

《ちょうどいいといいな ファッションビジネスの新たな芽》「パノルモ」 音楽家の服作りと説得力

レディスウェア「パノルモ」は、バイオリニストの花井悠希さんがデザインしています。音楽の幅広いジャンル、様々な会場で活動する花井さんは、ドレス以外の衣装の選択肢を広げたい思いで19年春夏からスタート。卸、百貨店での催事、アトリエショップやECで販売しています。演奏家、アナウンサーや講師、オケージョン用途など特別なシーンに着用されることが多いですが、スタイリング次第で日常使いもできます。自分の困りごとの解決から始まった服作りが支持を得ています。
多様な接点
立ち上げのきっかけは、「ジュンオカモト」の岡本順さんから誘われたこと。花井さんは、コンサートや取材の衣装などでジュンオカモトの服を好んで着用していました。服作りは未経験でしたが、花井さんがデザインし、岡本さんと共に商品企画しています。

大切にしているのは、「動きやすさ」と「軽さ」、そして「ケアのしやすさ」。最初は演奏家が快適に演奏するために、体の動きを妨げないデザインから始まりました。締め付けられず動きがきれいに見えるようにプリーツ加工をした生地を使ったり、デザインポイントを客席に見えやすいよう右側に配置したり。素材にもこだわります。シャンタンのようなフォーマル感の強い素材は控え、オン・オフ着られる素材感のバランスを意識しています。ケアのしやすさでは、ポリエステルなどしわになりにくい素材などを選びます。
洋服のレンタルサービスは、服の購入につながる顧客との接点の一つです。利用した後に「旅先で友人に服を褒められてうれしかったので、買いに来ました」と催事に来た方、「プロポーズされた時に着ていたので、これからも大切な場面で着たい」と一言添えて連絡をくれる方もいます。

レースもオリジナルで、こだわって作った一着が誰かの特別な存在になり、人の幸せな部分に接することができていることが、「パノルモのあり方の一つの正解かなと思います」と花井さんは話します。
強みを考え続ける
きちんと感とエレガントさがあり、デザイン性も備えた服は「人と会う場面で装いたい」と考える人の共感を呼んでいます。コロナ禍を経てお客様の意識が変化するなかでは、オケージョン用途とともに、普段でも着られる商品を増やしてきました。一方で、リアルクローズ寄りになって「ブランドのらしさを伝える特徴が薄くなった」という課題も感じています。改めて「主役になれるアイテム」を増やすことを考えているそう。「音楽家が作るから説得力がある、それはブランドの強みです。このデザイナーだからと言葉で説明しなくてももっと服に表れるようにしていきたい」と花井さんは語ります。

■ベイビーアイラブユー代表取締役・小澤恵(おざわ・めぐみ)
デザイナーブランドを国内外で展開するアパレル企業に入社、主に新規事業開発の現場と経営で経験を積み、14年に独立、ベイビーアイラブユーを設立。アパレルブランドのウェブサイトやEC、SNSのコンサルティング、新規事業やイベントの企画立案を行っている。
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