「できるかな、って不安の方が大きかった」中村麗乃、舞台の怖さを取り去ったのは“ファンの声”
乃木坂46時代からミュージカル『Endless SHOCK』など、多彩な舞台で活躍してきた中村麗乃が、このほど2025年12月27日にファンクラブ開設記念イベント(東京・大手町プレイスホール&カンファレンス)を開催、活動を本格化させていく。6月に乃木坂46を卒業してからの日々や作品への思い、生の舞台で演じることへの心境の変化を聞いた。(前後編の後編)
――近年は『Endless SHOCK』や『ダンス・オブ・ヴァンパイア』など、ミュージカルへの出演が続いています。中村さんが舞台や演劇に強く惹かれるようになったきっかけは?
中村 昔からショーや生の舞台を見ることは好きだったんですが、自分が出ることに関しては、最初はおっくうでした。
――2016年9月の加入後、半年で3期生での『3人のプリンシパル』がありました。1幕を見た観客の投票で、『銀河鉄道の夜』の3役全てを演じていましたが……。
中村 でも、精神的にはハードな経験でした。だから舞台に立つことにはちょっと怖さもあって、お仕事をいただけても「できるかな」と自信よりも不安の方が大きくなる時期もありました。
――その苦手意識が変わったきっかけを挙げるなら?
中村 6年前の『逆転裁判-逆転のGOLD MEDAL-』(2019年)でヒロインの綾里真宵ちゃんをさせていただいた時ですね。初めて乃木坂46を離れて1人で出演しましたが、オーディションもなくて、当時のマネージャーさんに「決まりました」と知らされて、びっくりした思い出があります。
――なぜ中村さんにオファーが来たのか、思い当たることはありましたか。
中村 その前の年に、3期生だけで『星の王女さま』という舞台をやりました。その作品を映像で見てくれた方がいて、それでオファーを頂いたそうなんです。でも事前に私のお芝居を見てくれたということは、求められるレベルのお芝居があるからそれに応えられるだろうか?とかえってプレッシャーを感じてしまって。子どもながらに考えすぎていましたね。でもいざやってみて、ファンの方から「れのちゃんが良かったよ」という声をたくさん頂いて。それが自信になって、演技への恐怖心もなくなっていきました。
――そして乃木坂46の楽曲やミュージカルでも確かな歌唱力を見せてきましたが、歌への意識はかつてと今で違いますか?
中村 歌も最初は苦手だったんですが、目標ができたことで頑張れたと思います。伊藤純奈さんや伊藤かりんさんと、歌の上手な先輩たちがライブでも活躍されていたので、その姿を近くで見ていて、憧れたんです。それに舞台をやっていくうちに「こう歌いたいな」というイメージができてきて、ボイストレーニングに通い詰めるようになりました。自信はなかったけれど、「自信がつくように頑張ろう」という思いだけで練習していました。
――そして2年前に『Endless SHOCK/Endless SHOCK -Eternal-』でヒロインのリカ役も射止めました。
中村 オーディションは歌とダンスと芝居の審査があったんですが、歌の審査で、手違いで課題曲の歌う箇所を間違えて連絡がきてしまっていたようで……。当日その場で『ここだよ』と教えられて、即興で覚えただけで歌いました。『もうこれは落ちたな』と確信していたけど、受かってまた驚きでした。
――翌年には最後の公演で、引き続きリカ役として出演しましたね。
中村 1年目は、もう他のことを考える余裕がないくらい重たいプレッシャーを感じていました。長く愛されている作品ですし、「アイドルの子だから仕方ないよね」と甘く見られるのが一番悔しいので、とにかくがむしゃらに、皆さんに食らいついていくことだけで必死でした。でも2年目は、作品自体のラストイヤーということもあって、もう少し余裕を持って挑みたいと思っていて。「同じ作品だけど、新しい違う作品をやっている」という感覚で、また一から頑張ろうという気持ちで向き合っていました。
――『SHOCK』は芝居・歌・ダンス、それに日本舞踊と、舞台スキルも多く求められたと思います。
中村 ミュージカルらしい華やかで大好きな作品ですが、舞台裏も大忙しなんです。裏で2人がかりで着付けしていただいてる間に、カツラを変えて髪もセットしていただいて、早替わりも大変だったのを覚えてます。
――座長の堂本光一さんとの思い出はありますか。
中村 脚本・演出・主演のすべてをやられているだけですごいのに、私の不安とかも察してくださって、気遣いに助けられてばかりでした。例えば稽古で、私がもう一度やっておかないとと思っていたところで「もう1回やろう」と言ってくださったり、アイドルとしてだけでなく生き方も見習いたい、と思える人でした。
――リカは綺咲愛里さんとのダブルキャストでしたが、印象は?
