生田斗真(提供写真)

生田斗真、全編関西弁の音楽劇に初挑戦 名作「三文オペラ」を鄭義信がアレンジ<てなもんや三文オペラ>

2022.02.25 04:00

俳優の生田斗真が、6月8日~30日にPARCO劇場ほかにて上演される、作・演出・鄭義信のパルコ・プロデュース2022『てなもんや三文オペラ』で主演を務めることが決定した。

  

鄭義信、独自の世界観でブレヒトの名作音楽劇に斬り込む

2017年上演のパルコ・プロデュース『すべての四月のために』では戦後の朝鮮の小島の人々を描き、感動を呼び起こした鄭義信。近作では、在日をルーツとする世界観と関西圏のユーモアが相まって、シェイクスピア作品に新たな解釈を打ち出し、古典との相性の良さを証明した『泣くロミオと怒るジュリエット』(2020)で好評を博した。

本作の原作となる『三文オペラ』は、1928年劇作家のベルトルト・ブレヒトにより上演された、差別と貧困・資本主義社会を痛烈に風刺した音楽劇の名作。物語は、一見矛盾に満ちたデタラメでアベコベな世界。けれどもそれは、なにより金がモノを言う現代の本質を捉えている。これまでも様々な演出家・キャストによって上演されてきた『三文オペラ』だが、鄭が選んだ今作の設定は、1950年代の大阪。

原作の舞台・ロンドンの貧民街は、今回は第二次世界大戦で破壊された大阪砲兵工廠(現在の大阪城公園・森ノ宮地域にあった大規模な兵器工場)の跡地に置き換えられる。その名も『てなもんや三文オペラ』。「戦後」をかけぬける、アウトローたちのパワーと、「生きる」ことへの貪欲さ。「戦争」を背負いながらも、たくましく生き抜いてきた当時の人間模様を重ね合わせる。より生々しく、ヒリヒリとした人物像を浮き彫りにする鄭義信版の『てなもんや三文オペラ』で、ブレヒトの名作音楽劇がどう料理されるのか期待だ。

生田斗真、鄭義信と待望の初タッグ実現

主演を務めるのは、コンスタントに舞台出演を続けながら、ドラマ、映画と多くの映像作品でも活躍し、近年は歌舞伎にも挑戦するなど、今もなお活躍の幅を広げ続ける生田。本作の主人公で盗賊団のボス、マック(通称:マック・ザ・ナイフ)を演じる。

演出の鄭と主演の生田は今回が初顔合わせ。大胆な翻案・アレンジを試みる鄭義信演出に、硬軟様々な役柄に挑戦し続ける生田がどんな演技で応えるか。その化学反応にも注目が集まる。

生田斗真、全編関西弁での音楽劇に初挑戦

タイトル『てなもんや三文オペラ』が表すように、今回の舞台は大阪。登場人物は、全員・全編・関西弁での演技になる予定。鄭の世界観にどっぷりハマった関西弁の生田。豪快かつどこか繊細なボス役として、関西弁を操る生田の新たな一面を、客席から生で観られるのも、本作ならではの醍醐味となる。

なお、その他の出演者は後日改めて発表。6月8日~30日のPARCO劇場のほか、7月4日~5日に東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)、7月9日~11日に久留米シティプラザ ザ・グランドホール、7月16日~24日に森ノ宮ピロティホール、7月30日~31日に新潟テルサ、8月6日~7日にサントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホールにて上演。(modelpress編集部)

作・演出:鄭義信コメント

「三文オペラ」は乱暴に言うと、盗賊と乞食と娼婦の世界の話です。原作をあらためて読み返すと、思った以上に、猥雑で、下ネタも満載……それでも、当時、この作品が大受けしたのは、時代のなせる業もあったでしょうが、登場人物たちの「どっこい生きてる」的なたくましさに、観客は大いに拍手したのではないでしょうか。

今回、一九五〇年代の大阪造兵廠を舞台に選んだのは、当時のアパッチ族と呼ばれた人々の生きざまが、「三文オペラ」の登場人物たちとだぶって見えたからです。彼らを舞台にあげることで、どこまで猥雑で、どこまで生きることの活力にあふれた人たちを描けるかどうかはわかりませんが、コロナですっかり活力を失った生活の、ささやかな精力剤になれればと、思っています。

生田斗真さんとのタッグを組むのは、今回、初めてです。もの静かな中にも、燃えるような闘志を感じさせる彼と、ひと癖もふた癖もある共演者たちが、どんな化学反応を起こすのか、今から楽しみにしています。

生田斗真コメント

憧れのPARCO劇場で一カ月お芝居をさせていただける事、大変光栄です。東京の若者文化のど真ん中・渋谷に面白い芝居を上演している劇場が存在する事は、とても大切な事だと思っています。生田初パルコ。気合十分です。そして仙台、福岡、大阪、新潟、長野と今回初めて舞台に立つ場所もあり、今からワクワクしています。

台本を拝見したら、戦後の大阪に舞台が置き換えられていて、セリフがすべて関西弁でした。関西弁での演技は、ドラマ・映画も含めて、今回が初挑戦になります。そして、三文オペラは音楽劇ですので、歌唱シーンも沢山登場しますし、沢山稽古して、楽しい舞台になればと思っております。

先日初めてお会いした演出の鄭義信さんは「あれ!?意外とオジサンなんだ!」という第一印象でした(笑)。これまで拝見した作品から伝わる熱量で勝手に“若者”をイメージしていたので、衝撃でした(笑)。そんな鄭さんも「必ず面白くします!」と仰っていましたし、僕自身も非常に楽しみにしております。これまでにも多くの方が演じてきた名作「三文オペラ」を、鄭義信さん流にアレンジした『てなもんや三文オペラ』ご期待ください!

