『イクサガミ』で清原果耶のアクション能力が完全開花 静の印象を覆す最強のハマり役
俳優の清原果耶が、Netflixドラマ『イクサガミ』で大きな注目を集めている。劇中で彼女が演じているのは、女剣士・衣笠彩八(きぬがさ いろは)。これまで“静の演技”が強く印象づいていた清原だが、本作では、従来のイメージを覆す本格アクションを披露し、多くの視聴者を驚かせているようだ。
『イクサガミ』は、今村翔吾の人気小説シリーズを原作とする時代劇アクション。主演、プロデューサー、アクションプランナーの3役を岡田准一が兼任し、藤﨑ゆみあ、東出昌大、染谷将太、二宮和也、玉木宏、伊藤英明ら錚々たる顔ぶれが脇を固める。
物語の舞台は、廃刀令により武士の時代が終わりを迎えた明治初期。「武技ニ優レタル者」に「金拾萬圓ヲ得ル機会ヲ与フ」なる怪文書に誘われた総勢292名の志士たちは、“蠱毒”と呼ばれるゲームに参加させられ、命懸けの戦いに巻き込まれていく。
清原演じる彩八も、その参加者の一人。彼女は「人斬り刻舟」の異名を持つ主人公・嵯峨愁二郎(岡田准一)の義妹にあたり、かつては共に武術を極め、同じ釜の飯を食った仲間だった。それが今では愁二郎に強い恨みを抱き、なぜか蠱毒に身を投じている……。その理由はドラマ本編で確認してもらうとして、彼女の剣技は、並み居る強者たちにもまったく引けを取らない。
彩八の戦闘スタイルは、刺刀と小脇差の“二刀流”。流麗な剣捌きと鋭い身のこなしは、画面越しにも凄まじい緊張感を生み出し、観る者を圧倒していく。第4話では多勢に囲まれながらも、その拳で敵を次々と倒す場面もあった。美しさと強さを併せ持つ女剣士としての存在感は、視聴者に強烈な印象を残しただろう。
そんな彩八役を演じた清原といえば、「アミューズオーディションフェス2014」でグランプリを受賞し、連続テレビ小説『あさが来た』で俳優デビュー。以降は広瀬すず主演の『なつぞら』をはじめとするNHK作品で存在感を強め、2018年放送の『透明なゆりかご』ではドラマ初主演を決める。さらに連続テレビ小説『おかえりモネ』ではヒロインに抜擢されるなど、着実にキャリアを積んできた。
とはいえ、これらの作品で求められていたのは、どちらかという“動”より“静”の芝居。そのため『透明なゆりかご』や『おかえりモネ』の清原像が強く残る視聴者にとって、『イクサガミ』での本格アクションはより新鮮に映ったはずだ。
「清原果耶ってこんなにアクションできる人なんだ」という驚きも頷けるものの、実は清原にとっては、今作が初めてのアクション経験というわけではない。彼女のアクション適正は、以前からさまざまな作品を通して、その片鱗が垣間見えていたのだ。例えばBS時代劇『螢草 菜々の剣』で演じたのは、父の仇討ちのため剣術の修行に励む武士の娘・菜々。第2話では剣術指南役・壇浦五兵衛(松尾諭)の動きを真似て、剣捌きを披露する場面があるのだが、そこで見せたキレのある動きや鋭い目線は、まさに『イクサガミ』で演じた彩八に通じるものがあった。
また、NHK大河ファンタジー『精霊の守り人』で清原を知ったという視聴者も多いだろう。本作は上橋菜穂子のファンタジー小説を原作とし、幼い王子を守りながら旅をする女用心棒バルサの活躍を描く。短槍使いのバルサ役は綾瀬はるかが務め、その少女時代を清原が演じていた。
放送当時の清原は、まだ14歳。俳優デビューからまだ間もない時期でもあったが、短槍を使った立ち回りは実に堂々たるものだった。年齢や経験の少なさを感じさせない動きは、いま思えば、身体表現のセンスがすでに芽吹いていたとも言えるだろう。
そして近年、舞台「ジャンヌ・ダルク」で主演に抜擢された清原。軍旗を掲げながら兵士を鼓舞する姿は、『おかえりモネ』や『透明なゆりかご』で見せていた静かなキャラクター像とはまるで異なる。美しさと凜々しさ、そして勇ましさを兼ね備えた佇まいには、戦場を駆ける英雄の気迫すら漂っていた。
こうして清原の歩みを辿れば、『イクサガミ』の彩八が突発的なハマり役ではないことが分かる。時代劇で磨いた剣捌き、ファンタジー作品で培った身体性、舞台で身につけた表現の幅――そのすべてが積み重なり、今作で一気に花開いたのだろう。
だからこそ、これから彼女がどんな役と出会い、どんな新たな姿を見せてくれるのか。その行く先からますます目が離せなくなりそうだ。
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