内田真礼&内田雄馬「気づいたら2人のルートが重なった」 実の姉弟によるコラボ制作秘話とは<『Carnival/BIG LOVE』インタビュー>
2024.10.29 19:30
実の姉弟であり、共に声優・アーティストとして活躍する内田真礼と内田雄馬が、コラボシングル『Carnival/BIG LOVE』を10月30日にリリース。音楽活動では意外にも接点が少なかったという2人の、コラボを記念したスペシャルなインタビューが実現。”親友の姉弟バージョン”と語るほど仲良しなお二人に、楽曲制作エピソードやコラボを経て感じたことなどを振り返ってもらった。
初のコラボシングル『Carnival/BIG LOVE』完成
― これまで、声優として様々なアニメ作品や映画などで共演をされてきましたが、印象的だったエピソードはありますか?雄馬:初めて共演した時は、それどころじゃなかったんです(笑)。自分の仕事もまだおぼつかない時で。やるべきことに集中しなくてはいけなかったので、「頑張んなきゃ」という気持ちが大きかったですね。
真礼:私は共演作品だとアニメ『ぐらんぶる』が印象的で、チーム自体が仲良くて、 ファミリー感があったなと感じています。アフレコ現場は初めましての方も多かったりするんですが、姉弟ということがフックになって、トークが盛り上がるんです。「家族がいるとやりづらくないですか?」ってよく聞かれますが、全然そんなことはないですね。みんなが仲良くなるきっかけになったり、プラスに働くことが多いんじゃないかな。
― 撮影中もずっとお喋りされていて、とても仲良しな雰囲気が伝わってきました!普段からよくお喋りされるんですか?
真礼:ずっと喋ってますね(笑)。同じ仕事をしていると共通の知り合いや友人も多いので、1番分かり合える関係です。今回のMV撮影でも、どんな先輩になりたいかを語り合いました(笑)。普段からこんな感じなので、家族でごはん食べていても、2人だけで盛り上がってしまうことがよくありますね。
雄馬:父と母は静かに聞いている、みたいな(笑)。
真礼:そうそう(笑)!
― 微笑ましいです(笑)。今回、アーティストとしてのコラボは、どのように決まったのですか?
真礼:私は今年でアーティスト活動10周年になるんですが、音楽活動ではあまり雄馬と接点がなく、フェスで会うくらいだったんです。その時にプロデューサー同士が知り合い、何かやれたらいいですねって話はあったものの、まさかCDを作るとか大きなことができるとは思ってなくて。いつか絶対にやるぞって掲げていたわけではないんですけど、気づいたら2人のルートが重なって、コラボシングル、対バンも実現しました。すべて偶然が重なった感じで、奇跡的なものを感じています。
雄馬:そうですね。姉さんが10周年のタイミングで、お祝いも兼ねてコラボできたことは奇跡的だと思います。それに、姉さんがたくさんの方に支えられていることを実感できて嬉しかったです。内田真礼がアーティストとしてしっかり積み重ねてきたからこその繋がりだと思うし、だからこそ絶対いいコラボにしたいなって気持ちがありました。
お互いの魅力を最大限に発揮「いいバランスが生まれた」
― 楽曲に対して、具体的なイメージは持ち寄ったんですか?真礼:お互いにアーティスト活動をしていく上で、みんなを元気にしたり、パワーを与えたり、ポジティブな輪が広がっていくような、太陽のようにみんなを照らす存在でありたいというイメージはあったと思うんです。だから『Carnival』『BIG LOVE』は、温かい曲になったのかなと思いますね。
雄馬:今回の楽曲は、僕たち2人がいつもお世話になっている方に書いていただいたんです。だから、自分たちらしさや、この2人だからできることを制作陣の方もすごく考えていただいたんだろうなって。僕らの届けたい思いだけじゃなく、これまで2人が届けてきたもの、外から見た時の2人の姿が表れているというか。『Carnival』には楽しいものをもっと盛り上げていく渦の作り方だったり、ポジティブなエネルギーが込められていると思います。『BIG LOVE』は姉弟だからこそ、家族愛というテーマがよりダイレクトに届けられるものになったと思います。
真礼:『Carnival』のラップはすごく普段の会話っぽくて。早いけど、皆さんにはぜひ聞き取ってほしいです(笑)。2人が好きなものを詰め込んでいて、最後に一緒に笑っているのとか、自分たちに寄っている曲に仕上がったんじゃないかな。
― 声優としての共演と音楽での共演、感覚的な違いは?
