《視点》あってはならない
2026.06.11 06:23
提供:繊研plus

足を骨折した。手術、入院してまで病院のお世話になったのは子供の頃以来。そんな状態になって身に染みて分かったことがあった。当然だろうと思われるかもしれないが、患者の多くは医薬品・医療機器の効果や安全性を信用し、期待している――ということ。
リカバリーウェアをテーマに取材をしていたので薬機法や医療機器について調べてはいたが、けが人・病人の立場で触れることはなかった。入院中、患部はもちろん足がひどくむくみ、断続的に激しいしびれと痛みに苦しんで、体も心も休まらなかった。「頼むから効いて」と歯を食いしばるように痛み止めの薬を服用したり、血流が停滞しにくくなるように一般医療機器の「弾性ストッキング」を着用するなどして過ごした。
思い出したのは、厚生労働省で医療機器の審査管理に携わる担当者の言葉。「医療機器は症状に対する効果に期待して使われるもの」。だからこそ、薬機法で厳しく規制されている。売り文句として〝医療機器〟を利用するという発想や、効果を過度に期待させるような誇張表現はあってはならない。その理由と、厚労省担当者の言葉の重みを体感できたと思っている。
(嗣)
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