M!LK佐野勇斗、ブレイクの裏で貫いたグループ愛 『君の好きは無敵』瀬尾役と重なる生き様
『イイじゃん』や『好きすぎて滅!』をバズらせ、夏の音楽特番での露出も続き快進撃が続くM!LK。デビュー11年目の彼らを引っ張っているのは、俳優でも活躍する佐野勇斗だ。個人として多忙な佐野が、いかにここまでM!LKの大躍進を支えてこられたのだろうか。
これまで連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合)など多数のドラマ、映画に出演してきた佐野。夏期ドラマ『君の好きは無敵』(TBS系)で、『逃げるは恥だが役に立つ』などで知られる「火曜ドラマ」枠に初挑戦している。
サンリオ協力のもと、超絶偏屈変人男ながら「可愛い」を生み出すキャラデザイナー・瀬尾深月役で、主演の松本若菜演じる草壁杏奈の相手役だ。年下男子として最初は草壁とぶつかり合う王道展開を見せているが、舌足らずな不器用さはこれまで佐野が見せてきたオタク青年役の良さも出しつつ、新境地を見せている。
俳優としての華やかな活躍が目立つ佐野だが、その根底にあるのは泥臭いまでのグループ愛だ。7月7日放送の単発GP帯冠番組『M!LKの爆裂ミッション』(TBS系)では、佐野を含めたメンバー4人で100貫超の寿司を食べつくす過酷な企画に挑戦。
途中、他のメンバーが音を上げ諦めかけたところを、佐野が「ゴールデンの冠番組だぞ!」「今頑張らないでいつ頑張る」と鼓舞し、自ら気合いで限界以上に食べ続けた。それにメンバーが呼応する展開となり、全員での達成に導く。この様子にはまさに、デビュー10年でなかなか売れずとも、グループとして売れることを夢見て孤軍奮闘してきた苦労人・佐野の姿が映し出されていた。
佐野の凄みは、自身の成功を全てグループの糧にしようとする徹底した姿勢にある。7月12日の『日曜日の初耳学』(MBS・TBS系)での「俳優とアイドルどっちが大切?」という究極の質問に対し、どちらも大切と前置きしつつ、「アイドルというかM!LKですね」と回答。役者をやっているのもM!LKに還元するためで、M!LKが無かったら役者を続けているかも分からないと、全てはグループのために突き動かされてきたことを隠さなかった。
振り返ると、これらの言動はM!LKが成功したから口に出せる美談ではなく、佐野は1人俳優やバラエティで露出を増やしつつも、まだまだグループの知名度が無い頃から、M!LK愛を語っていた。M!LKで売れること、NHK紅白歌合戦に出たいということ、大きな会場でライブがしたいということ。当時は途方もない夢で周囲から笑われてしまう恐れもあったが、佐野は臆することなくM!LKへの思いを熱弁していた。
それは『君の好きは無敵』の瀬尾が、自身が作り出したキャラクター「まんぷくもる子」を守り、その良さを伝え続けようとする姿と重なる。周囲にどう思われようとも、「良いものは良い」という信念と、それを守るために闘う意思が、佐野と瀬尾の共通点だ。「好き」や自分にとっての「可愛い」を肯定するドラマにおいて、恥ずかしさを取っ払った佐野の真っすぐさはそのまま役に生かされている。
佐野はバッチバチのイケメンながら、これまでも純度の高い「オタク」役を演じてきた。アニメやゲームといった趣味に没頭するタイプはもちろん、『トリリオンゲーム』(TBS系)では「ITオタク」、『ひとりでしにたい』(NHK総合)では「理屈オタク」として、外見も含め冴えない陰キャ男をリアルに体現してきた。
ただ、瀬尾は「キャラオタク」ではあるが、デザイナーだけあって、ウェーブがかった金髪と見た目は今風で「ビジュ」が良い。風貌としては『ESCAPE それは誘拐のはずだった』(日本テレビ系)での誘拐犯・リンダ役に近いだろう。リンダはオラオラ系の陽キャだったが、素朴で嘘がつけずどこか憎めない男という意味では瀬尾に通じるものがある。
ただ、瀬尾は派手な外見と裏腹にやはり「オタク」なので、こだわりが強く、人との関わりは不器用だ。松本演じる理論派の草壁と、危うさ、ピュアさ、少年らしさを持ち合わせ「好き」で突き進む瀬尾がコンビを組むから、おかしな言い合いが生まれ、2人の行く末を見守りたくなる。コメディでは全力で崩れ、シリアスでは感情を丁寧に積み上げる佐野だからこそ、松本と対等にやりあえているのだろう。
天才キャラクターは一歩間違えると近寄りがたい人物になりがちだが、持ち前の柔らかな空気感によって、瀬尾をどこか放っておけない人物として見せている。佐野がM!LKで見せる親しみやすさやバラエティで培ったユーモアが、ドラマでも生きているのだ。
M!LKでの経験を俳優業に反映させ、俳優業での成功をM!LKに還元する。恋愛ものでヒットを多く生み出してきた王道の火曜ドラマで、佐野がさらに多くのファンをひきつけ、絶好調のM!LKに好循環をもたらし続けることになりそうだ。
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