<田中圭&中村倫也「不協和音」現場取材>「安心安全の圭さん」「これだよな中村倫也」“兄弟役”共演で絶大な信頼
2020.02.18 08:00
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俳優の田中圭と中村倫也が共演するテレビ朝日系ドラマ『不協和音 炎の刑事 VS 氷の検事』(3月15日よる9時~)。モデルプレスでは、昨年9月に行われた撮影現場にて取材を実施した。
田中圭&中村倫也「不協和音 炎の刑事 VS 氷の検事」
今作は、第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞して作家デビューした社会派ミステリの新旗手・大門剛明氏の人気小説『不協和音』を初ドラマ化。数々の事件が絡み合う極上ミステリと、複雑な人間模様が交錯する『不協和音』の主要人物に、田中と中村が命を吹き込む。愚直なまでにまっすぐに事件と向き合う熱血刑事の兄・川上祐介(田中)、時に冷徹とも思える冷静沈着さで事件と向き合う東大卒エリート検事の弟・唐沢真佐人(中村)。刑事だった父が自白強要で冤罪を生んだことが引き金となり、幼くして生き別れた兄弟が奇しくも難事件の捜査で再会し、譲れない信念をぶつけ合いながら真相を解明していく。
祐介と真佐人が初めて一緒に担当する殺人事件で、被疑者の側に立つ弁護士・宇都宮実桜を趣里、同事件で被疑者から自白を引き出す警視庁捜査一課の警部補・小寺順平を杉本哲太、祐介が尊敬する月島東署佃川交番の巡査長・加藤博行を生瀬勝久が演じる。ほか、相島一之、岡部たかし、川島潤哉、板倉チヒロ、古河耕史、笠松将、小野寺晃良、木下ほうか、多岐川裕美らが出演。
田中圭&中村倫也、初の濃密共演で“兄弟役”
― 台本を読んで受けた印象をお伺いできますでしょうか。田中:単発ものとして読んで、僕はワクワクできる本だなぁと思いましたし、ともちん(中村)ともニアミスというか、作品が一緒というのはあるんですけどがっつり絡んだことがなかったので、共演するのをすごく楽しみにしていました。
中村:兄弟ものの作品をあまりやってこなかったんですが、僕自身男兄弟だったりして、家族や兄弟がすごく好きなんですよね。今回、熱血刑事と知的エリート検事で、弟のほうが捜査の立場上は上にいるという、2人の織りなす“不協和音”が、関係性としてもおもしろいですし、作品としてもとても魅力的で、楽しみながら読ませていただきました。
― 濃密に共演されるのは初めてとのことですが、改めて実際に共演してみてのご感想をお聞かせください。
田中:楽しいですね!全部で10日くらいしか撮影期間がなくて、6日目くらいでようやく(中村が)来て、素直に「いや、遅ぇーよ!ようやく来たな」っていうのは思いました(笑)。
中村:あははは(笑)。社長出勤でした。
田中:これから兄弟での感情的なシーンの撮影があるので、素直に楽しみですし、やっぱりお芝居している時に流れるものが楽しいなというのはあります。このまま撮影に来ないんじゃないかと思っていたので、本当に良かったです(笑)。
中村:僕の今回の役が唐沢真佐人という役なんですけど、なんというか歪なヤツで、極度のブラコン故にこじらせまくっているところがあって、一筋縄ではいかないんです。なのでそういう自分のキャラクターの言動を芝居でやっていく上で、本当に圭さんは“安心安全の圭さん”なので!相手役の方や共演者など、どこの誰に聞いても「圭くんが居たら安心だ」みたいな先輩なので、今回も大いに胸を借りて、エッジの効いた役を演じたいなと思いました。
― 共演して感じたお互いの意外な一面や新たな発見はありましたか?
田中&中村:(少しの沈黙の後、同じタイミングでシンクロして右に傾く)
中村:…ない(笑)。
田中:うん。意外じゃない。「意外じゃない」って言ったら変なんだけど(笑)、もちろん作品を見てるし、自分たちが一緒に出てる作品では絡んでないけど見たりしているから、情報がないわけではなく、なんとなくお互いのお芝居の色やアプローチがわかっているんですよね。まだ撮影に入って3日くらいなので「あ、そんな一面あったの!?」とかそういうことはないんですけど、「あ~これだよな、中村倫也!」「こいつの持ち味出た~!」みたいにシビれる感覚はあります。勝手にシビれてる。
中村:そんなふうに思ってるの?(笑)
田中:あります、あります。全然あります。僕もちょっと台本と違ったニュアンスを出しても、全部対応してくれるんでそれは素直に嬉しいです。それができる相手というのは、安心安定です。
中村:(笑)。僕も圭くんがおっしゃっていたように「意外」というのはないですけど、同じように現場で経験値や感性を共有できていたりすると、台本にあることないこと関係なく飛んできた矢印を逸らすも返すも曲げるも自在、みたいなチームワークを感じることがあります。これから兄弟喧嘩みたいなシーンを撮影するんですが、僕は法律用語が多すぎてちょっとてんやわんやなんですけど、というか全体的に今回はてんやわんやしているんですけど(笑)、そのシーンが楽しみですね。
― 兄弟感をどのようにして意識していますか?
