岡本圭人 (C)モデルプレス

岡本圭人、役作りで5日間日本横断の旅 父・岡本健一出演舞台の楽屋エピソードも明かす<4000マイルズ~旅立ちの時~>

2022.11.08 04:00

俳優の岡本圭人が7日、都内で行われた舞台「4000マイルズ〜旅立ちの時〜」(12月12日より日比谷・シアタークリエにて上演)の製作発表記者会見に、共演の森川葵、瀬戸さおり、高畑淳子とともに出席。役作りや稽古について明かした。

  

岡本圭人、稽古開始1週間で刺激

本作は、2011年にオフ・ブロードウェイにて世界初演、2012年にオビー賞のベスト・ニュー・アメリカンプレイを受賞、2013年にピューリッツアー賞の最終候補となり、以降、世界各地で上演されてきた珠玉のヒューマンドラマで、本邦初演となる今回、岡本、森川、瀬戸、高畑が、シアタークリエで4度目の演出となる上村聡史氏とともに挑む。

(左から)瀬戸さおり、高畑淳子、岡本圭人、森川葵 (C)モデルプレス
岡本は、休学中の大学生で、自転車でアメリカ大陸横断の旅に出て、その最終地点であるニューヨークを訪れる主人公のレオ役を演じる。

稽古開始から1週間ほど経ったそうで、稽古の手応えと本作の魅力を尋ねられると、岡本は「上村聡史さんは僕が尊敬している演出家の1人でもあったので、稽古の毎日というのが刺激的で、素晴らしい共演者のみなさんと一緒に、このハートフルで温かい物語を作り上げるというのが、こんなに自分にとって刺激的なんだなというか、楽しいんだなと毎日思いながら稽古している最中です」と吐露。

高畑淳子 (C)モデルプレス
「レオは心にちょっとした傷を持っていて、その傷が(高畑演じる)ヴェラおばあちゃんとお話ししていくうちに、少しずつ癒されていって修復していき、次の人生の旅路に進むという過程を見せられるように、一生懸命稽古をしています」と語った。

森川葵、稽古で実感したことに高畑淳子ツッコミ

森川葵 (C)モデルプレス
同じ質問に、レオのガールフレンドでセントポールから単身ニューヨークの大学に編入し高い志を持っているベック役を演じる森川は「台本を読んでいたときは、文字を読んでいるだけなのでキャラクターが立体的になってこなかったんですけど、ここ最近、本読みをしながらみなさんとやっていると、“こういうキャラクターだったんだ”って見えてくるところが多くて、文字だけで読んでいると(高畑演じる)おばあちゃんは大変だなって思っていたんですけど、高畑さんが演じられているヴェラはすごくチャーミングな部分もあるなって見えてきたりして、みんなで一緒にやっているとどんどん見えてくるなあと感じながら、毎日稽古をしています」と目を輝かせる。

森川葵 (C)モデルプレス
「人の喪失と、また人と繋がっていくということが両方描かれている作品なので、そこがしっかりみなさんに伝わると素敵なものになるのかなと。そこが魅力になっていくのかなと思いながら、まだ自分ではっきりとわからない部分もあるなあと思いながら、毎日稽古をしています」と明かした。

森川葵 (C)モデルプレス
加えて、演出家の村上氏の印象を聞かれた森川は「私は舞台をそんなにやっていないので、舞台っていろんな読み方ができるじゃないですか。それが私はどう読んでいいかわからなくて、アホな質問とかめっちゃするんですけど、舞台って独特の雰囲気があって、質問したら『自分で考えろ!』みたいな雰囲気を勝手に感じていたんですよ(笑)。でも、上村さんは、質問してみたらすごく優しく返してくれるので、自分で上手く考えられない私からすると、すごくありがたいというか、こういう雰囲気でよかったって思いながら毎日やっています」とにっこり。

高畑淳子 (C)モデルプレス
これに高畑は「前の演出家は誰だったんですか?」とツッコんで笑いを誘った。

岡本圭人、役作りで日本横断の旅

また、レオは4000マイル(=6400km)もの距離を自転車で旅したという設定にちなみ、岡本自身も役作りのために新潟のほうから千葉まで約400kmの距離を自転車で旅したことを明かし「まず6400kmを自転車で横断するというのがどういう気持ちなんだろうとか、何を考えていたんだろうというのが自分の中ですごく気になり、僕もスケジュールを見たら5日間くらい空いていたので、自分もレオっぽいことをしたいなと思い、日本横断の旅を自転車で頑張ってみました」と告白。

