片岡凜が声優初挑戦で掴んだ手応え「声だけで感情を伝える難しさと楽しさ」
2022年に俳優デビューを果たし、NHK連続テレビ小説『虎に翼』や日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』など、話題作に次々と出演。透明感と確かな演技力に定評のある片岡 凜が、深緑野分の人気小説を劇場アニメーション化した『この本を盗む者は』で声優初挑戦にして主演を務めている。声優初挑戦で得たものや、共演した田牧そらの印象などを聞いた。(前後編の前編)
――『この本を盗む者は』のオファーがあった時は、どんなお気持ちでしたか。
片岡 まずびっくりというのが正直な感想ですが、アニメの声優さんのお仕事は、以前からやらせていただきたいと思っていたことの一つだったので楽しみでした。そこまでアニメに詳しいわけではないのですが、声優というお仕事自体に興味がありました。
――脚本を最初に読んだ時の印象はいかがでしたか。
片岡 しっかりと深緑野分さんの書いた原作を読んでから、脚本を読んだのですが、どういう絵になるのか想像もつかなくて。「一体どんなアニメになるんだろう」という混乱が最初は大きかったです。アフレコで声をあてながら、実際に絵になった映像を見て、「こうなるんだ!」という驚きがありました。
――コミカライズ版の『この本を盗む者は』も読んだのでしょうか。
片岡 読みました。ここで深冬は面倒くさそうな顔をしているから、こういう声なんだろうなとか、普段からそんなに声は高くないだろうなとか、私の演じた深冬の声がどんな感じなのかは、コミックも参考にさせていただくことが多くて。脚本と照らし合わせながら考えました。
――深冬を演じる上で、どんなことを意識しましたか。
片岡 一見するとどこにでもいるような女子高生なので、特別な雰囲気を出すということはなくて。いつも「めんどくさいなぁ」と、倦怠感が漂っているような女の子だなと感じました。だから最初は、だるそうな普通の女子高生に見えるようにしたかったんです。そこから、次々と起こることに対して純粋に受け止めて混乱したり、徐々に自分の強さを成長させていったり、物語を通して、振り幅を持たせるように、声のイントネーションを意識しました。
――初めてのアフレコはいかがでしたか。
片岡 普段やらせていただいている実写のお仕事とは表現の仕方が全く違うので、新鮮でした。自分の声だけで言葉を伝えないといけないので、1つのセリフの中で何を一番伝えたいのかを、とにかく考えました。事前に、いろんなパターンを考えながら現場に臨むことが多かったです。
――アフレコは順録りでしたか?
片岡 基本的に順録りでした。だから感情も作りやすかったです。アフレコが進んでいくにつれて、「上手くなっているね」という評価もいただいて、深冬と一緒に自分自身も成長していくような感覚がありました。
――アフレコはお1人でされたんですか。
片岡 真白役の田牧そらさんと一緒に収録させていただきました。この物語は深冬と真白のコンビ感が大事な作品なので、ずっと2人きりでのアフレコだったんです。隣に相手役の方がいてくださると、声のトーンを感じながらお芝居できるので心強かったです。
――アニメは台本を見ながらの演技という印象が強いですが、片岡さんはいかがでしたか。
片岡 台本は全部頭に入れてからアフレコに臨みました。普段からそうしておかないとお芝居ができないんです。台本を読みながらのアフレコでしたが、やっぱり私はセリフが頭に入っていたほうが、より感情の幅を広く表現できるのかなと思います。
――ご自身の声についてはどう感じましたか。
片岡 事前に自分で声を録音して、それを聞きながらお芝居の練習をしたのですが、最初は淡々と聞こえるなという印象がありました。だから本番では、自分が思っているよりも振り幅を持たせて表現するようにしました。
――今回の声優経験は、実写のお芝居にも活かせそうですか。
片岡 セリフのどこを立てたいか、どこを一番伝えたいのかは、普段から意識していることではあったのですが、この作品でさらにフォーカスを当てることができたので、今後にも活きてくる大事なポイントだと思います。
――田牧そらさんとは初共演だったそうですが、どんな印象を持ちましたか。
片岡 初めてお会いした時は、「真白そのものだなあ」という印象でした。私が想像していたそのままの声をお持ちの方で、話している雰囲気も真白だったので、お芝居に入った時も全く違和感がなくて安心感がありました。
――本番前に本読みなどはあったんですか。
片岡 本番前に一度リハーサルがあって、実際に映像を見ながら一緒に声を当てたのですが、難しくて。展開が早くて声が追いつかないんですよね。田牧さんも声優初挑戦とのことで、戸惑うところが同じで、「こんなに早いんですね」と言い合いながらやっていました。
――動きの激しいシーンも多いですしね。
片岡 そうなんです! しかも尺が短いので、その尺の短さの中でどれだけ大きいリアクションで反応できるかを考えながら一緒にやらせてもらいました。特に印象に残っているのが、深冬が真白の手を引っ張って家に連れて行くシーンで。そこは監督のご指示で、実際に2人で手をつなぎながらやらせていただきました。その時に「真白、行くよ」というセリフがあって、監督から「ツンデレに見えるけど優しさの感じられるイントネーション」という指示があったのですが、田牧さんの手の温かさがお芝居の助けになりました。
――アフレコ以外で田牧さんとコミュニケーションを取る時間はありましたか。
片岡 お互いに集中していたので、そんなに会話はなかったのですが、アフレコが始まると、完全にコンビネーションが出来上がっていたので、我ながら不思議だなと思いました。それだけ田牧さんとの相性が良かったのかもしれません。
劇場アニメーション『この本を盗む者は』2025年12月26日(金)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
片岡 凜 田牧そら東山奈央 諏訪部順一 伊藤 静 土屋神葉千葉 繁 鈴木崚汰 上田麗奈 関 智一 高橋李依大地 葉 小市眞琴 花守ゆみり 上田 瞳 石見舞菜香 福山 潤 / 朴 璐美
原作:深緑野分「この本を盗む者は」(角川文庫/KADOKAWA刊)監督・コンテ・演出:福岡大生構成・脚本:中西やすひろキャラクターデザイン・作画監督:黒澤桂子
書物の街・読長町(よむながまち)に住む高校生の御倉深冬(みくら・みふゆ)。曾祖父が創立した巨大な書庫「御倉館(みくらかん)」を代々管理する一家の娘だが、当の本人は本が好きではなかった。ある日、御倉館の本が盗まれたことで、読長町は突然物語の世界に飲み込まれてしまう。それは本にかけられた呪い “ブック・カース”だった。呪いを解く鍵は、物語の中に……。町を救うため、深冬は不思議な少女・真白(ましろ)とともに本泥棒を捕まえる旅に出る。泥棒の正体は一体誰なのか? そして、深冬も知らない“呪い”と“御倉家”の秘密とは……?
ヘアメイク:北原 果(KiKi inc.) スタイリスト:高野夏季(HITOME)
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