唐沢寿明主演『コーチ』が静かな話題、異色の刑事モノが“秋ドラマのダークホース”に
この秋ドラマシーズン、多くの話題作が並ぶ中で、意外な人気を得ているのが唐沢寿明主演の『コーチ』(テレビ東京系)だ。唐沢が約7年ぶりにテレ東の連ドラで主演を務める作品で、原作は堂場瞬一のによる同名警察小説。
『コーチ』は、一風変わった刑事ドラマとして好調な視聴率を維持している。ストーリーは、伸び悩む若手刑事たちを唐沢演じる向井光太郎が的確なアドバイスでコーチングしていくという異色の警察エンターテインメント。ダメな中年といった見た目の向井だが、実は警視庁人事二課から特命職員として派遣された凄腕で、難点がある若手を刑事としてだけではなく人間としても成長させていく。
通常の刑事ドラマであれば、主人公が積極的に捜査を進め、犯人を追い詰めるのが普通だろう。しかし唐沢演じる向井は、自ら先陣を切ることはほとんどなく、問題のある刑事に同行しては、ひたすらフワッとしたヒントを与え続ける。相手が答えを導くまでじっと待ち続け、派手なアクションも、鮮やかな推理もない。主人公としては一見“地味すぎる”設定だ。
しかし、そんな退屈に見える主人公を、唐沢は抜群の存在感とユーモアで魅力的に演じている。まず、どこか不気味な雰囲気を漂わせながらも飄々としたキャラクターづくりが秀逸。向井は特命職員であることを周囲に隠し、何かと理由をつけて対象の刑事につきまとう。神出鬼没で不気味な存在なのだが、いつの間にか相手と親密になり、問題を解決してしまうのだ。
普通ではありえない設定のキャラだが、唐沢はコミカルな演技を織り交ぜながら、おかしな行動を自然体で演じきる。表情の使い分けやセリフの間のとり方も見事で、冴えない向井を魅力ある人物に昇華させている。
ベテラン俳優ならではの安定感がドラマを支えており、唐沢がコーチする刑事役とバディを組む場面では、どの俳優とのコンビネーションも抜群に良い。経験豊富な唐沢がリードすることで、各俳優たちが伸び伸びと演じているから、非常に見やすいドラマに仕上がっている。ストーリー構成もこのドラマの魅力だ。現在放送されている第4話までは、各話ごとに1人の刑事を取り上げ、向井がコーチする姿が描かれている。
第1話では池袋西署の係長で若くして女性管理職になった益山瞳(倉科カナ)、第2話では取り調べ担当官を目指している所貴之(犬飼貴丈)、第3話では尾行が苦手な西条猛樹(関口メンディー)、第4話で感情の起伏が激しく刑事に向いていないと悩む正木敏志(阿久津仁愛)が登場する。
1話ごとに刑事の成長を描く構成のため、キャラクターの個性が掘り下げられ、人物を深く知ることができておもしろい。向井とのコンビネーションも毎回新鮮。オムニバスドラマのようなお得感があり、視聴者を飽きさせない作りとなっている。
そして、11月14日放送の第5話からは、第二章に突入。向井がこれまでコーチした4人がチームを組み、事件解決を目指す。まさにアベンジャーズ的展開となり、それぞれの個性が生かされる脚本となる予定で、後半に向けて一気におもしろさが加速しそうだ。
また、第5話からは倉科カナが準主役として本格的に活躍し、さらに向井の過去も明らかになることが予想される。今度はチーム全体をコーチングする立場となる向井を、唐沢がどのように演じるのか。異色の刑事ドラマとして存在感を放つ『コーチ』が、秋ドラマのダークホースとなりそうだ。
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