「携帯に触れていない時間が好き」片岡凜が語る、読書とSNSとの距離感
2022年に俳優デビューを果たし、NHK連続テレビ小説『虎に翼』や日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』など、話題作に次々と出演。透明感と確かな演技力に定評のある片岡 凜が、深緑野分の人気小説を劇場アニメーション化した『この本を盗む者は』で声優初挑戦にして主演を務めている。SNSの文章が話題になることも多い彼女に、好きな本や音楽、SNSで発信する上で心掛けていることなどを聞いた。(前後編の後編)
――『この本を盗む者は』は書物を巡るファンタジーですが、片岡さん自身、読書がお好きだそうですね。
片岡 学生時代から大好きです。私は学校に友達がいなくて、休憩時間もずっと本を読んでいました。
――図書室に行くこともありましたか?
片岡 しょっちゅう行って本を読んでいました。静かなので、純粋に落ち着くんです。今でも何かに集中したい時や、ここじゃない場所に逃げたい時の、いい逃げ道になってくれるのが読書です。
――今はどんな時に本を読むことが多いんですか。
片岡 普通に時間のある時もそうですが、電車の移動中とか、仕事前にもよく本を読みます。私は文字を読むことで集中力が高まるんですよね。
――好きな本のジャンルを教えてください。
片岡 サスペンスとミステリーが好きです。特に国内ミステリーを読むことが多いのですが、好きな作家さんは伊坂幸太郎さんで、中でも『ゴールデンスランバー』が好きです。
――最近読んだ本でお気に入りはありますか。
片岡 歌野晶午さんの『葉桜の季節に君を想うということ』です。本でしか表現できない面白さが詰まっている作品で、たくさんの登場人物が出てくるんですけど、年齢が一切表記されないままクライマックスまで進んでいくんです。アクティブで好奇心旺盛なキャラクターばかりで、若い人たちなのかなと読み進めて行ったら、とんでもない結末が待っていて、年齢にとらわれない生き方の大切さを学ぶことができました。
――『葉桜の季節に君を想うということ』が2003年、『ゴールデンスランバー』が2007年と古めの作品ですが、映像も古い作品を見ることが多いんですか。
片岡 多いですね。私は父と仲が良くて、父と一緒に見ることが多かったので、その影響もあると思います。映画だと『セブン』(95)、ドラマだと野島伸司さんが脚本を手掛けた作品が好きで、『高校教師』(93)や『未成年』(95)、あと『青い鳥』(97)も印象深いです。どれも、私が生まれていない頃の作品ですけど(笑)。
――重いテーマの作品をお父様と見ていたんですね。『高校教師』なんて気まずくなかったですか?
片岡 普通に楽しんで一緒に見ていました。今、『高校教師』をリメイクするなら、桜井幸子さんの役をやってみたいです。
――よく聴く音楽は?
片岡 ロックが大好きで、日本だとThe Birthdayさん、海外だとガンズ・アンド・ローゼズやエアロスミスなど、ハード目なアーティストを聴くことが多いです。
――リアルタイムの音楽は聴かないんですか。
片岡 学生時代は聴いていなかったのですが、この仕事を始めてからは触れる機会が増えました。
――本は書店で買うことが多いんですか?
片岡 書店に行って買うことがほとんどです。上京する前から、よく地元の書店に行ってました。電子じゃなくて、紙で文字を読むのが好きなんです。本そのものの重さがあるからこそ、読んでいる感覚があって。もともと携帯は見ないほうではあるのですが、携帯に触れていない時間というのが好きなんです。
――片岡さんはSNSの文章が話題になることが多いですが、文章で影響を受けた方はいますか。
片岡 これといった影響はないですけど、小学生の時から小説を書いていたのが大きいです。
――いつも洞察力に驚かされるのですが、辛辣なようで、人を傷付けない文章ですよね。
片岡 そんなに意識はしていないのですが、もちろん誰も傷つけたくないので、ギリギリなところを狙っています(笑)。
――SNSで発信する上で意識していることはありますか。
片岡 役者なので、日頃から誰かになることが多いのですが、だからこそSNSは私として、あまり作らずに、自分に素直でいることを意識しています。あとは夕日の写真なんかを載せてポエムを書かないように気をつけています(笑)。SNSの文章を書く時はロックを流して、しんみりしないように気をつけています。
――情緒に流されないようにしているんですね(笑)。最後に『この本を盗む者は』の見どころをお聞かせください。
片岡 人が誰しも持っている、好きなものに対する気持ち、そしてトラウマを克服する強さなど、誰もが経験したことのある感情に対して、作品全体を通してフォーカスされていて、力強いメッセージにあふれています。そこに注目していただけるとうれしいです。
劇場アニメーション『この本を盗む者は』2025年12月26日(金)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
片岡 凜 田牧そら東山奈央 諏訪部順一 伊藤 静 土屋神葉千葉 繁 鈴木崚汰 上田麗奈 関 智一 高橋李依大地 葉 小市眞琴 花守ゆみり 上田 瞳 石見舞菜香 福山 潤 / 朴 璐美
原作:深緑野分「この本を盗む者は」(角川文庫/KADOKAWA刊)監督・コンテ・演出:福岡大生構成・脚本:中西やすひろキャラクターデザイン・作画監督:黒澤桂子
書物の街・読長町(よむながまち)に住む高校生の御倉深冬(みくら・みふゆ)。曾祖父が創立した巨大な書庫「御倉館(みくらかん)」を代々管理する一家の娘だが、当の本人は本が好きではなかった。ある日、御倉館の本が盗まれたことで、読長町は突然物語の世界に飲み込まれてしまう。それは本にかけられた呪い “ブック・カース”だった。呪いを解く鍵は、物語の中に……。町を救うため、深冬は不思議な少女・真白(ましろ)とともに本泥棒を捕まえる旅に出る。泥棒の正体は一体誰なのか? そして、深冬も知らない“呪い”と“御倉家”の秘密とは……?
ヘアメイク:北原 果(KiKi inc.) スタイリスト:高野夏季(HITOME)
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