戸田恵梨香、衝撃だったセリフ告白「台本を読んだときに涙がとまりませんでした」<スカーレット>
2020.02.01 08:15
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NHK連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)でヒロイン・喜美子を演じる女優の戸田恵梨香が、物語が後半に向かうに先立って、喜美子が陶芸家として本格的に歩み始めた14~17週についての思いや撮影秘話を明かした。
「スカーレット」主演・戸田恵梨香の役柄
連続テレビ小説101作目となる同作の物語の舞台は、信楽焼で知られる滋賀県甲賀市。焼き物の里・信楽の女性陶芸家が主人公。結婚、子育て、さらに後継者の育成を通して、陶芸にかける情熱を描く。時代背景は戦後から高度経済成長期までとなっている。戸田が扮するヒロインの喜美子は、1937年(昭和12年)大阪生まれ。3人姉妹の長女で9歳で滋賀県・信楽に移り住み、幼い頃から一家を支える働き者。地元の信楽焼にふれて育つが、戦後の復興著しい大阪で、多感な時期を過ごす。
信楽に戻ったのち、男性ばかりの陶芸の世界に飛び込んで、女性陶芸家の草分けとして歩みはじめる。やがて自らの窯を持ち、独自の信楽焼を生み出そうと奮闘する。また、結婚して母となる一方で、弟子にも愛情をこめて接する。陶芸にかける情熱は誰にも負けないが、細かいことにこだわらず、お人よしな性格で、周囲に頼られる。特技は絵と柔道という設定もある。
戸田恵梨香、忘れられないシーン告白
― 2019年放送の中で、印象的だったシーンはありますか?戸田:たくさんあるので選ぶのが難しいですね…。でも、フカ先生(深野心仙役・イッセー尾形)とのシーンは忘れられないぐらい、自分にとって宝物です。一人芝居をしていらっしゃるイッセー尾形さんのお芝居を目の前で観ることができるなんて、たったひとりの観客みたいなものなので、それを味わえたのは本当にこの上ない、ぜいたくなことだなと思いました。
喜美子もそうですけれど、私自身もフカ先生についてくという確固たるものができて、フカ先生がいなくなるのはとてもさみしかったです。ずっとフカ先生との時間が続けばいいのになぁと、願わずにはいられませんでした。
戸田恵梨香、演じていて苦しかった週明かす
― 第14週では、父・常治の死から3年が経ち、喜美子は31歳に。陶芸家として名の知れるようになった夫・八郎(松下洸平)を支える姿が印象的でした。そんな中で、幼なじみの信作(林遣都)に「いまの喜美子は喜美子じゃない」と言われたことで、その後の八郎との関係や喜美子の心境に変化はあったのでしょうか。戸田:喜美子自身、「ほんとうにやりたいことをやれていない」という気持ちはあったと思います。でもその中に、ハチさんのことをただひたすら支えたい、フォローしたいという思いがから回ってしまうのが14週でした。ハチさんもそんな喜美子の思いを受け止めているんだけれど、それもハチさんにとっては苦しい…。ふたりの思いがどんどんと絡まっていく様が、演じていてけっこう苦しかったです。
喜美子と八郎は、いつも“ふたりとも間違ってない”というのが、しんどいんです。サニーの開店に際してコーヒー茶わんをつくりましたが(第12週)、そのときに代金をもらうかもらわないかで考えが食い違ったときも、ふたりとも正しいんですよね。どちらかが間違っていたら楽だと思うんですけれど……。
信作が「もうちょっと、おまえがやりたいことをやってもいいんちゃうか」と背中を押してくれるのは、信作だからこそできることですし、信作だからこそ、喜美子の心にぐさっと刺さるんですよね。だけど喜美子は、「まずハチさんが」って考えてしまう。喜美子と八郎の愛情が本物だからこそ、しんどいことってあるんだなと、この作品を通して知りました。
戸田恵梨香、没頭するヒロインに心寄せる
― 喜美子と八郎の互いへの思いが絡まり合う14週が演じていて苦しかったということでしたが、15週はいかがでしたか?戸田:15週は喜美子が絵付け小皿の大量注文を受け、久しぶりにものづくりに対して燃える気持ちを思い出して没頭していくので、「ああ、喜美子のこの姿がみたかった」と個人的に思った週でした。
ハチさんのことも支えたい、でも同時に、絵付け小皿もがんばりたいっていう2つの欲が同時に生まれて、どうバランスをとればいいのか喜美子はわからなかったけど、ハチさんが背中を押してくれました。だから、ハチさんのことは三津(黒島結菜)にまかせる、と喜美子が決断できたのだと思います。
