モデルプレスのインタビューに応じたWINNER(左から)ソン・ミノ、キム・ジヌ、カン・スンユン、イ・スンフン (C)モデルプレス

「REALLY REALLY/FOOL」の音楽性で評価されたWINNER 4人体制で再スタート、その時何を思ったか モデルプレスインタビュー

2017.05.30 12:00

5月31日に約1年ぶりとなる新作『FATE NUMBER FOR』をリリースするWINNER。今作は日本に先がけて4月に韓国で発表されると、国内の7つの音源チャートと21か国のiTunesチャートで1位を獲得。発売から約2か月が経つ現在もチャート上位に君臨し、異例のロングヒットを記録している。本人たちもこれほどのヒットになるとは思っておらず「本当にびっくりした」(スンユン)と言うが、ここに至るまでの道のりを思うと、その言葉が謙遜ではなく素直な言葉として響く。


WINNERの再スタート「4人でいい音楽を作ろう」

2013年、BIGBANG を擁する韓国の大手芸能事務所・YGエンターテインメントが企画したボーイズグループのデビュープロジェクト『WIN:Who Is Next』において、熾烈なバトルの末、デビューを勝ち取った“WINNER”。その名前の通り勝者として華々しく活動をスタートさせ、2014年には日本でもデビュー。1stアルバム『2014 S/S -Japan Collection-』がチャート上位を獲得するなど人気を誇った。しかし16年の秋にメンバー1人が健康上の理由でグループから脱退。ファンならずとも「WINNERはどうなってしまうのだろう?」という心配の声が聞かれた。

WINNER(左から)ソン・ミノ、キム・ジヌ、カン・スンユン、イ・スンフン (C)モデルプレス
WINNER(左から)ソン・ミノ、キム・ジヌ、カン・スンユン、イ・スンフン (C)モデルプレス
「ときどきは個人の仕事もあったんですけど、これがメンバーも一緒だったら、と思うと、寂しい気持ちになることもありました。とにかく早く4人一緒の活動がしたいと思ってましたね。ステージの上で歌いたい、ってずっと思っていました」(スンフン)

「僕は個人での仕事(iKON のBOBBYとのユニット、“MOBB”など)をわりとたくさんさせてもらって、そのことはすごくありがたいと感謝しているんですけど、やっぱり寂しい気持ちはずっとありました。その間も、早く4人で活動したいって、思ってました」(ミノ)

「運動をしたりして健康管理に気をつけたり、ボーカルレッスンを受けたり、ダンスも現代舞踊をやってみたり、時間を無駄にしないようにいろんな経験を積みました。それはすごく個人としての僕を成長させてくれたと思いますけど、やっぱり4人で活動したいという気持ちはずっとありました」(ジヌ)

「いろんなことを考えましたけど……僕たちはやっぱり歌手で、ミュージシャンだから、“いい音楽を作ること”が何より重要なことだと思って。メンバーが4人になるとか、そういう問題もありましたけど、何よりもカッコいい音楽ができなかったら、また活動するなんてことはできないんですよ。そんなの当たり前です。だから、僕たちはこの1年、とにかく“いい音楽を作ること”を何よりもやってました。ただ毎日、毎日、スタジオに行って、ひたすら作業をしていました。ミノくんは忙しい時期もあったんですけど、それでも時間を作ってスタジオに来てくれて。4人でいい音楽を作ろう、って」(スンユン)

イメージを変えて成功した「REALLY REALLY」

そんなふうに無心に“いい音楽”を追及する中で、まずは現在大ヒット中の「REALLY REALLY」が生まれた。リフレインする中毒性があるメロディとトロピカルなサウンドが心地よく、何度聴いても飽きが来ない1曲であり、これまでのWINNERのイメージをがらりと変える1曲でもある。

「『REALLY REALLY』は、これまでの僕らのコンセプトとはちょっと違うと言うか、ファンの方や世間が思うWINNERの色とは違いますよね。WINNERと言えば、バラードとかスローテンポな曲というイメージで、ダンス曲とは距離があったと思うんです。でも、だからこそ今度はダンス曲がやりたいって思っていたんです。これまでの感性的な感じの曲よりは、僕たちの世代を、若さを素直に出した曲にしたかったんです。

それに、皆さんからすると僕らのイメージと違うという印象があるかも知れませんが、僕らにしたらダンス曲は練習生の頃からずっとやっていたもので、すごく馴染みがあるものなんですよ。サウンドがこんな感じになったのは、この曲を作っていたときにハマっていたジャンルがトロピカルハウスだったから。初めからリード曲にしようと思っていたわけじゃないんですけど、作っているうちに“この曲をリードにしなくちゃいけない”っていうモードになって、みんなで試行錯誤しながら作っていったので、リード曲を決めるのに意見が別れるとかもなかったですね」(スンユン)

