カラオケ映像で大バズ・田中梨瑚、モットーは“自信と謙遜”「誰かに見つけてもらって続いてきた」
「曲やアーティストと関係ないのに、カラオケの映像に映っている美少女は誰なのか?」というXでの投稿がバズり、その映っている本人である俳優・田中梨瑚のところまで届いた。子役から芸能界にいて舞台や短い映像作品にも出演してきた23歳で、プロの役者でもある田中。Xで時の人になった彼女に、カラオケの映像という意外な仕事の舞台裏や、これまでの人生を聞いた。(前後編の後編)
――幼少期から、芸能活動をされていたそうですね。
田中 父が長いこと演出家をしていて、芸能界のつながりはありました。子どもの頃から、年賀状に私の写真を載せていたんですが、そうしたら父の知り合いから『今度、出ませんか?』のように、オファーが来るようになったのがきっかけです。6歳くらいからです。
――当時は、ご自身で「お芝居をしている」という自覚はあったのでしょうか。
田中 全くなかったです(笑)。父に付いていって、カメラがある場所で、『ここでこうして』と言われたことを一生懸命やっていました。テレビで見たことのある風景だなぁ、くらいにしか思っていませんでした。映画なのかドラマなのかも分からないで、不思議な気持ちでやっていました。
――それから今まで、俳優業への気持ちに変化があったりは?
田中 広告などにも出させていただいていたのですが、中学生になって、あまり顔を出したくない気持ちが強くなってしまって。ドラマや舞台のオファーがあっても『やだ!』って突っぱねて(笑)、ナレーションなど声の仕事に絞りました。母が元CAだったので漠然とCAになりたいなと思ったり、ネイリストやパティシエになりたいとか、普通の女子らしい夢を持った時期もありましたね。
――すると、声での表現ではポジティブになれたと。
田中 ただ声の仕事も、私から手を挙げたわけではなかったです。たまたまスタジオについて行ったらプロデューサーに『梨瑚ちゃんちょっとしゃべってみてよ』って勧められてボイスサンプルを録って。そこからCMにつながっていったら、『森永inゼリー』のラジオCMでACC賞の金賞を獲れたんです。
――そこから再び、舞台や映像の仕事へ戻ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
田中 高校1年生の時に、父が脚本・演出した舞台の『・・・from the moonlight」~月からの贈りもの~』でヒロインをやりました。作品自体は何度も上演歴があって、私も観てきたんですが、舞台に立った時に直感的に『楽しい』っていう感覚が降ってきたんです。そこから、お芝居にのめり込んでいきました。
――理屈ではなく、直感的にやりたくなった。
田中 もう、俳優以外の道を考えられなくなりましたね。高校を卒業する時も進学しないで芸能の方に絞りました。
――その頃、セラミュことミュージカル『美少女戦士セーラームーン かぐや姫の恋人』で18歳で月野うさぎも演じていました。
田中 オーディションを受けたのは高校2年の時でした。セーラームーンはもちろん知っていましたが、実はミュージカルの方は知らなかったんです。でも30年以上の歴史がある大きな存在だって知って、結果はどうなってもいいから経験のつもりで挑戦してみよう、と。ダンス経験もなかったし、ミュージカルのオーディションも初めてだったので、合格した時はやっぱり驚きでした。
――ご自身の中で、月野うさぎというキャラクターをどう解釈して演じましたか?
田中 アニメは幼い頃から見ていたので、その時点でうさぎちゃんへのイメージは固まっていましたが、10年ぶりくらいに見返して研究しました。私は彼女みたいに天真爛漫でお茶目では全然なくて、正反対です(笑)。でも自分とかけ離れたキャラクターだからこそ、クリアな解像度で役に入り込んでいけました。
――芸歴は10年以上になりますが、「カラオケ映像での万バズ」のほかに、最近変化を感じたことは?
田中 セラミュをきっかけに2.5次元舞台にも出演するようになったら、一気に女性のファンの方が増えました。イベントに来てくださるのも7割くらいが女性ですね。もちろんほかのスケジュールとの兼ね合いになってしまいますが、1年に1回はファンと会えるイベントもやりたいです。
――今後はどのような表現を目指していきたいですか。
田中 ドラマでのお芝居ももっと経験したいです。小劇場に出ると、映像に近いというかナチュラルな立ち振る舞いも求められます。ミュージカルだともっと喜怒哀楽をはっきり見せていくんですが、今はナチュラルなお芝居の方に興味があって、さりげない表現で人の感情を動かしたいです。
――そして、大切にしていることは。
田中 『自信と謙遜』っていう言葉が好きで、アパレルさんとのコラボTシャツのデザインにもしています。私の俳優人生って、誰かに見つけてもらって続いているんです。幼い頃の年賀状に始まって、声をほめてもらったり、カラオケ映像がバズったり(笑)。堂々と表現する自信を持ちつつ、周りへの感謝を忘れたくないことですね。
――これからも、「生涯俳優」でいられそうですね。
田中 売れることも夢ですが、それ以上に、今応援してくれている一人ひとりのファンの方にとっての『大スター』でありたいと思っています。イベントに来てくれた方が、『梨瑚ちゃんを推してて良かった』と心の底から思ってくれる存在で居続けることが、私のやりがいです。
【プロフィール】田中梨瑚 たなか・りこ 2003年2月27日、東京都生まれ。6歳から芸能活動を始める。CM・ドラマ・映画・舞台など幅広く出演し、フジテレビ「爆笑!ヒットパレード」、テレビ朝日「仮面ライダーガヴ」、ミュージカル「美少女戦士セーラームーン かぐや姫の恋人」などに出演。今年は8~9月に上演の舞台「『ダンダダン』~Occultic Stage~」にアイラ役で出演する。X:https://x.com/T_rikorikoインスタグラム:https://www.instagram.com/riko_2768/?hl=ja
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