宮根誠司の後継・黒木千晶アナとは何者か 新番組を視聴率トップに導いた「関西の猛獣使い」の実力
20年続いた『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ・日本テレビ系)の後を受け、読売テレビの黒木千晶アナ(32)が司会を担当する『ニュースto』(同)が10月5日にスタートし、いきなり好発進を見せた。
初回の平均世帯視聴率は関東4.2%、関西5.8%、個人視聴率も関東2.1%、関西2.8%(ビデオリサーチ調べ/以下同)で、すべて同時間帯単独1位。ライバルの『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBC・TBS系)、『旬感LIVE とれたてっ!』(カンテレ・フジテレビ系)を抑えた。
前番組『ミヤネ屋』は10月2日の最終回が関東地区で世帯5.2%を記録し、直前4週平均の4.2%を上回っていた。注目度が高まった状態でバトンを受けたとはいえ、業界内では「長寿番組の後継番組はコケやすい」というジンクスがあり、『ニュースto』は数字を落とさなかっただけでも大きな価値がある。
『ニュースto』は月~木曜と隔週金曜を黒木アナが担当し、毎週金曜はSUPER EIGHTの村上信五がMCを務める。制作スタッフは『ミヤネ屋』とほとんど変わらないとされ、初回には杉村太蔵氏、高岡達之氏ら前番組でおなじみだった顔が登場。テロップやナレーションも前番組のイメージを引き継ぎ、SNSでは「宮根誠司のいないミヤネ屋」といった声も上がった。
それでも新番組として成立しているのは、宮根とはまったくタイプの違う黒木アナをメインに据えたことが大きいだろう。黒木アナが全国28局ネットの番組でレギュラーMCを務めるのは初めてだが、宮根の後継という大仕事でスタートダッシュを決めた格好だ。
横浜市出身の黒木アナは、青山学院大学を卒業後の2016年に読売テレビへ入社。翌17年から夕方のニュース番組『かんさい情報ネットten.』を9年間担当し、報道の現場で経験を積んだ。一方、19年には『そこまで言って委員会NP』の「秘書(アシスタント)」に就任し、21年から辛坊治郎の後を継いで「議長(総合司会)」を務めている。
『そこまで言って委員会NP』に集まるのは、政治家経験者や評論家、弁護士、文化人ら、とにかくクセの強い論客たちだ。並みの司会者なら扱いに困ってしまうところだが、黒木アナは議論が過熱すれば割って入り、脱線すれば笑いに変えながら軌道修正する。黒木アナは同番組で「猛獣使い」と称されているが、それも納得の司会ぶりだ。就任当初から「下手に出てお願いするより、強気に言った方が聞いてくれると思うので、強めにいきます」と語っていたが、暴走しがちな論客でも黒木アナの言葉には不思議と従ってしまう。今では個性派論客を見事にさばく技術が完全に持ち味になった。
黒木アナは、関西の番組について「台本があって無いようなもの」と表現している。予定外の発言や急な展開に対応しながら、必要な情報をきっちり届けなくてはいけない。そうした番組で積んだ経験は、生放送の情報番組と相性がいい。報道畑で培った土台がありつつ、堅くなり過ぎない関西らしいノリがあり、出演者が暴走しても慌てずに対応できる。制作側にとって、これほど安心できる司会者はそう多くないだろう。
さらに、黒木アナの大きな武器が「親しみやすさ」だ。『ニュースto』初回の冒頭で挨拶をかんでしまい、翌日には「私のミスです」と笑って振り返った。こうしたお茶目さがあるからこそ、完璧な「エース女子アナ」というより、身近な存在に感じられ、それが「番組を見てみよう」と思わせる好感度につながる。
新番組開始前日の10月4日には、『そこまで言って委員会NP』で「黒木議長SP」が組まれ、辛坊や村上、古舘伊知郎、橋下徹氏らが黒木について語る企画が放送された。共演者からもスタッフからも視聴者からも愛されているからこそ成立する企画だろう。一部では「有働由美子アナや水卜麻美アナに通じる愛され力」などと評されているが、それも納得の好感度の高さだ。
午後のワイドショー戦線では、『ミヤネ屋』のマンネリ化が指摘されていた中で『ゴゴスマ』が支持を広げ、そこに割って入った『とれたてっ!』も存在感を増していた。そこに『ミヤネ屋』の後を受けて黒木アナを中心とした『ニュースto』が参戦し、初回視聴率トップを獲得したことで勢力図が再び動き出しそうな気配となっている。
関西で鍛えられた「猛獣使い」が、28局全国ネットでどこまで支持を広げるのか。同番組が成功すれば、黒木アナのさらなる全国区での飛躍にもつながりそうだ。
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