岡本圭人 (C)モデルプレス
「約1日100kmでだいたい4日間かかったんですけど、乗っている最中に“もしかしたらレオはこういうことを考えていたのか”とか、“ベックと話したいことってこういうことだったのかな”とか、“ヴェラおばちゃんに会ったらどういう表情をするんだろうな”ということを考えながら旅をしていると、少しずつレオの気持ちがわかったような気がしました。今も稽古中なので本を読みながら、上村さんに導いていただきながら、キャストのみなさんと話し合いながら作っている状態なんですけど、今後、レオがどうなっていくか、舞台に立ったときにレオという人物がどうみなさまに映るのか、そういうものを楽しみにこれからも稽古をしていきたいと思います」と胸を躍らせた。

森川葵、イタリア1人旅の思い出明かす

作品の内容にちなみ、自身にとって思い出深い旅を聞かれると、岡本は400kmの自転車の旅を挙げ「自分が1番びっくりしたんですよね。“こんなことできるんだ、自分”って。でも今考えてみると大変でしたね。トンネルってこんなに怖いんだとか、山を自転車で登るってこんなに漕がないと、途中で休まないといけないんだとか、“うわっ!たぬきがいる”とか、そういったことを感じられたりして、山や森のエリアからだんだんと都会に近づいていく感覚は、レオの西海岸から東海岸に行く感覚と似ているんじゃないかなという風に思いました」としみじみと語り、「4日目に荒川を通ってスカイツリーが見えた瞬間に“都会だ…”ってすごく安心しちゃいました」とコメント。

森川葵 (C)モデルプレス
森川は「数年前に1人でイタリアに行ったんですけど、荷物とかを特に持たないでリュックだけ背負って10日間くらい行ったんですけど、そのときに1人で行ったのに1人じゃない感覚を鮮明に覚えていて、向こうの人って声をかけてくれるじゃないですか。そういう人と教会を見て回ったり、声をかけてくれた人のお家でご飯を食べさせてもらったり、新幹線みたいなものがあるんですけど、その中で出会った女の子が日本のアニメが好きで、私もアニメが好きなのでそういう話をしてイタリア語を教えてもらったりした旅が1番記憶に残っています」と回顧した。

岡本圭人、高畑淳子との交流

高畑淳子 (C)モデルプレス
さらに、岡本は幼少の頃、父である岡本健一の舞台について行き、楽屋で遊んでいたそうで、そこで高畑と遊んでもらっていたことを明かし「そのときの写真を持ってきたんです」と森光子さん自身が写る写真を取り出し「僕は毎回、舞台に立つ前にこれに手を合わせているんですけど、(高畑は)これくらいの歳のときから知っているおばあちゃんという感覚なので、すごく親近感というか、他の女優さんとこの役を演じていたらまたちょっと違うんだろうなって。高畑さんがこれくらいのときの僕を知っているという思いが、すごく安心します」と語ると、高畑は「すごく暴れん坊でした」と懐かしんだ。

高畑淳子 (C)モデルプレス
そんな大きくなった岡本について、高畑は「いろんな役者さんがいらっしゃいますけど、圭人くんの作品に近づこうという姿勢はすごいんです。新潟から自転車を漕いだというのもそうですけど、『カボチャを持ってきたよ』というセリフがあるんですけど、読み合わせのときにカボチャを出してきて、何もてらわずに役に近づくんだという姿勢がすごいんです」と絶賛し、「ノートみたいなものがあって、全部台本を字で書いているんですよ。もう…そんな役者さん見たことないですよね。何をしてでも近づいてやるという気構えに頭が下がっちゃいますね」と感嘆した。

これに岡本は「自分のノートに台本を書き直すというのは、確か僕が子どものときに森光子さんがやっていらしたものだったり、僕が物や衣装を買ったりするのは、レオはこういう服を着ていたんだろうな、こういうことを考えていたんだろうなっていうのは、アメリカの演劇留学時代に先生から教えてもらった引き出しなのかな。そういったものをいろいろ使いながら、役へのアプローチをしています」と明かし、「そんな風に高畑さんに言ってもらえるのは嬉しいです」と笑顔を見せた。(modelpress編集部)

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