村上虹郎、二宮和也に続く12年ぶり起用 小泉今日子と共演「いい意味で怖い」<本人コメント>
2016.07.24 05:00
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2004年、蜷川幸雄さんから依頼されて岩松了が書き下ろした戯曲「シブヤから遠く離れて」を、2016年秋に岩松自らが演出を手がけて上演することが決定。初演時には嵐の二宮和也が務めた物語を鍵を握る青年・ナオヤ役を村上虹郎が、その相手役となるマリーを初演と同じく小泉今日子が演じる。
村上虹郎「いつも初挑戦の気持ちで…」
同作は、濃厚な社会派の匂いを漂わせつつも、人間の多面性を繊細に描き出した、青春譚であり、ラブストーリー。暗い記憶の狭間を浮遊するナオヤ(村上)と、全てから逃れようとする不思議な女マリーとの静かな、しかし力強い愛は「椿姫」をモチーフに描かれ、その切なさは観客の心を揺さぶる。最初に台本を呼んだ時は「正直、難しくてよくわからなかった」と明かす村上だが、「二回目に一つの物語として読んだら、面白さが自分の中に素直に入ってきた。ト書きもせりふも区別することなく読めて、一冊の小説みたいだな…という感覚。それが岩松さんの書くホンの魅力なのかなと思いました」と告白。小泉との共演するにあたって、「良い意味で怖いなと感じています」と言いつつ、「実は、僕のことを子どもの頃から知ってくださっている方なので、安心感もあります」と打ち明けた。
また、2度目の舞台出演になるが「いつも初挑戦の気持ちでいます」と村上。「まだまだ“初めてに驚く”ことを繰り返していたい。その“わかってなさ”がいつまで続くのか。ずっとガキであり続けるのか、大人になるのか、自分でもわからない。どっちでもいいな、と思っています」と語った。
小泉今日子「やっと願いが叶いました」
対して、12年ぶりにマリー役を務める小泉は、「『もう一度観てみたい!』とずっと思っていた戯曲です。岩松さんにも『やればいいのに』と何度も言っていたのですが、やっとその願いが叶いました。しかも前回と同じマリーという役を演らせて頂くことになって、とても嬉しいです」と喜びをあらわにした小泉。「12年前に蜷川さんが演出した作品を、今度は岩松さんの手で、村上虹郎さんを始めとする新しい、魅力あふれるキャストの方々とともに作り上げます。そこで起こる化学反応を心から楽しみにしています」と期待を寄せた。
岩松了「俺、演出できるのかな?」
一方、自身が演出することになった岩松だが、「俺、演出できるのかな?ってちょっと不安になりました(笑)」と吐露。「どこかで、蜷川さんならこんなふうに演出するんじゃないか…というイメージを加味して書いているんですね。自分自身にはつかみきれないものを、意図的に書いている感覚。そういう意味では、すでに何かによって筆が操られている。これは頑張らなきゃイカンな、と思っているところです」と気合いを明かした。そして、村上については「素人っぽい、手あかのついていない感じが、僕にとっては非常に新鮮でした。彼は役者として歩き出したばかりで、これからどんどん伸びていくのだろうと思います。そのエネルギーを目の当たりにすることを、僕自身の起爆剤にして、演出に挑みたいと思っています」と、小泉については「マリーという役は、言ってみればいくつであってもいいわけです。あの時(初演)の彼女は30代でしたが、今50歳になったキョンキョンが作品の全体像をどんな色に変えていくのか、すごく興味があります」とコメントした。
村上・小泉に加え、マリーに恋する・アオヤギ役に橋本じゅん、アオヤギの同僚・フナキ役に豊原功補、アオヤギの父役にたかお鷹、ナオヤの友人・ケンイチ役を鈴木勝大、アオヤギの妹・トシミ役に南乃彩希、アパートの管理人・フクダ役に高橋映美子、ほか岩松を含め駒木根隆介・小林竜樹も出演する。(modelpress編集部)
村上虹郎コメント
