ヒートテック下のインナー重ね着、冷静に考えると逆効果？ ユニクロ広報に「オススメの重ね着」聞いた

寒さ対策において、重ね着は基本中の基本。しかし、ヒートテックインナーの下に通常のインナーを着込むと、保温効果は低下しないのだろうか。

そこで今回は、冬の必需品・ヒートテックの重ね着に関する様々な疑問を、ユニクロ広報に尋ねてみることに。

ヒートテックの下に重ね着、逆効果では？

体から発散される水蒸気をヒートテックの素材・レーヨンが吸着する、というのがヒートテックのメカニズム。

レーヨンに吸着した水の分子は、動き回るうちに熱を発していき、レーヨンを含むヒートテックの生地が温かくなるのだ。

しかし「体から発散される水蒸気」をトリガーにしているということは、肌とヒートテックが触れていない箇所は、発熱・保温効果が弱まるのではないだろうか...？ そうだとすれば、ヒートテックの下にインナーを着るタイプの重ね着は、むしろ逆効果になってしまう。

こちらの疑問について、ユニクロの担当者からは「ヒートテックの下には肌着を着用した場合、ヒートテックの保温効果自体は低下しませんが、ヒートテックが肌に触れない面はヒートテックの温かさを感じにくい可能性がございます」との回答が得られた。

この辺りは重ね着のあり・無しをそれぞれ試した上で、個人の好みで判断した方が良いかもしれない。

ヒートテックの下に「ヒートテックを着る」と...

また「ヒートテックを重ね着」といういかにも温かそうなコンビネーションについては、ユニクロ担当者も「服を重ねている分、温かさはアップします」と、認める。

その上で、「ただし、ユニクロにはヒートテックの1.5倍暖かい『極暖』、2.25倍暖かい『超極暖』がございますので、そちらの着用をオススメします」とも補足していた。

そしてじつは、ヒートテックの下に重ね着するのに最高の相棒が存在するのをご存知だろうか。その名は「エアリズム」である。

冬のインナーと夏のインナー、その相性は...

ヒートテックが冬の必須インナーだとすれば、エアリズムは夏の必須インナー。そのため両者のコンビネーションは、一見するとミスマッチに感じられる。

しかし、ユニクロの担当者は「ヒートテックの下にエアリズムの重ね着をすることで、ヒートテックの保温性そのままに、肌面は通気性よくさらりとした着心地を感じて頂けます」と、その相性の良さを説明してくれたのだ。

「暑がり日本代表」を自負している記者にとって、冬に最もストレスを感じるのが「屋外から室内へ移動した瞬間」である。

例えば電車に乗ろうと駅へ向かった際、服装は厚着、駅に向かうということで体はわずかに温まっている。その状態で暖房の効いた車内へ乗り込むと、ほんの数十秒でじんわりと汗をかいてしまう。

そしてこの汗をきっかけにヒートテックがさらに発熱...と、地獄のようなループが始まってしまう。特に、寒暖差が激しい日などは尚更である。

こうしたケースに着目し、ユニクロ担当者も「エアリズムとヒートテックの重ね着は『保温対策』としてではなく、あくまで寒暖差がある日の『汗対策』として、ひとつの着用方法としてオススメしております」と、補足していた。

1枚で着る、重ね着する、など無限の組み合わせが存在するヒートテック。ぜひ、その日の気候に併せた自分だけのコーディネートを探してみてほしい。

執筆者プロフィール

秋山はじめ：1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X（旧・ツイッター）を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ヒートテックの研究に余念がなく、多数のユニクロ取材記事を手がける。