松坂桃李 (C)モデルプレス

松坂桃李の新境地 朝ドラ「わろてんか」から娼夫、童貞まで…多彩な振り幅で惹きつける

2018.03.31 08:30

俳優の松坂桃李が出演していたNHK連続テレビ小説『わろてんか』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)が31日、最終話を迎えた。『梅ちゃん先生』(2012年)に続いて朝ドラでのヒロインの夫役となり、国民的俳優として名を定着させた松坂。それぞれの作品で見せる演技力の高さに注目が集まっている。

  

松坂桃李、ダメ夫だが憎めない“藤吉”が愛される

葵わかな、松坂桃李 (C)モデルプレス
劇中で松坂は、優しく誠実だがちょっとダメな部分も持つてん(ヒロイン:葵わかな)の夫・北村藤吉を好演。

異常に強い好奇心・向上心から、てんの意見を聞かずに突っ走る奔放な部分もあったが、誰よりも素直でてんや笑いに対して一途な姿が憎めない存在に。お茶の間に愛され、物語中盤で脳卒中により亡くなった際には“藤吉ロス”が相次ぐ事態となった。


キュートすぎる松坂桃李に視聴者混乱?

松坂桃李 (C)モデルプレス
そんな好青年を演じた松坂だったが、『わろてんか』放送中に公開された映画などでは全く異なった姿を見せ、視聴者を混乱させることに。

映画『パディントン』(2016年)の続編『パディントン2』(2018年1月)では、前作に引き続き、紳士でおっちょこちょいなクマ・パディントンの日本語吹き替え版の声優を務めた。

誠実なキャラクターは「わろてんか」“藤吉”と通じるものがあるものの、松坂の容姿からは想像出来ないようなキュートすぎるアテレコでファンを驚かせていた。


松坂桃李、初の“ダークヒーロー”で新境地

松坂桃李 (C)モデルプレス
漫画原作の実写映画『不能犯』(2018年2月)では、絶対に立証不可能な方法でターゲットを殺す主人公・宇相吹正を熱演。原作で描かれる宇相吹のトレードマークともいえる「ニタァ」という不気味な微笑みも完全に再現し、異質な存在を放つ殺し屋を演じた。

同作で松坂自身初の役柄となった“ダークヒーロー”。誠実、キュートなどの爽やかなイメージからかけ離れた役柄となったが、狂気的でありながらも、うっとりするような美しさに引き込まれた人も多いだろう。正反対のキャラクターで新境地を見せた松坂に、魅了された人が続出した瞬間だった。

松坂桃李、センセーショナルな衝撃作で話題を席巻

映画『娼年』完成披露舞台挨拶(C)モデルプレス
そんな松坂が飛躍を遂げる中、さらにファンに衝撃を与えたのは性の極限を描いたセンセーショナルな映画『娼年』(2018年4月6日公開)。

同作は、2016年に松坂主演で舞台化された作品の映像化。松坂演じる娼夫・リョウが様々な女性たちと体を重ね、その欲望や心の傷に向き合うことで自身も成長していく姿を描く。本編の半分以上を占めるセックスシーンによって、R18+のレイティングがついた。

松坂桃李 (C)モデルプレス
予告映像が解禁されると、艶めかしい所作やリアルすぎる描写の衝撃映像で一気に話題を席巻。体当たりの演技に挑んだ松坂は、完成披露舞台挨拶などで「本当にただキツかったですね」と過酷な撮影に本音をこぼすほどだった。

松坂桃李、1日半で“童貞”から“娼夫”へチェンジ

松坂桃李 (C)モデルプレス
さらに『娼年』の撮影は、ドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系/2016年)のスペシャルドラマ『ゆとりですがなにか純米吟醸純情編』(同局系/2017年)のクランクアップ後、わずか1日半後に開始したという。

『ゆとりですがなにか』シリーズで松坂は童貞の小学校教師・山路一豊役を演じていたが、その対極にある娼夫という役柄にたった1日半でシフトチェンジしていたことになる。

多彩な役に挑戦 進化し続ける松坂桃李

松坂桃李 (C)モデルプレス
『わろてんか』が放送されていた約半年の期間中にもこれだけの多彩な役を披露し、振り幅の広い俳優として進化し続ける松坂。モデルプレスのインタビューでは「イメージに関して、僕自身が気にしたことはない」と話していた。

高い演技力だけではなく、自身を精神的に追い込むほど真摯に役に向き合い、その役をしっかりと“生きる”姿が観る人を惹きつけるのではないか。「それぞれの作品で挑戦してきたことへの深みみたいなものを、自分の中で掘り下げていければ」と思いを強く語る松坂は、今後も視聴者を驚かせるような新しい顔を次々と見せていくだろう。(modelpress編集部)

松坂桃李(まつざか・とおり)プロフィール

1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。09年に「侍戦隊シンケンジャー」にてデビュー。11年『僕たちは世界を変えることができない。』、『アントキノイノチ』の2作で第85回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第33回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。その後は映画、テレビドラマ、CMなど多方面で活躍。主な映画出演作は『ツナグ』(12)、『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』(14)、『マエストロ!』(15)、『エイプリルフールズ』(15)、『日本のいちばん長い日』(15)、『ピース オブ ケイク』(15)、『図書館戦争 THE LAST MISSION』(15)、『劇場版 MOZU』(15)、『秘密 THE TOP SECRET』(16)、『真田十勇士』(16)、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)、『キセキ -あの日のソビト-』(17)、『ユリゴコロ』(17)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『不能犯』(18)。今後の公開待機作に『孤狼の血』(2018年5月12日公開)、6月29日からは主演舞台「マクガワン・トリロジー」がある。
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