真礼:声優はキャラクターを通していますが、音楽だと表現するのは自分自身。やり方が無数にあって、自由度は高かったかなと思います。
雄馬:兄弟役だと我々のパーソナルが役に活きることはあるけれど、ふりかけみたいなもので。必須なものではないんですよね。それに比べると、音楽だと個人の活動では、内田真礼、内田雄馬それぞれのパーソナルがダイレクトに反映されやすくなると思います。とはいえお互い、レーベルのチームみんなで作り上げているものなので、いろんな要素が絡みながらも、2人の可能性を探っていく作業は大変でもあり、楽しい時間でした。
― 姉弟だからこその絶妙なハモリも聴きどころになってきますが、レコーディングはいかがでしたか?
真礼:私は雄馬の後に録らせてもらったんですが、雄馬の歌に安定感とか余裕があって、受け止めてくれる感じがあったので、私は飛び道具のように乗せることができました。歌っていて楽しいし、絶対にいいものが出来上がるという気持ちで歌えるというか。一緒にやったことはほとんどないのに、何度もやっているような不思議な感覚なんですよ。やっぱり、馴染み深い声なんだと思います。
雄馬:僕が持ってないものを、姉さんはたくさん持っているんです。姉さんは、誰かの気持ちを引っ張り上げたり、自分の気持ちをバーンってまっすぐ届けたり、そういう力がすごくある人。僕だけではできないものをお客さんに届けてくれています。…やっぱりバランスがあるんだなって思いますね。お互いが持っていないものが掛け合わさって、いい形に納まっているんです。今までの人生を振り返っても、お互い補い合って生活してきたので、表現でも自分の得意なところが伸びていった結果、今いいバランスになっているんだろうなと、すごく実感しましたね。
家族の存在は偉大「まるごと受け止めてくれる」
― いいバランスとお話もありましたが、姉弟ながら「ここはすごい!」と尊敬している部分はありますか?真礼:私から見た雄馬は、本当に落ち着いていて着実な人。私は頭の中で考えがまとまる前に、喋り出しちゃうタイプなんです。雄馬はそれも理解して、悩んでいるときに話を聞いてくれて、「正しいよ」「俺はこう思うよ」をちゃんとくれる。私が姉さんだからといって、全部を引っ張っているわけではなくて、「助けてください」っていう場面もよくあります(笑)。
たぶん、雄馬は自分なりにすごく考えて悩んだからこそ出来上がった人格だと思う。私が知らない間にそんなにしっかりしていたんだ、すごいなって。10代の頃から、1個のことに邁進していく姿は変わらなくて、それがしっかり人格として形成されてきたんだなと。自分とはまた違う魅力だと思うので、尊敬している部分です。
雄馬:姉さんは、昔から自分の信じるものや大事なものに対して、真っ直ぐ向き合える人。いいものをちゃんといいって、素直に届けられる人なんですよね。僕はこう思われたら嫌だなとか、引っ込み思案な部分がすごくあったんですけど、姉さんは臆せず、ちゃんと自分の意見を形にできる。だからこそ周りの人たちも、姉さんの純粋な部分をちゃんと見てくれているし、信頼に繋がっているんだなっていうのは、本人を見ているとすごく思う。誰かの心を動かすのは、1人の強い思いだったりするので、想いを相手に届けられることは素晴らしいし、すごく魅力的な部分だなと思いますね。
― 姉弟愛がとても伝わってきます…。では、最近”BIG LOVE”を感じる瞬間を教えてください。
真礼:母とおばあちゃんかな。近くにいる親族から愛を感じることが多くて、会うたびに元気をくれるんです。おばあちゃんは私が電話して「最近ちょっと大変なんだ」ってこぼすと「頑張んなさい」って言ってくれるんです。後で母親から話を聞くと、私が頑張ってるからと、1人でスーパーに行ったり、散歩に行ったり、自分のできることを増やそうとしていて。「真礼には心配かけられないからね」って。その想いが私も大切にしようって思わせてくれるし、相手を想い合う瞬間が愛だなって思いますね。母親も何があってもそばにいてくれるし、家族は本当に大きい存在です。
雄馬:そういう姿をみると本当に頑張ろうと思うよね。家族といる時間は、自分のパワーになるなってすごく感じますね。それに自分の不安や迷いを受け止めてくれる人がいるって、すごく心強いことで。ポジティブなものだけではなく、ネガティブな感情まで受け止めてくれる人がいることに感謝しています。
真礼:普通は受け止めてくれないよね。
雄馬:そうだよ(笑)。だから感謝なんだよね。1人で抱えたり、消化するのは大変な時もあるけど、家族のおかげで、スイッチを切り替えることができる。それこそ『BIG LOVE』の歌詞にもありますけど、絶対の味方なんですよね。どんな人にも感謝を忘れないようにと思ってますけど、何より自分を育ててくれた家族がいてこその、今の自分。そこで得たエネルギーを、自分のエネルギーに変えて、表現の仕事に活かしている気がします。
― 家族が、大きなものを占めているんですね。同じ声優・アーティストの道を選ばれたお二人ですが、普段、お互いの存在は意識されているんですか?
