少年忍者・元木湧、ミュージカル単独初主演にプレッシャー「こんなに重いものとは…」豊田陸人は悔しさ滲ます<SEVEN ー西遊記7つの戦いー>
2023.11.04 19:00
少年忍者の元木湧と豊田陸人が4日、東京・品川プリンスホテル クラブeXにて行われたミュージカル・ショー『SEVENー西遊記7つの戦いー』(東京:4日~19日、大阪・森ノ宮ピロティホール:25日~26日)の公開ゲネプロに出演。カーテンコールでは、初日を前に意気込みを明かした。
少年忍者・元木湧&豊田陸人「SEVENー西遊記7つの戦いー」への意気込み語る
同ゲネプロには、共演で宝塚OGの伶美うらら、留依まきせ、舞城のどか、村上すず子、高汐巴(※「高」は正式には「はしごだか」)も登場。ゲネプロ直後のカーテンコールにて、孫悟空演じる元木は「ひとまず、ゲネプロは終えることができてよかった」と安堵の表情を浮かべ、キャスト同士で顔を見合い、微笑みあった。続けて「僕なりの反省がめちゃくちゃある。ちょっと後で反省会を1人で開こうかなと思っております(笑)」と苦笑。「本当に本当に今日が来るまで、もう本番が嘘なんじゃないかなって思うぐらい、 すごく充実した日々だった。いざ本番の日を迎えてなんと身体が元気だったことでしょう!」と声を弾ませた。一方で「ステージには魔物がいました…僕は途中で振り付けが飛びました。本当に最初から最後まで油断できないなっていうのを思いましたね」とゲネプロでのハプニングを告白。「どれだけ練習しても、やっぱり油断をせずに、気を抜かずに、本当に最後まで怪我も病気もなくみんなで走りきりたいと思います。最後までよろしくお願いします」と意気込んだ。
また、三蔵法師演じる豊田は「ミュージカルと最初に聞いたときは恐れおののきました(笑)」と率直な感想を口に。「練習を重ねていって、自分で歌がちょっとずつ上手くなるっていう実感を得ていったんですけど、それが気持ちよくて。ボイスメモで録音して聴くんですけど、『うわ!この高音が出てる!』とか、新しい発見がすごく多くて。 外部の舞台に出させていただくっていうのは本当に自分のレベルアップを積み重ねられる唯一の機会でもあるので、自分をもっともっとレベルアップしていけたらいいなと思います」と意気込み、「千秋楽にはパーフェクトな三蔵法師を見せられたら嬉しいなと思っております。本日は誠にありがとうございました」と深々とお辞儀した。
高汐からは「陸人君が19歳で、私は宝塚の初舞台が19歳で何もわからなかったので、本当に大変だったと思います。応援してます。湧くんもね」との声掛けが。これに元木は「…俺には少ないな~」と冗談交じりにコメントしつつ「皆さんめちゃくちゃ素晴らしいキャストの方で、バンドの方だったり、スタッフの方だったり、本当に遅くまで僕たちのためにサポートしていただき、 こんなに素晴らしいステージを立たせていただいてるので、ぜひその期待に応えて最後まで走り抜きたいと思います」と挨拶し、キャスト同士の仲睦まじい良い雰囲気を見せていた。
少年忍者・元木湧、初主演舞台への本音語る
その後再び登場し「ちょっと真面目な話をすると…」といい、「主演っていう形でなっていますけど、本当に通し稽古に入る前まで、僕は主演だと思っていなかった」と落ち着いた声のトーンと真剣表情で切り出した元木。「振り付けだったり、歌の稽古だったり色々と忙しくて、考える余裕がなかったんです。でもやっぱり、色々な踊りを覚えていき、(舞台の)最後に三方向にお礼を込めてお辞儀をする三方礼のリハをやった時に、すっごいプレッシャーがきました。 今まで別に座長らしいことは1回もしていないですが、三方礼の時にセンターに立って1歩前に出て、その先頭を切ってお辞儀するっていうのが、僕は今までずっと後ろで見ていた方なので、それを自分がやるってなった時に『これはまずいな。こんなに主演っていうものが重いものだとは…』と知らずにやっていました」と初主演への本音を語った。「でも皆さんがすごく温かくサポートしてくれて、僕はこのカンパニーですごく楽しくやっています!本当にありがたいです。スタッフの方も夜遅くまで僕たちを見てくれたこともありました。この環境を作り出してくれている全スタッフの方々に本当に心から感謝しています。本当にありがとうございます」と会場を見渡しながらしみじみと話した。一方の豊田も「私も(舞台出演の)お言葉をいただいた時は、 少年忍者の中から2人が選ばれて舞台に立つということで、3年前にも舞台をやらせていただいて、その時は、主演じゃなくて1歩手前の立場だったので。今回も、『あ、主演ではないんだ』っていう悔しい気持ちはやっぱりあった」と本音をコメント。「でも、主演じゃないながらも三蔵法師という立場でどう『西遊記』を盛り上げていくかっていうことを考えるように切り替えて、 『私はもう三蔵法師だ。悟空と一緒に旅をする三蔵法師だ。主演じゃなくたって私はこの舞台にいる一員なんだから頑張ってやろう』と切り替えて、練習にも励んでいきました」と稽古から同ゲネプロまでを振り返った。