中村 綺咲愛里さんは、もう「お姉様」という感じで。宝塚でトップ娘役をされていた方なので、技術だけでなく「素敵!」と思う瞬間がたくさんあって、学ばせていただきましたね。
――そして今年は『ダンス・オブ・ヴァンパイア』にも出演していましたね。
中村 歌のみの審査だったんですが、こちらもものすごく緊張しました。音楽監督の甲斐正人さんやスタッフの皆さんがズラリと並んでいらっしゃって、自分が仕上げてきたものの半分も出せなかったんです。帰りにマネージャーさんに「ダメでした、緊張しちゃいました」と報告していたので、後日「受かったよ」と連絡が来た時は「間違いじゃないですか?」と聞き返しました(笑)
――『ダンス・オブ・ヴァンパイア』のヒロイン・サラもフランク莉奈さんとのダブルキャストでした。
中村 最近「たまごっち」がまた流行っていると思うんですが、フランクさんも色違いのたまごっちを持っていらして。一緒に開封して、通信して育てたりしていました。ご飯に連れて行ってもらうこともありましたし、何ヶ月もご一緒させていただいて、お姉ちゃんができたような感覚でした。
――では、オーディションから本番まで、舞台のプロセスの中で緊張する瞬間は。
中村 本番も緊張するんですが、私の場合、一番緊張するのは、稽古が始まる時の顔合わせですね。初めてキャストの皆さんが一堂に会して、本読みをしたり歌を合わせたりする時が一番怖くて。周りの皆さんが本当に上手な方ばかりなので、その場で圧倒されてしまって「私、大丈夫かな」と不安になってしまうんです。そこが緊張のピークですね。
―――そんな時、緊張をほぐす秘訣などは?
中村 「今のお仕事が次に繋がっている」と思うことです。乃木坂に加入した頃はまだ中学生でしたし、目の前の課題をがむしゃらに頑張る、しか考えられませんでした。今はもっと先の将来まで考えられるようになりました。新しい作品に挑戦するのは好きなんですが、「結果を残せなければ、もう呼んでもらえないかもしれない」という怖さも実感しています。それが成長した証なのかなと思います。
――そして12月のイベントに続いて、来年やその先に挑戦してみたいことを教えてください。
中村 10年後、20年後、どれだけかかってもいいので、いつか「マイ・フェア・レディ」の舞台に立ちたいです。以前、神田沙也加さんが演じられているのを見た時のときめきがずっと忘れられなくて。今の自分にはまだ無理だと分かっていますが、技術を磨いて、いつかその場所に辿り着くことが、今の私の人生の目標です。
中村麗乃 2001年9月27日生まれ。東京都出身。2016年に3期生として乃木坂46に加入。在籍時から舞台『逆転裁判』シリーズ、ミュージカル『SUPERHEROISM』『Endless SHOCK』『ダンス オブ ヴァンパイア』、ドラマ『RoOT / ルート』などで俳優としても活躍。今年6月26日に乃木坂46を卒業し、今後はミュージカルを中心に俳優として活動していく。
中村麗乃 OFFICIAL FANCLUB -curtain call-https://nakamurareno.officialfc.jp/
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