雄馬:意識したことある?僕はそんなに…。現場が一緒なことも台本を見て知るっていう。
真礼:そうそう。台本を見て、いるんだ!みたいな。現場であったら嬉しいけど、普段から連絡はするしね。あんまり意識していないんじゃないかな?
雄馬:そうだね。
真礼:何か月も会わない時もあるしね。レギュラーだと毎週会うので、今日は一緒に帰ろうみたいなことはしばしばあります。雄馬がいると居心地のよさを感じるし、なんでも話せる存在なので、助かっていますね。
雄馬:プロの現場ですから、なかなか話しづらいこともあります。それでも相談ができたり、感覚を共有しやすいというのは家族だからこそ。作品を作る上で、別の視点から作品を見られるのは、役者としては大きなプラスになっていると思います。
― お互いに、いい影響を与えているんですね。コラボ企画にも注目が集まりますが、内田姉弟としてどんな一面を見せていきたいですか?
真礼:喜んでもらえるのが1番!私たちを見て元気になってもらえたり、明日も頑張ろうって思ってもらえたりする存在になれていたらいいな。誰かが喜んでくれることが何よりなので、そのために頑張りたいですね。
雄馬:僕らが集まることで、よりポジティブなエネルギーが倍増できたらいいですよね。姉さんのアニバーサリー、僕の対バン企画「VS YUMA」もいいスタートダッシュが切れたと思いますし、今後も見てくれたお客さんの生活がより充実するきっかけになれたらいいですね。
内田姉弟の夢を叶える秘訣
― 夢に向かって頑張っている読者に向けて、夢を叶える秘訣を教えてください。真礼:「声に出して宣言する」。言葉にしたら叶うと思っていて、私自身ここまでずっとそうして叶えてきました。ダメな時もありますけど、チャレンジせずに後悔するのは自分だから、ポジティブなエネルギーは特に出していった方がいいなって。野球が好きで、ホークス大好きと言っていたら、テーマソングを歌うことができたり、アニサマのトリをやりたいと言っていたらやらせていただけたり。自分の意志やエネルギーが伝わることで、自分が思っても見なかった世界に飛び込める時がある。受け入れてもらえないと思うかもしれないけど、お母さんやお父さん、先生など、自分の身近で信頼できる人へ、夢を口に出して伝えてほしいなと思います。
雄馬:単純明快でいい方法!僕の場合、やっぱり周りを気にしちゃうのであまり人には言えないんです。叶えるまで黙っているのが好きで。
真礼:確かに、そうだね。真逆だ!
雄馬:叶える前に言っちゃうと、なんとなく夢が逃げていってしまう感覚があって。ただ、夢は自分しか叶えられないし、誰かが叶えてくれることは絶対にないんです。自分が夢に向かっていかないと辿り着かないので、姉さんのように口に出すことで夢へのきっかけを蒔くことができるのかなと思います。
真礼:自分も鼓舞できるしね。言ったほうがチャンスは多くなるかもしれない。
雄馬:うん。僕は声優が初めて見つけた夢だったんです。あまり自分からやりたいって言うのが得意じゃなかったんですが、やってみたいと、母に勇気を出して伝えたことが第一歩でした。その一歩が自分の世界を広げてくれたんですよね。小さな夢が自分の世界を大きく広げるきっかけになるかもしれませんから、ぜひとも夢を見ることを怖がらないでほしいです。いろんな情報が手に入る時代ですから、その夢に近づくために行動したり、そ自分を鼓舞するためにも言葉にしてみることも大切だと思います。
― お二人の意見がキレイにまとまりましたね。たくさんのお話、ありがとうございました。
同じ声優・アーティストの道を選び、お互い自分にないものを補い合いながら歩いてきた2人。インタビュー中も「家族」のワードが随所に溢れるなど、絆の深さを感じさせる取材となった。家族愛から生まれた2人のポジティブなエネルギーが交差したとき、その威力は最高潮に。コラボ企画が目白押しという、今だけの特別な光をぜひ目に焼き付けてほしい。(modelpress編集部)[PR]提供元:株式会社ポニーキャニオン
『Carnival/BIG LOVE』
収録楽曲 ※全形態共通・Carnival(作詞:SHOW 作曲:SHOW 編曲:Dirty Orange)
・BIG LOVE(作詞:こだまさおり 作曲:大石昌良 編曲:やしきん)
・Carnival -Instrumental-
・BIG LOVE -Instrumental-
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