トウキョウ・ウエンズデイ・クラブ 細部までこだわった国産シャツを世界へ

日本の物作りを世界に伝えたい――クリエイティブスタジオのトウキョウ・ウエンズデイ・クラブ(TWC)を21年に立ち上げたハンナさんは、デザインを軸に社会課題と向き合う活動を広げている。繊維産地や製造業の縮小にも危機感を持ち、国産のシャツをニューヨーク、ロンドン、東京で販売している。
(関麻生衣)
工場衰退に危機感
両親や米西海岸のカルチャーに魅せられた〝ポパイ・JJ世代〟の叔父に影響を受け、幼少期からアメトラに親しんできた。昔からポロカラーシャツを好み、今もよく着ている。TWCは「敬愛している」大滝詠一の『雨のウエンズデイ』と映画『ビッグ・ウェンズデー』が由来だ。

TWCのきっかけは、20年に米ブルックスブラザーズが工場の稼働を停止したことだった。アイビーファッションの代表的な存在で、メイド・イン・USAを象徴する工場の閉鎖を知り「今後も色々な産業の物作りがなくなってしまうのは悲しい」と強く感じた。
日本に目を向け、日本も産地の現状が厳しいことを考えさせられた。米国で大学時代を過ごした当時、友人や友人の家族から「日本製の素晴らしさ」をよく聞き、当たり前に使っていた日本製の評価が「世界的に高い」のを実感した。日本の文化を聞かれ、改めて考えたり調べたりするうち「わびさびや粋という日本の美意識が好きになった」。
愛着がわく服を
TWCを始め、注目したのが常に身近にあったポロカラーシャツだった。「シャツは何度も着て擦れたり破れたりしても、直して着たいもの。そんなふうに愛着がわく服を自分も作ってみたいと思った」。修繕した服は「不完全を美しいと思う日本の感性に通じる。日本の文化を体感できる製品を提案したい」と考えた。
アパレルの知見はなかったが、生地の選定からデザイン、縫製工場との交渉まで一人で臨んだ。生地はシャツ地で有名な西脇産地(兵庫県)の先染め織物を採用。厚みがあり洗うたびになじんでいく素材感が特徴で、「生地がとにかく良い」と海外で好評だ。縫製は21年に発売した第1弾は大分県の工場に、昨年の第2弾以降は東京都墨田区の工場に依頼している。ボタンも日本製で、薄さや色までこだわる。

シャツは税込み2万9700円。販路は海外と東京で開く期間限定店とオンラインで、日本では20~30代の男性、海外では業界関係者などに売れている。
人生の目標は学生時代から一貫して、グローバルリーダーとして多くの人をエンパワーできる存在。今後は、「日本の色々な所に行き、その土地の産業を企業や工場、ブランドと一緒に盛り上げたい」と話す。TWCをクリエイティブスタジオとして運営しているのは、物作りの魅力を関わる人や企業と発信していきたいとの思いからだ。
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