“ダルい上司の回避法”動画で話題「劇団ノーミーツ」コロナ禍エンタメ界に刺激 “この生活が4年続いたら”テーマに旗揚げ公演
2020.05.22 09:08
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エンタメ業界が新型コロナウイルスの影響を大きく受ける中、SNS上で話題を集めている“フルリモート劇団”その名も「劇団ノーミーツ」。彼らは一体何者なのか?企画・プロデュースを行うOut Of Theater代表・広屋佑規氏に話を聞いた。
フルリモート劇団「劇団ノーミーツ」とは?
先月4月に始動した「劇団ノーミーツ」は、“NO密で濃密なひとときを”をテーマに、打ち合わせから本番まで“1回も会わずに”活動するフルリモート劇団。ダルい上司の打ち合わせ回避する方法考えた。#ZOOM演劇 #劇団ノーミーツ#StayHome pic.twitter.com/5XS45v5tjk
— ノーミーツ (@nomeets_) 2020年4月26日
中でも『ダルい上司の打ち合わせ回避する方法考えた。』の動画がTwitterで「面白すぎる」「発想がさすがすぎる」とバズ。
女優の土屋太鳳も自身のInstagramで「すごく面白い劇団の作品を観る機会があった」と同劇団を紹介したり、テレビ番組でも相次いで取り上げられ、たちまち話題になっている。
「劇団ノーミーツ」立ち上げのきっかけ
主宰の1人である広屋氏。代表を務めるOut Of Theaterでは公共空間や都市空間を舞台に、イマーイブ体験を軸としたエンタメ創りを行っている。しかし新型コロナウイルスの影響により全企画が中止・延期となってしまった状況だという。「『劇団ノーミーツ』主宰の私を含めた3名は、それぞれライブエンタメ業界、映画業界、演劇業界に属しているのですが、今回のコロナの影響でどの業界も大きなダメージを受けてしまい、仕事が止まっています。その時、ただ自粛するのではなく、今だからこそできる表現はないのかを考え、ZOOMを使った演劇作品を作り始め、4月9日に初のZOOM演劇作品をSNSで発表するのと同時に、『劇団ノーミーツ』を旗揚げしました」
広屋氏は「今だからこそ作れるエンターテイメントがないか」と親交のあった映画プロデューサーである林健太郎氏に相談。林氏から劇団「21g座」を主宰していた脚本・演出家の小御門優一郎氏を誘い3名でスタートをきった。始まって既に1ヶ月以上経っているが、まだ広屋氏は小御門氏に実際に会ったことはないのだそう。
フルリモートの難しさ、反響の大きさは?
フルリモートでの制作ゆえ、やはり作品作りにはいつもとは違う難しさも。「出演する役者の方の自宅環境によって撮影できるものが大幅に変わってしまうところが難しいです。本来であれば衣装や小道具はスタッフ側が用意することが多いですが、まだ自粛期間中のためすべて役者の方の自宅にあるものを使わせていただきます。そのため、実際にリモートで自宅にある衣装や小道具、照明までも実際に役者の方に見せてもらいながら、共に創り上げていきます」
しかし、迅速に斬新すぎる形でコロナ禍の演劇界に刺激を与えた反響は大きい。
「有り難いことに本当に多くのメディアで取り上げていただいているのですが、なかでもNHKさんの『あたらしいテレビ 徹底トーク 2020』という番組で、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)の脚本家である野木亜紀子さんから『4月9日に作品を発表したスピード感はえらい』と言ってもらえました。更に番組に同じく出演していたテレビ東京の名物プロデューサーである佐久間宣行さんにも『知ってますよ!』とコメントしてもらえて、これだけの方々にも届いているのだと本当に嬉しかったですね」
旗揚げ公演「門外不出モラトリアム」いよいよ上演へ
そんな「劇団ノーミーツ」はいよいよ、旗揚げ公演となる初めての長編生配信公演「門外不出モラトリアム」を5月23日(土)・24日(日) にZOOMにて生配信上演(全4回)する。メインキャストは、劇団ノーミーツの出演俳優以外、 全員ZOOM上でのオーディションにより200名を超える応募者の中から選出。夏海、上谷圭吾、HKT48の田島芽瑠、オツハタ、櫻井保幸、江古田のガールズの小川千尋、伊澤恵美子、岩崎裕介、池田良、柿喰う客の淺場万矢など様々なジャンルから個性豊かなキャストが揃う。
同作品は“もしもこの生活があと4年続いたら?”という問いをテーマに、家から出なくなって4年が経った状況のなか、入学から卒業までフルリモートのキャンパスライフを送った大学生達の物語。
広屋氏は「まさに今の世の中の状況と照らし合わせながら、そういった事態にどう向き合うか。そしてその中で巻き起こるであろう青春を、正面から描いてみたいと思っています」と語る。
出演者も映画・演劇俳優、アイドル、クリエイターなど分野の垣根を超えたメンバーが揃うが、制作チームも、ライブエンタメ業界、映画業界、演劇業界、広告業界と多岐にわたる。広屋氏は「それぞれの業界の特徴や知見を活かしたアイディアが飛び交っているので、そういった意味では今まで以上に創作する過程は楽しかったりもします」と明かした。
旗揚げ公演「普段演劇をあまり観ない10代、20代にこそ観てもらいたい」
今回の公演について「オンラインエンターテイメントの新たな可能性の1つとして道を切り開けたら嬉しい」と意気込みを語る広屋氏。また、普段演劇をあまり観ないような10代、20代にこそ観てもらいたいと言い、「通常の舞台とは違い、アクセスもしやすく料金も安く、それでいて目の前で役者さんが芝居をしているような感覚に陥る体験を届けたいと思っているので、ぜひ楽しんでもらいたいです」と伝えてくれた。
自粛が続く状況でエンタメの価値についてどのようなことを考えたかを尋ねると、「自宅で自粛生活を送っている方が多いと思いますが、そのなかでもくすっと笑ったり、毎日も楽しもうとする気持ちは重要だと思っています」と広屋氏。
「そういったなかで、劇団ノーミーツが発表した作品が多くの方の自宅まで届いたら嬉しいですし、そこで少しでも楽しんでいただくことが、エンタメの価値が普遍的であることを証明してくれるのだと信じています」と言葉にした。外出自粛を余儀なくされたクリエイターたちによって生み出されたネオ演劇が、ネットエンタメネイティブ世代の新たな楽しみを生み出しそうな予感だ。
なお「門外不出モラトリアム」の視聴方法、チケット購入詳細は公式サイトまで。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】
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