田中:意識してる?
中村:いや、してない。
田中:俺もしてない。
中村:21年ぶりに再会した兄弟なんです。片鱗として見え隠れしたらおもしろいかなと、僕が漠然と抱いているシーンはあるんですけど、99混ざってないのに、1ものすごく合ってるみたいなところがおもしろい兄弟関係な気がしているので、兄弟感は意識していないですね。でも視聴者の方は兄弟に見えると思ってくださるかもしれないので、そこは自由に楽しんで見てもらえたらなと思います。
田中:それぞれが台本に対してのアプローチで演じているので、変に意識しないほうがいいかなと思っています。年月に隠れている兄弟ならではの絆はきっと演じていれば勝手に出るんだろうな、と思っているので、特に意識して兄弟感を出そうとはしていないですね。
中村:原作や脚本の段階でもうそれぞれが長男、次男、という感じがありますよね。そこがすでに描かれているので、意識せずともそうなるだろうなと思っています。
― お二人がもし兄弟だったら、どんな兄弟になりそうですか?
中村:それはやっぱり、ひとりの女を巡って…
田中:兄弟で!?(笑)
中村:「兄貴、俺譲れねぇから」って言って最終回を迎える。そして最終的にみんな死んじゃう、みたいな。
田中:壮大だね!?
中村:あははは(笑)。次の作品で!
田中:本当に倫也は普段からこういう感じだから、わかるんだけどあんまり掴みどころないな、っていう感じのままな気がします。僕若干、緊張しますからね。
中村:嘘だぁ~。
田中:いや、本当に。若干ね。あんまりズケズケ行っちゃいけないのかな?とか。結構ポーカーフェイス感強いじゃん。だからそこにまんまとやられてるところはある。
中村:いやいやいやいや…(笑)。
田中:プライベートで一緒にお酒を飲んだりとかはなくて、基本仕事場で会う倫也しか見ていないので、難しいですよね。そんな違わないんだろうな、って思うと、逆に普段もそうなのかな?とか、どこまでこいつはハッピーなんだ?とか。
中村:ハッピー(笑)。
田中:そういうのも考え出しちゃうと…。結構気にしいだから。
中村:そうなんだ。じゃあ来週、(横浜)流星と飲みに行きましょう(笑)。
田中:行こっか(笑)。
“田中圭が短髪にした理由”とは
― ドラマのサブタイトルに“炎の刑事 VS 氷の検事”とありますが、お互いに感じる炎の部分と氷の部分はありますか?田中:ポーカーフェイスですよ。
中村:ふふふ(笑)。俺昔から「わかりづらい」って言われるんですよね。でも圭くん自体に炎な印象はそんなに持ってなかったんですけど、最近演じている役はわりと直球な人物が多い印象はありますね。でも逆に言うと、直球な役をやれる30代の俳優ってあんまりいないなって、今回改めて感じたことでもありました。
田中:そうなんですよね。刑事役となると、熱血というよりはどちらかと言うとインテリのほうとか、氷のほうのイメージがあって、今回は確かに「え?俺こっち?」みたいな思いがあったのは事実なんですよ。最近一直線というか素直というかバカというか(笑)、そういう役が多かったからかな、と思いつつも、そこのイメージ自体を自分で払拭できなくて、それで髪を切ったというのもあるんです。髪型だけでもせめて炎の髪型にしておこうかな、みたいな。
中村:メイクさんが心配してましたよ。「切ってくれたのは嬉しいけど、次大丈夫かな?」って。
田中:それはね、俺も言われた(笑)。でも何も相談せずに行っちゃったから。
中村:炎だわ~。(遠い目)
田中:相談したら絶対長さをうるさく言われたりするから、もう事務所にも言わないで切っちゃった。
中村:確かに、それこそ10代、20代前半の圭くんって、誠実でおとなしい人を演じている印象が強かったけど、今は違いますね。
田中:ね。気弱とかさ。なんでだろうね?誠実でおとなしいんだけどね。
(シーン)
中村:(笑)。
田中:いやいや、すげぇ変な空気になった!(笑)びっくりした。
中村:みんなが一斉におとなしくなりました(笑)。
田中:びっくりした。
― ご自身と演じるキャラクターが似ている部分や共通している部分はありますか?
