『アオのハコ』完結で注目された「ジャンプ」巻末コメント 尾田栄一郎氏の"沈黙"に見える流儀
「週刊少年ジャンプ」で連載された青春部活ラブストーリー『アオのハコ』が、7月13日発売の同誌33号で最終回を迎えた。5年の歴史に幕を下ろす記念すべき号となったが、同号に「ONE PIECEカード」が付録として付いたことから、転売の標的にもなり売り切れが続出。紙の誌面で保存したかったファンから落胆の声が相次ぎ、原作者の三浦糀氏が自身のSNSで「今週紙で読みたかったのに読めなかった方には申し訳ない気持ちでいっぱいです」と謝罪する事態となった。
同誌の巻末には連載作家たちが完結を祝うメッセージを寄せているが、その中に『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎氏のコメントが見当たらなかったことがファンの注目を集めている。
「尾田先生が他作品の完結に際してコメントや扉絵でエールを届けるのは、『NARUTO -ナルト-』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『トリコ』『僕のヒーローアカデミア』のように、長年ジャンプの看板を共に背負い、しのぎを削ってきた"戦友"に限られる傾向があります。特にバトルやアクション作品には、競い合ってきた歴史があるからこそ、言葉ではなく作品を通した演出で、最大限の敬意を示すスタイルを大切にしているのではないでしょうか。今回、ジャンルの異なる『アオのハコ』に対して同様のアクションを起こさなかったのは、そうしたスタンスの表れだと推察します」(漫画誌編集者)
実際、過去の"戦友"たちへの演出は粋なものばかりだ。『NARUTO』最終回時には扉絵のメニュー表に隠しメッセージを忍ばせ、『トリコ』完結時には作品内に特別なイラストを描き下ろした。『僕のヒーローアカデミア』完結時には、作者の堀越耕平氏がかつて学生時代に『ONE PIECE』へ送った投稿イラストを扉絵で再現し、大きな感動を呼んだ。
掲載号の巡り合わせも、尾田氏が沈黙を守った要因のひとつとされる。『アオのハコ』最終回が掲載された33号は、偶然にも『ONE PIECE』連載29周年記念号と重なっており、表紙・巻頭カラーも同作の記念仕様となっていた。
「自身の連載29周年という節目を飾る記念号に、他作品の完結祝いを差し挟めば、双方の意味合いがぼやけてしまう恐れがあります。過度に目立ってしまうことを避けるためにも、尾田先生はあえて自身の記念に徹したのではないでしょうか」(サブカルライター)
ネット上では、「アオのハコ完結号はワンピの29周年記念号でもあったから、あえてスルーしたように見えて尾田先生らしい配慮を感じる」「すべての完結作に対して毎回特別な反応をしていては、かつてヒロアカやナルトの時に見せた扉絵メッセージの重みが薄れてしまう。この一貫したスタンスがあるからこそ、お祝いされたときの価値が際立つと思う」といった、ファンからの納得の声が上がっている。
言葉による安易なお祝いではなく、長年の関係性に基づく作品同士の対話を重んじるスタイル。それが尾田栄一郎という漫画家の、敬意の示し方なのかもしれない。
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