さらに、自身の演じる役柄について「三蔵法師ってすごく難しい役割なので、三木(章雄)先生にも色々と指摘や『こういう風にしたらいいよ』と言われながら悩みに悩んで、やっとこの役を自分の中に身につけて今ここに立っている」と説明。「本番でも『豊田=三蔵法師』となれるようにこれからも突き進んでいきたいと思います」と力強く宣言した。すると、隣で豊田の話を聞き入っていた元木から「ちょっと気まずくなるからやめろよ~」と主演になれず悔しいと本音をこぼした豊田にツッコミが。しかし、元木がすぐさま「冗談だよ!」と茶目っ気たっぷりに笑い呼びかけると、豊田も元木につられるように笑顔を見せ、和やかな空気が会場を包んだ。
最後に、元木は「改めて何回も言いますけど、本当に皆さんがいなきゃできないステージになっております。これから来るお客さんもそうですし、こうやって皆さんが来ていただいてることもそうです。本当に誰1人欠けてはいけないと思っております」とコメント。会場を見渡したり、少し目線を上に上げたりしながら、今ステージに立ち活動ができていること、作品を届けられていることを噛みしめているかのような少しの静寂な時間が流れた後、再び口を開き「今、ステージに立てていることを僕たち全員、本当に誇りに思っております。本当に感謝しております。改めて、本日はお越しいただきありがとうございました」と挨拶し、最後には豊田とともに無邪気な笑顔も見せ、カーテンコールを締めくくった。
少年忍者・元木湧&豊田陸人ら、多彩なパフォーマンスで魅了
本作が上演されるクラブeXは円形ステージとなっており、そのステージを囲むように360°に客席を配置。4ピースのバンドによる生演奏が行われるなど、観客は近い距離で出演者の息遣いを感じるお芝居と重厚な音楽を堪能することができる。さらに、終盤には出演者と一緒になって振り付けを踊ったり、掛け声を言う楽曲の披露があり、同劇場ならではの一体感が生まれる。2020年に上演されたHey! Say! JUMP薮宏太が主演を務めたミュージカル『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』で本格的にミュージカルに初挑戦した元木。グループの最年長としてメンバーを引っ張りながら、常に天真爛漫で場を和ませるセンスに長けている。一方で、パフォーマンス時には別人級のダンスと豊かな表現力で多くのファンを魅了。自身でも作詞を手掛け、ライブなどでも多数披露しているラップにも定評があり、本作でもそのダンスとラップスキルが存分に生かされる場面が多く見られた。ステージに1人で立ち、しっとりとしたスローテンポの楽曲では儚い表情を見せながら歌い上げ、大人な雰囲気漂う楽曲では女性キャストとともに妖艶な表情を見せるなど、楽曲によって表情や踊り方だけではなく、オーラまでも変化させているように感じさせる表現力で圧倒した。
また、ジュニアとして多くの経験を積み、グループ活動時も安定したパフォーマンスを見せる豊田。21人で構成された少年忍者の中でも一際落ち着いた優しい雰囲気の持ち主で、本作ではそのキャラクターを存分に発揮し、物語に温かみを与えている。加えて、伸びやかな歌声とキレのあるダンスも披露。これまでに見たことのないような新鮮で堂々とした姿をステージ上で精一杯表現している劇中で2人が出会い、ともに天竺を目指していく展開では2人のハーモニーが美しく響くデュエットや見事なシンクロを見せるダンスも披露。グループでの活動時では見られない2人の化学反応が新鮮で楽しめるのもの本作の見どころの1つとなっている。
さらに、元木、豊田を取り巻く登場人物を演じる伶美、留依、舞城、村上、高汐ら女優陣もステージ上で個性豊かに輝く。時に華やかに色っぽくステージに彩りを与えた。
円形で客席との近さを利用し、キャストが客席へ降りて、観客とともにステージを盛り上げる演出も。キャストと観客が一体となって作り上げられていくゆえに、劇場に足を運ぶからこその没入感を味わうことができるのもの本作の醍醐味。少し季節を先取りしたスペシャルなショーを体感することもでき、終演時にはキャストの達成感に満ち溢れた弾ける笑顔と明るい音楽から多幸感や希望に溢れた雰囲気に包まれていた。
元木湧主演「SEVENー西遊記7つの戦いー」
中国・明代の長編小説で世界三大奇書にも数えられている「西遊記」。孫悟空、三蔵法師たちが幾多の苦難を乗り越え、天竺へ取経を目指す物語をミュージカル・ショーとして描く。演出は、数々の宝塚歌劇団の作品を手掛け、2014年に「宝塚歌劇の殿堂」入りをした三木章雄氏。劇中では、4ピースのバンドによる生演奏もあり、ショーに奥行と彩りを加える。主人公の孫悟空役をミュージカル単独初主演となる元木が担当。そして、三蔵法師(玄奘)役を、豊田が演じる。また、天界の水軍の指揮官であるが白馬を食べて白馬にされた龍の玉龍役に宝塚OGの伶美、そして、孫悟空たちの前に立ち塞がる魔物たちを個性豊かな宝塚OGの3人、留依、舞城、村上が扮する。さらに、元宝塚トップスターの高汐が釈迦如来役として登場し、7人により華やかなステージが披露される。
2022年は三木氏が同じく演出、7 侍 MENの中村嶺亜が主演を務め、外部舞台初出演を果たした少年忍者の黒田光輝が出演したミュージカル・ショー「SEVEN―シンドバッド7つの航海―」が上演されていた。(modelpress編集部)
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