田中:俺は自分自身が人に接する時とかも駆け引きとかしないんで、そういう役が最近多いのはちょっと助かってはいますね。でも普段は熱くはないし、基本身内以外は全員敵だと思ってるんで。
中村:何があったんだ(笑)。
田中:いや、すぐ人を信じちゃうというか、すぐ自分をさらけ出しちゃう。昔とかそれでよく失敗してたんだけど、会ってすぐ騙されるわけよ。大事な自分の情報とかペラペラ喋っちゃうわけ。本当に自分をさらけ出しちゃうから。それですごい裏切りとかあった時に、「人を信じちゃいけないんだ」って思うけど、信じやすいのよ。だから身内になるまで敵だと思って生きてる。
中村:フェンスを作ったわけですね。
田中:一応作ってる。なので駆け引きできないところの感覚はわかる。そのくらいですかね。
中村:僕そもそも真佐人はドMな気がしてるんですよね。淡々としてたり、自分のカードを見せずに相手にカードを出させるみたいなことは、職業柄なのかはわからないですけどそういうシーンが多いので、似てるというよりは楽しいなと思いながら演じています。あとはポーカーフェイスだったり、実は甘えん坊だったり…、そういうわかりづらいところは自分と似てるかもしれないですね。
田中:ポーカーフェイスや。
中村:ポーカーフェイス。レディー・ガガ。ここは太字で書いておいてください。
田中:いや、おかしいだろそこは(笑)。「レディー・ガガ」太字はおかしいだろ(笑)。
中村:急に(笑)。血迷ったと思われちゃう。
田中圭&中村倫也は“和音”?「何か良い匂いがするぞ」
― タイトルこそ「不協和音」ですが、お二人の関係性を見ているとどちらかと言うと「和音」のような印象を受けます。この二人だからこそ表現できる部分や、この二人で良かったなと強く感じる部分があれば教えてください。田中:作品を見るまではわからないとは思うんですけど、それはあると思っています。それがどこだと言われるとちょっとわからないですし、具体的なわけではないですけど、やっぱり作品をやる上で相性というものは絶対的にあって、俺と倫也の相性が良い・悪いとかではなくて、お互いがこの作品で生きている役をやる上では、良いんじゃないかなと思っています。良い意味で自分にプレッシャーになっているし、作品を見るのが楽しみです。
中村:僕も同じですね。「何か良い匂いがするぞ」という感じがあります。でもその匂いが何なのかはわからないですし、言葉にできないというか、言葉にできるより実はもっと深いところで感知していることなのかもしれないです。
田中:タイミングもあると思うんですよね。今までずっと何度共演してもおかしくないくらいお互いにキャリアがあって、似たようなことをやってきていて、今回初めて兄弟役でがっつりやって。やってみてどうなるかはわからないですけど、きっとそのタイミングは今だったんだろうなという感覚はあります。
― 俳優としてお互いに魅力を感じるところはどういったところですか?また、最後に作品の魅力や見どころを改めてお願いします。
田中&中村:………。
中村:ないみたいです。
田中:いやいや、さっき言った気がするなぁと思って(笑)。でもどこまで言葉にしていいかわからないですけど、ぶつけられる相手とそうじゃない相手がいるし、逆に自分が相手のお芝居を拾うことに徹しなきゃいけない時もある。だけどそういうことを考えなくていい相手。俳優・中村倫也の存在が大きくて、感情的なシーンとかでは、さらに人間・中村倫也が出てくると思うので、そこも楽しみというのがあるし、役の魅力で言うとポーカーフェイスなので「あぁぁあ~あぁ~!出たな」みたいな感じにはなると思います。
中村:あっはっはっは(笑)。今のちゃんと書いておいてください。「あぁぁあ~あぁ~!」。
田中:「出たな!」
中村:作品の魅力は大丈夫ですか?