この芝居を自分がやるんだ…と思って最初に台本を読んだ時は、正直、難しくてよくわからなかったんです。でも二回目に一つの物語として読んだら、面白さが自分の中に素直に入ってきた。ト書きもせりふも区別することなく読めて、一冊の小説みたいだな…という感覚。それが岩松さんの書くホンの魅力なのかなと思いました。小泉今日子さんとの共演は、良い意味で怖いなと感じています。でも実は、僕のことを子どもの頃から知ってくださっている方なので、安心感もあります。岩松さんは、面白くて、まさに“芝居の世界の人”というイメージ。岩松さんのもとで芝居をする集団に混ざれることにワクワクしています。
二度目の舞台出演ですが、いつも初挑戦の気持ちでいます。まだまだ“初めてに驚く”ことを繰り返していたい。その“わかってなさ”がいつまで続くのか。ずっとガキであり続けるのか、大人になるのか、自分でもわからない。どっちでもいいな、と思っています。
小泉今日子コメント
もう一度観てみたい!とずっと思っていた戯曲です。岩松さんにも「やればいいのに」と何度も言っていたのですが、やっとその願いが叶いました。しかも前回と同じマリーという役を演らせて頂くことになって、とても嬉しいです。けれど、台本を読み返してみて、こんな難しい役を何も考えずにやっていたんだ…!と、怖くなりました。今回は前よりももっと稽古場で苦しむのかもしれません。このお話に出てくるのは、すぐにも消えてしまいそうな、その一時だけの、一過性の儚い魅力を持った若者たち。そして、年齢を重ねてすべてを知ってしまった、その葛
藤を抱える大人たち。ナオヤとマリーが出会った瞬間に、二人の心に何かが生まれ、一瞬同じ方向を向く。そのドラマチックさが、たまらなく素敵に思えてしまう。12年
前に蜷川さんが演出した作品を、今度は岩松さんの手で、村上虹郎さんを始めとする新しい、魅力あふれるキャストの方々とともに作り上げます。そこで起こる化学反
応を心から楽しみにしています。
岩松了コメント
『シブヤから遠く離れて』は12年前、蜷川さんに演出してもらうために書いたホンです。渋谷にある廃屋の話で、僕はト書きに「ススキが繁っている」と書いたんですが、蜷川さんに「ススキじゃなくてもいい?」と言われて「いいですよ」と返事をした。何にするんだろうと思って稽古場に行ったら、黒いヒマワリが仕込んであった。その時の強烈な印象を今も覚えています。今回あらためて台本を読んで思ったのは、やっぱりこれは蜷川さんに演出してもらおうと思って書いたんだな、と。俺、演出できるのかな?ってちょっと不安になりました(笑)。どこかで、蜷川さんならこんなふうに演出するんじゃないか…というイメージを加味して書いているんですね。自分自身にはつかみきれないものを、意図的に書いている感覚。そういう意味では、すでに何かによって筆が操られている。これは頑張らなきゃイカンな、と思っているところです。
マリー役は12年前と同じく、小泉今日子さんです。これはキョンキョンの舞台と言っていい、そんな気が僕はしているんですね。マリーという役は、言ってみればいくつであってもいいわけです。たとえば12年前は二宮和也くんがナオヤという相手役だったんですけど、二宮くんはもう、あの役はできない。二十歳前後で、大人になろうか、なるまいか…という年齢の子をキョンキョンが通過させていく、そういう作品構造になっている気がするので。あの時の彼女は30代でしたが、今50歳になったキョンキョンが作品の全体像をどんな色に変えていくのか、すごく興味があります。
ナオヤ役の村上虹郎くんは、素人っぽい、手あかのついていない感じが、僕にとっては非常に新鮮でした。彼は役者として歩き出したばかりで、これからどんどん伸びていくのだろうと思います。そのエネルギーを目の当たりにすることを、僕自身の起爆剤にして、演出に挑みたいと思っています。
コテコテの具象でもなく、まるっきりの抽象でもない。そんな混然としたものが渦巻いている世界観であり、それはすなわち今、現在を描くことにふさわしい作品であると感じています。12年前とはきっと違うものが立ち上がると思いますけど、あの時も現在だったし、今回も現在に違いない。もし10年先にまたこの作品を上演したとしても、やはりその現在を映すのだろうと思います。
【Not Sponsored 記事】
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