ケンタッキー、クリスマス直前の火事で「24日予約分キャンセル」に 他店舗への振替不可が「不誠実では？」と物議

クリスマス定番メニューとして人気を博しているケンタッキー。しかし現在X上では、ケンタッキーより発せられた「12月24日予約分の提供不可」メールが波紋を呼んでいるのだ。

ケンタッキーを襲った火事、その結果...

今回注目したいのは、Xユーザー・ひなさんが投稿したポスト。

投稿には「ケンタッキー予約してた店舗が火事になり、予約してたメニューが全キャンセルになりました...。まずは火災によるけが人はいなかったみたいなので出火原因が何にしろ、そこは不幸中の幸いだったかと思います。KFCのスタッフの方も大変だったと思います、本当にお疲れ様です」と、ケンタッキー店舗を襲った火災について記されている。

https://twitter.com/hina_k_happy/status/2002943191172215083?s=20

そして、「ですがそのあとの対応。他店舗に振り替えは一切できない、早割ももうできない、後日返金しかできない。この対応しか本当にできないのでしょうか？ かなり前から予約してたのに、悲しすぎる...せっかくのクリスマスなのに悲しい...」と、悲しみの言葉が続いていたのだった。

「対応が不誠実」「これは仕方ない」と賛否

投稿には日本ケンタッキー・フライド・チキンより送られたメールのスクリーンショットが添えられており、「大変なご迷惑をおかけしますが、12月24日（水）にご予約頂いた商品は店舗にてキャンセル処理をさせていただきまして、後日返金とさせていただきたく存じます。なお、他店舗へのご予約の振替はお受けできかねますので、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます」という文面が確認できた。

https://twitter.com/Japanese_wine_/status/2002209417555808397

ポスト投稿主・ひなさんに詳細を聞いたところ、元々はお得な「Xmas早割」にて購入していたことが判明。キャンセル通知のメールが届いたのは、クリスマス直前の22日午前中である。

メールを確認した際の心境について、「いつも行っている店舗が火災に遭ったことも驚きですし、予約直前にキャンセルになったことも驚きました。ニュースを見ても亡くなった方はいなさそうなので、そこはホッとしました。でも、今からクリスマスのメニューどうすれば良いんだろう？ と思いました」と、振り返るひなさん。

その後、複数の店舗をハシゴしてなんとか予約できたが、当初のメニューとは全く違うもので、当然「早割」価格も適用外である。

ケンタッキー側の対応はX上で波紋を呼んでおり、「ここでどうにか対応したらケンタッキーの株も上がったのに...」「仕方ないのは分かるが、対応が不誠実に感じられる」「1店舗分の予約の補填もできないのだろうか？」など、疑問の声が相次いでいた。

一方で、「時期的にこれから原材料を確保するのは不可能だと思う」「フランチャイズ店は運営が異なるので、他店舗への振替が難しいのでは」「さすがにこれは仕方ない」といった具合に、ケンタッキーを擁護する声も散見されている。

ケンタッキーに事情を聞いた

https://twitter.com/Japanese_wine_/status/2002540830566068473

前出のコメントにある通り、ひなさんには火事に遭ったケンタッキー店舗（西八王子店）およびスタッフを責める気は毛頭なく、むしろその安否を気遣っていた。加えて、事情を聞いて誠実に対応してくれた他店舗のスタッフにも、深く感謝している。

しかし、クリスマスを目前にせっかく予約していたメニューが全てキャンセルになれば、モヤモヤが残るのは消費者として当然と言えるだろう。

ひなさんは「店頭予約してる店舗はまだ何軒かあったので、キャンセルになった方を優先して振替にしてあげられなかったのか、本社対応にはやはり疑問が残ります」と、苦言を呈していた。

そこで今回は、ケンタッキーを運営する日本ケンタッキー・フライド・チキン（以下、日本KFC）に詳しい話を聞いてみることに。

取材に対し、広報担当者は「12月19日（金）に西八王子店で発生した火災により、近隣住民の皆さまにはご心配をおかけし、誠に申し訳ございません。また、同店にて予約商品をご注文頂いていたお客さまには、商品をご提供できないこととなりましたこと、お詫び申し上げます」と、真摯に謝罪。

火事の状況については「幸い人的被害はなく、現場検証はすでに終了しております。現在は安全確保を最優先に復旧作業を進めており、火災の原因や営業再開の見込みにつきましては、引き続き調査中です」と、説明している。

25日予約分も「振替対応は不可」

予約商品のキャンセルについて、担当者からは「同店での火災発生後、他店舗からの振替対応を実施しておりましたが、12月24日・25日については、他店舗でも予約が集中しているため、振替対応が困難な状況です。このため、やむを得ず該当のお客さまには返金での対応とさせて頂いております。ご期待に沿えず誠に申し訳ございませんが、何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます」との回答が得られた。

日本KFCとしても、まさかクリスマス直前にこのような事態が起こるとは想定していなかったのだろう。これを機に、大きなイベント前の不測の事態に備える対策が講じられることを期待したい。

執筆者プロフィール

秋山はじめ：1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X（旧・ツイッター）を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。