倫理機構(映倫、以下、映倫)に台本を持ち込みました。意外にも映倫のご担当者はすでに原作小説も読まれていました。なぜなら、過去に何度か映像化が企画され、性描写などについて相談を受けたりしたことがあったそうで、気になったので原作を読んだんです。というお話をされていました。結局、どれも実現に至らなかったようですが、質問や相談の多くはR18+指定にならないような描写にするにはどうしたらよいか?というものだったそうです。また、主人公リョウを含め演じる俳優さんがなかなか見つからないみたいですよ。というお話もされていました。そもそもあの原作を映像化するにはR18+でないと無理なんだと再認識しましたし、松坂さんや出演者の方々の役者魂を改めて物語っているエピソードだと思います」

そういう背景があったため、 台本を読んだ映倫担当者は、「本当にこのままやるんですか?」「主人公を松坂桃李さんがやるんですか?」と目を丸くし驚きを隠さなかったという。その台本は、“R18+指定にならないような描写”ではなく、「“性描写”に関しては一切妥協しない」と 脚本・監督の三浦大輔氏が語る通り、半分以上をセックスシーンが占め、事細かに行為の描写が書き込まれていた。

映画「娼年」ビジュアル(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会

「娼年」映画化の大きなポイント

実は、原作者の石田氏も、「娼年」執筆にあたり、編集者に、大学生の娼夫がたくさんの女性と性の仕事をしていくなかで、ひとりの人間として成長していくストーリーであることと、「セックス表現からは絶対に逃げないで書きたい」と説明している。そんな監督、原作者がこだわった、「性描写に関しては妥協しない」「セックス表現からは絶対に逃げない」という、他の企画とは真逆の“R18+も厭わない”アプローチが映画化実現への大きなポイントとなったことは間違いない。結果、映倫の担当者からは、「R18+なら何の問題もありません」と太鼓判を押される。さらに帰り際に、「この小説を描写も含め中途半端に映画化するならやる意味がないと思う。応援していますから是非実現してください」とエールを送られた。

困難と言われた映画化に、「“性描写”に関しては一切妥協しない」と言う三浦大輔監督とともに臨んだ松坂が「ここまで精神的に追い込まれた現場は初めてかもしれません」と語るように、監督、スタッフ、俳優陣が全身全霊を込めて作った渾身の作品。「娼夫」になる領を通して描かれる性、その性を通してひとりひとりの奥深くに潜む人間ドラマに期待が寄せられている。(modelpress編集部)
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