デパコスVSプチプラ問題。アラサーのスキンケアで使うべきなのは?
今回のお悩み「アラサーのスキンケア、デパコスが正解?」
20代後半になるとエイジングサインが出てくると聞いて、スキンケアを変えた方が良いのか悩んでいます。これまでプチプラのスキンケアアイテムを使ってきて、特に気になる肌悩みが現れているわけではないのですが、やはり年齢と共にお金をかけた方が良いのでしょうか?
■決して単純ではない、デパコスVSプチプラコスメ問題
ご質問ありがとうございます。プチプラVSデパコス問題は、誰もが一度は考えてしまう悩みだと思います。エイジングサインに応じてスキンケアを変えたほうがいいのか、そのときはプチプラからデパコスにしたほうがいいのか、その辺りからこの問題を紐解いてみましょう。
そもそも「プチプラコスメとデパコスでは何が違うのか」というところからスタートしたいと思います。プチプラとデパコスで違うものというと、一番は“成分”だと思います。ただ、「プチプラ=安い=悪い成分」というわけではなく、逆に「デパコス=高い=良い成分」という単純な話ではありません。
プチプラに使われている成分は、一言で表すなら「汎用性が高い」とか「一般的」とか「以前から使われているもの」だととらえると間違いないでしょう。例えば、ビタミンCやコラーゲン、ヒアルロン酸、といった感じです。美容成分として効果も確かで長く使われているため、原価もさほど高くないはず。こういったベーシックな成分を成分のメインに据えていることが多いと思います。
一方で、デパコスの成分は、絶対にそうだというわけではありませんが、「研究を重ねた結果、新たに辿り着いた成分」や「1gあたり何万円という希少性の高い成分」といったものが含まれていることがあります。こういう貴重な成分を使った場合、その成分の金額のみならず、そこにかけられた研究費などが結果的に上乗せされる形になるので、高価になってしまうことがあります。
前述したように、高いから良い成分というわけでなく、単に「珍しい」とか「どこもまだ使っていない」「最先端の科学技術が反映されている」ということです。もちろん、良い成分である可能性は高いですが、単純に片づけられることではないというのを理解してください。
あと、これも必ずしも「全てがそうだ」とは限りませんが、デパコスはパッケージのデザインや素材、さらには“ミューズ”と呼ばれる広告の顔である女優やタレント、広告費など、そもそもの素材以外にかかっている経費がプチプラに比べて高い可能性があります。デパコスですから、“ブランド力”を高くキープすることは最重要課題のひとつと言っても間違いありません。そのために使われている費用も、アイテムの価格に反映されているわけです。
■エイジングサインが出ているなら、すぐにでも悩みに合わせたアイテムを!
次は「エイジングサインが出てきたらスキンケアを変えたほうがいいか」という問題です。もし、シワとかシミといった明確なエイジングサインが出ているなら、すぐにでも専用のケアアイテムを取り入れたほうが良いと思います。
20代後半ということですから、まだたるみやハリの喪失といったところまでは行ってないと思いますが、いずれにしても現在感じている悩みに応じてシワ対策用、シミ対策用、ハリ・たるみ対策用といった専用の美容液を1本取り入れるところからのスタートくらいがベストだと思います。
そこで気になるのが、そのエイジングサイン用美容液はデパコスで選ぶべきか、それともプチプラのままでいいのか、という問題。
化粧品は“嗜好品”です。医薬品とは違い、病気の治療や予防に使われるものではなく、「人の体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために使用されることが目的とされているもの」と定義されています。こう言ってしまうと身も蓋もないかもしれませんが、私はデパコスでもプチプラでも“悩みの目的に合ったもの”を選んでいれば、それが一番だと思っています。
前述したように「新しく開発された」「希少で高価な」「そこのブランドのみのオリジナル」な成分を使っている可能性が高いデパコスはとても魅力的です! でも、高いがゆえに購入したものを長く使いたいという気持ちから1回分の量をケチってしまうと、それは意味がないんです。