STORY

1956年(昭和31年)、秋、早朝。猫間川沿いの川岸には、トタン屋根のバラックが肩寄せあっている。その目と鼻の先、川向うに、「大阪砲兵工廠」跡地が見える。かつて、そこはアジア最大の軍事工場だったが、アメリカ軍の空爆で、廃墟と化した。

数年前に勃発した朝鮮戦争の「朝鮮特需」で、鉄の値段がはねあがると、「大阪砲兵工廠」跡地に眠る莫大な屑鉄をねらって、有象無象の人々がつぎつぎと集まってきた。彼らは、いくら危険だろうが、いくら立ち入り禁止の国家財産だろうが、おかまいなし。目の前のお宝を、指をくわえて見ている阿呆はいない。夜な夜な、猫間川を越え、環状線の鉄橋を越え、時に、弁天橋の警備員詰所を正面突破して、屑鉄を掘り起こした。そんな彼らを、世間の人たちは「アパッチ族」と呼び、彼らの住む場所を「アパッチ部落」と呼んだ―――。

「アパッチ族」の親分・マック(通称:マック・ザ・ナイフ)は、屑鉄のみならず、さまざまなものを盗んで盗賊団を組織していた。マックのことをよく思わない「乞食の友商事」の社長ピーチャムと妻のシーリアは、警視総監タイガー・ブラウンを脅し、なんとかマックを逮捕させようとするが……。
【Not Sponsored 記事】

もっと詳しくみる

あわせて読みたい

  1. 生田斗真「後輩と娘が共演」なにわ男子・長尾謙杜&山田杏奈出演「HOMESTAY」を紹介

    モデルプレス

  2. 生田斗真、SixTONES京本大我との“デート”報告 仲良し2ショットも公開

    モデルプレス

  3. HiHi Jets、生田斗真の“HiHi Jets所属”に言及「超嬉しい」

    モデルプレス

  4. 生田斗真「2021FNS歌謡祭」関ジャニ∞コラボでのハプニング明かす<土竜の唄 FINAL>

    モデルプレス

  5. 生田斗真、関ジャニ∞と“歌って踊る”「違和感ない」「グッと来る」とファン感激<2021FNS歌謡祭>

    モデルプレス

  6. 生田斗真、2021年クリスマスも“HiHi Jets”「ローラースケートが欲しいです」

    モデルプレス

おすすめ特集

  1. 【エントリー受付中】モデルプレスの読者モデルを募集

    特集

  2. 11月カバーモデルはドラマ&映画『【推しの子】』齋藤飛鳥

    特集

  3. アパレル業界を覗いてみよう!おしゃれスタッフ&求人情報もチェック

    特集

  4. 「2024年ヒット予測」発表 エンタメ・ライフスタイルなどトレンド完全予測

    特集

  5. フジテレビ × モデルプレス Presents「"素"っぴんランキング」

    特集

  6. グルメや歴史、豊かな自然に包まれる癒しの旅「鳥取女子旅」をご紹介!

    特集

  7. インフルエンサー影響力ランキングを発表!「モデルプレスカウントダウン」

    特集

  8. モデルプレス読者モデル 新メンバー加入!

    特集

  9. 国民的推しランキング!各種エンタメにまつわる読者ランキング、読者アンケート実施中

    特集

  10. モデルプレス独自取材!著名人が語る「夢を叶える秘訣」

    特集

おすすめ記事

SPECIAL NEWS

記事ランキング

RANKING

  1. 01

    大谷翔平選手、真美子夫人&驚き顔の愛犬・デコピン公開「こっちまで幸せ」の声

    モデルプレス

  2. 02

    嵐・櫻井翔、EXILE HIRO×三代目JSBメンバーらと食事へ OMIの“モザイク”集合ショット公開が話題「すごい世界線」「オーラ隠しきれてない」

    モデルプレス

  3. 03

    白洲迅の妻・竹内渉、息子との2ショットに反響「笑顔そっくり」「可愛い」

    モデルプレス

  4. 04

    甲斐拓也が巨人に移籍したら人的補償は? 伊東勤氏が分析 「給料の高い選手を外したり…」

    Sirabee

  5. 05

    日テレ郡司恭子アナ、ミニ丈×ロングブーツで美脚チラリ「大人可愛くて素敵」「スタイル良い」の声

    モデルプレス