田中:作品の魅力…見てないからな~!わからないんだよな~!(降参して手を挙げる)見てないからおもしろいって言えないじゃないですか。でもおもしろいと思うんですよ。
― 兄弟が軸になっているドラマは最近あまりなかった気がするのですが。
田中:そうですね。2時間の単発ドラマで言うと比較的若めの兄弟の話なので、話自体も見やすいし、事件が単純におもしろかったりもするので、いろいろな見方ができるおもしろいドラマになるんじゃないかなと思っています。やっぱりね、連ドラ化して、映画化するっていう。
中村:そりゃあもう。圭さんが言えば!
田中:単発はだいたいそうするっていう。
中村:テレ朝の株全部持ってるって聞いてますよ?
田中:あっはっはっはっは!(爆笑)誰だよっ!?
中村:土地も持ってるんだぞ?っていう。
田中:嘘!?あんのかな俺、土地…(耳に手をあて考える)
中村:あはははは(爆笑)。
田中:理想ですけどね、理想としては「この兄弟もっと見たい!」って最終的に思わせられたら勝ちかな、と思ってるんで。はい。
― 中村さんはいかがですか?
中村:えっと………。話そうと思ってたことを、テレ朝の株の話で全部忘れた。
田中:いや、変なこと言うからじゃん!?自分じゃん!(笑)
中村:あはははは(爆笑)。えっと。あ、クランクインした日に、台本の流れ上、兄弟の再会シーンを撮ったんですけど、シーンとしてはずっと自分の役がペースを握っていないといけないんですけど、行間というかなんというか、いろいろな矢印が飛び交って、攻守目まぐるしいような感覚があったんです。そういうのは圭さんみたいな先輩とやるから生まれるもので、「役者やってて楽しいな」って、その日は帰って家でニヤニヤするような瞬間が起こっていて、それはやっぱり圭さんだからそうなったと思いますし、そこに対しての楽しさがあります。
作品としては兄弟という設定に付随すると、それも匂いなんですけど、なんとなく女性がポッとして男性がカッとなれるような見込みです。わりと男が読んでいても「かっけぇじゃん」って思う瞬間があったりするので。先程おっしゃっていたように、事件自体がおもしろいのもあり、見どころはたくさんあると思います。なので後は編集にかかってるかな。僕の法律用語がスラスラ言えるように繋いでください(笑)。
(modelpress編集部)
「不協和音 炎の刑事 VS 氷の検事」あらすじ
30歳を過ぎて月島東署刑事課に配属された新米刑事・川上祐介(田中圭)は、妻殺しの被疑者と目される病院経営者・城崎知也(岡部たかし)を取り調べることに。勾留期限が迫る中、一緒に取り調べを担当した警視庁捜査一課の警部補・小寺順平(杉本哲太)がついに自白を取るが、担当弁護士の宇都宮実桜(趣里)は「大八木捜査法で自白させたのでは?」と、祐介に食ってかかる。実桜が口にした“大八木捜査法”とはほかでもない、刑事だった祐介の父・大八木宏邦(丸山智己)を揶揄する言葉。実は祐介がまだ小学生だった頃、大八木は自白強要で冤罪を生んだ刑事として、世間から糾弾されることに…。しかも、大八木は真相を語ることなく、突然この世を去り、祐介は母方の祖母に引き取られて姓を変えていたのだった――。やがて、城崎の事件は思わぬ転換期を迎える。担当検事が倒れた直後、城崎が起訴の決め手となる遺体遺棄現場を教えぬまま、黙秘に転じてしまったのだ。焦った祐介は必死に捜査を続行。だが努力もむなしく、城崎は不起訴になってしまう。しかも、その判断を下した後任検事の名前を聞いた祐介はがく然とする。検事の名は唐沢真佐人(中村倫也)――なんと祐介の父が亡くなった後、高等検察庁の元検事長・唐沢洋太郎の養子となり、生き別れになってしまった弟だった!
祐介はすぐさま真佐人のもとへ押しかけ、なぜ城崎を不起訴にしたのか追及する。だが、真佐人は弁解録取書を読んで取り調べに問題があると判断した、と冷たく一蹴。結局、“21年ぶりの再会”は物別れに終わる最悪なものになってしまい…!?しかし、真佐人には考えがあった。水面下で動いていた真佐人はやがて、城崎の事件に新たな一石を投じることに!そんな中、祐介は連続ボヤ事件との関連が疑われる、大企業の倉庫放火事件を捜査。社長・丸山与四郎(木下ほうか)の圧力を受けて、警察上層部も捜査に本腰を入れたことで、祐介と真佐人は再び同じ事件に向き合うことになる。真逆ともいえるやり方を貫き、時に対立しながらも、共に調べを進めていく祐介と真佐人。だが、事件の全貌は容易にあぶり出すことができないほど複雑で…!?
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