化粧品の取扱説明書には使用量が必ず明記されていて、その量をきちんと使うと、1~1.5カ月程度で使い切ってしまうくらいに設定されていると思います。裏を返せば、それくらいの量を使わないと意味が無いということです。メーカー側が何度も研究や実際のモニター使用を繰り返してはじき出された結果なので、そこは守るべきだと思います。
■プチプラは決して怖くない。ただ、メーカー選びがとても重要
最初の質問に戻ります。エイジングサインが出てきたらスキンケアを変えたほうがいいかという質問に関しては、「その悩みを自覚しているなら、その悩みに対応する一品を加える」のがベストです。そして、プチプラからデパコスに変えたほうが良いか(お金をかけたほうが良いか)という質問に関しては、「高いデパコスで量をケチるくらいなら、プチプラでたっぷり使う」のがベストです。
先ほども言ったとおり、化粧品は“嗜好品”なので、自分の使える範囲の金額でたっぷり使えるものを購入するのが正解だと思います。背伸びをする必要もありませんし、高いものを使ったからといって必ずしもすぐに結果が出るというものでもありません。特に肌が弱い人など、「プチプラは怖い」と思っている方もいるかもしれませんが、最初にお話ししたとおり、基本的には汎用性の高い、長く使われている成分を使っている場合が多いので、意外と安心して使えると思います。
ただ、どこのメーカーから出ているのかはきちんとチェックしたほうが良いでしょう。今はデパコスを抱える大手化粧品メーカーがプチプラコスメもつくっていることも多いです。まったく知らないメーカーやブランドがNGというわけではありませんが、大手化粧品メーカーのプチプラブランドなら問い合わせ先もしっかり記載されているはずですし、何かトラブルがあったときにすぐに相談できますよ。
■もしも、プチプラから一品スイッチするなら……。答えは、意外なアイテム
大手化粧品メーカーのプチプラブランドをおすすめする理由は他にもあります。それは先ほどからお伝えしているデパコスの「新しく開発された」「希少で高価な」「そこのブランドのみのオリジナル」な成分が、数年後に同じメーカーのプチプラブランドにも使われるようになる現象が起こるから、です。
最新の成分は消費者の耳目を集めるためにも、そのメーカーの中で一番売れているブランドでデビューさせることがほとんどです。しかしながら、成分開発競争は激しいため、デパコスブランドは常に最先端の成分を配合することを求められがち。昨年最新だった成分も翌年にはいわゆる“型落ち”になることもあるんです。そうすると、どんどん価格帯の低いプチプラへとその成分が回ってくることになります。
高級ブランドにしか使わない成分というのももちろんあるので(そして、それがブランドの価値になります)、上記が必ずしも正しいわけではありませんが、そういう流れもある、ということを知っておくだけでも、コスメ選びが変わってくると思います。
最後に、「もし何か一品をデパコスに変えるなら何がいいか?」ということを考えてみましょう。
実は意外かもしれませんが、私は「オフもの」のスイッチをおすすめします。オフもの……つまりクレンジングや洗顔料です。
肌の調子が悪いとか、何か不調が続くけど原因が分からないというときに、皆さん化粧水や美容液といった“上にのせるモノ”を変えがちなんですが、それよりも圧倒的にオフもののほうが大事。
きちんとキレイに不要なものを落とし、フラットな状態に整えることで、次に使うものの真価が発揮されるんです。そして、必要なものまで落とさないことがどれだけ後々重要になってくるか、上質なものを使うとすぐに分かります。「洗い流すものだもん、適当で良いでしょ」というのは間違い。ここを変えるだけでもグッと変わるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
令和のマネーハック31
スキンケアは無理の無い価格帯で、たっぷり使えるものを選ぶのが正解! ひとつだけデパコスにするなら「オフもの」を選ぼう。
(文・前田美保、イラスト・itabamoe)
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