ただそれをきっかけに三津の八郎に対する気持ちがふくれあがっていくので、よかったのかどうかはちょっとわからないですけれど、喜美子と八郎がそれぞれ陶芸家として大きく1歩進んだところなので、そこはよかったと思いました。
戸田恵梨香、一家を翻弄するキャラクターにも理解示す
― 三津に対しての、喜美子の感情はどのように感じましたか?戸田:喜美子は、「ハチさんを信じている」という気持ちです。いままで積み上げてきたハチさんとの関係、愛情や絆というものに自信があるから、「ここは口出ししなくてもいい」と判断する。それは「妻の強さ」かなあと思いました。
三津の言動って「ハチさんのこと好きなん!?」と喜美子からつっこんでもいいくらいだったのですが、三津自身もわざとじゃないし、喜美子も自信があるから、つっこめないんですよね。陶芸の師匠と弟子としても、女の意地っていうのがあるのかなと思いました。
三津がもっと恋愛の駆け引きを仕掛けてくる子だったら、ハチさんがもうクビにしているはず。それでも、喜美子がハチさんに新しい風を吹かせたいと考えて、三津を弟子入りさせました。最初は、ハチさんも「いや弟子はいらない」と言っていたけれど、ちょこちょこっと三津から出るヒントになるような言葉をもらって、実際に作品をつくっていけるようになるから、やっぱり三津はふたりにとっていなくちゃいけない存在だったんだと思うんです。
林遣都ら演じる“幼馴染”の関係性に羨望
― 第16週では、喜美子の家に照子と信作が集まり、幼なじみ3人で夜通し語り合うシーンが印象的でした。演じられていかがでしたか?戸田:この3人がそろうと、やっぱりこれこれ!という感覚なるんです。これが欲しかった!という感じ。1番落ち着くし、楽しいし、喜美子の人生の真ん中にあるのがこのふたりなんだなあと思いました。この3人で集まったとたんに、完 全にタイムスリップできるんです。こういう経験って私自身はなかなかできないので、子どものころから過ごしている人たちって強いんだなと思いました。
天才になっていくヒロイン見つめる
― 第17週では、八郎の応援もあって、喜美子が穴窯を作り、自然釉への挑戦を始めます。その時の喜美子の気持ちについてはどう感じられましたか?戸田:喜美子は、ハチさんや家族みんなが、やりたいことをやってみたいという喜美子の気持ちを後押ししてくれることにありがたさを感じたと思います。それと同時に、失敗してなるものかという責任感もむくむくっとわきあがってきたんです。
それなのに、何度も失敗が続きました。穴窯をつくる前は、ちゃんと売れるものをつくらなきゃいけないと話していた喜美子が、「売れなくてもいい、自分のつくりたいものをつくる」と言いだして……考え方も発言もまったく変わってしまいます。今まではお金を大事に、家族のために一生懸命やってきた人が、家族がだめになってもやり続けるっていう狂気に似た熱意を持ちはじめるんです。
ほんとうに自分がやりたいことと出会ったときって、いままで自分が積み上げてきたものもなかったことになるくらい、そっちに突き進んでしまうんだなと。天才になる人の片りんをみた気がしました。
戸田恵梨香、ヒロインの思考を分析
戸田:17週あたりになると、喜美子はなんとしても自然釉というものを完成させたいという気持ちが強くなるんです。窯だきに使うお金について、ハチさんが「武志のためのお金やろ」というのも正論なのですが、喜美子には武志のお金を使って申し訳ないという気持ちはひとつもないんです。戸田:ハチさんと離れてからは、ハチさんと離れたことに対して、武志に申し訳ないという気持ちを持つけれど、お金に対してはないんです。恐怖と責任を負っているし、絶対に成功させてやる、成功するまではやめたらいけない、それこそすべてが水の泡になる、と考えているのだと思いました。
戸田恵梨香、涙あふれたセリフ語る
戸田:喜美子が穴窯を作ると決め、成功を目指し没入していくころから、急に喜美子の人が変わったようになるんです。第17週100回(1月30日)の放送で、照子が喜美子のもとにきて、「目え、覚ませ」と言ったとき、喜美子は「ひとりもええなあ」と返しました。このセリフが、17週まで演じてきた中で一番印象に残ったセリフです。1番衝撃的で、台本を読んだときに涙がとまりませんでした。「ひとりもええなあ」というのは、今までの自分の人生を全部否定するような言葉じゃないですか。今まで、ずっと誰かのために生きてきて、それが喜美子の幸せでもあって、心の支えでもあったのに…。こんな重い言葉があるのだと、鳥肌がたちました。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】
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