「最初に聴かせてもらったときは今とはメロディが少し違っていて、もう少しシンプルだったりもしたんですね。そのときもすごくいいって思ってたんですけど、今のはもっと好きですね。そうやって曲も変わって行きました」(ミノ)

WINNER(左から)ソン・ミノ、キム・ジヌ、カン・スンユン、イ・スンフン (C)モデルプレス
WINNER(左から)ソン・ミノ、キム・ジヌ、カン・スンユン、イ・スンフン (C)モデルプレス
そして何よりこの「REALLY REALLY」が素晴らしいのは、WINNERの4人が歌うことでさらに魅力を増す曲として作られているところだ。声質の異なる2人のボーカル(ジヌ、スンユン)とラッパー(ミノ、スンフン)のそれぞれの特徴が際立つ構成になっていて、1番のAメロをジヌが歌い、2番はミノとスンフンがラップをしていたり、サビも1番はジヌ、2番はスンユンが歌うことで、ニュアンスの違いが出てくる。おなじ“愛してる”という言葉が、強くも儚くも聴こえてくるのは、彼らが歌うからこそであり、聴く人によって受け取り方を変えられるから、すべての人にとって自分の歌にすることができる。

「僕の個人的な考えですけど、僕らが他のアーティストの方と差別化できるところと言えば、1曲の中に自分たちの声の個性を乗せられているところだと思っていて。ラッパーの2人は自分たちが歌うパートの作詞もするんですけど、そうやって個性を出すことを意識して曲を作っています」(スンユン)

「この曲は他の曲と比べても歌いやすかったです。なので、レコーディングでもリラックスして歌うことができました。僕にはとても合ってると思います(笑)。でもそれは、スンユンくんがそういうこともすべて意図して作ってくれたからだと思います」(ジヌ)

「そういうふうに考えられて曲自体が作られているので、すごく歌いやすいんです。ラップ詞については、面白くて、簡単で、皆さんも一緒に歌ってもらえるようにというのを一番に意識して書きました」(ミノ)

「REALLY REALLY」と対になるもう一つの名曲「FOOL」

「REALLY REALLY」がWINNERの新たな一面を開拓したとすれば、もう1曲の「FOOL」はWINNERの芯の部分をさらに深く掘ったような曲と言えるだろう。彼らの切ないボーカルラインが楽曲の世界観をさらに広げるバラードだ。

「この曲はこれまでのWINNERの色の中でも、これは持ち続けてもいいんじゃないかな?と思った部分を表現した、悲しく、寂しいバラード曲です。新しいコンセプトの『REALLY REALLY』と、これまでのコンセプトを持った『FOOL』と、真逆のコンセプトを持った2曲を一枚のシングルにしました。そもそも『FOOL』は、『REALLY REALLY』がリード曲に決まって、もう1曲必要だ、ってなって作ったものなんです。だから歌詞の内容も『REALLY REALLY』が恋の始まりのような、フレッシュな感じを乗せたから、『FOOL』は別れを意識して書きました」(スンユン)

「FOOL」では別れた相手を、自分でも馬鹿だとわかりながら、想い続けてしまう切ない恋心を歌っている。今回の作詞も手掛けるスンユンに実体験も含まれているのか?と尋ねてみると、「全然違います。想像して作った歌詞です。実際の僕は別れをあんまり悲しんだりしないタイプです。こんなふうに後悔したりしないですよ(笑)」とのこと。ちなみに、他のメンバーにも“別れを引きずるタイプか?”と聞いてみた。

「すぐに忘れちゃいます。僕には未来の方が重要です!」(スンフン)

「僕は忘れようと努力するタイプです。テレビを観たり、ゲームをしたり、とにかく他のことをします」(ジヌ)

「僕は未来を空に……」(ミノ)

「あははは(爆笑)」(全員)

「ミノくんはただお酒を飲んでしまうだけです(笑)」(スンユン)

「僕はその寂しい気持ちさえ楽しむタイプだと思います(笑)」(ミノ)

「一番、変態なタイプだと思います(笑)」(スンユン)

世間の反応は気にせず、活動できることを幸せに

今でも寮で共同生活を送っているというメンバーだが、そんな4人をまとめるのが、一番年下のリーダー、スンユン。

カン・スンユン (C)モデルプレス
カン・スンユン (C)モデルプレス
本人は「リーダーとしては特に何もしていない(苦笑)」と言うが、スンフンは「スンユンくんはリーダーとしての責任感が強いです。みんな忙しかったけど、スンユンくんは特に忙しいのに、寝ないで作業を続けていい曲を作ってくれました」と褒める。だが、スンユンにいい曲を作ることでメンバーを引っ張って行こうとしたのか?と聞くと、照れ笑いをしながら「ただ、僕はできることをしただけです」と謙遜する。とは言え、今回の活動再開を前に、少しだけメンバー内で交わした真面目な話を教えてくれた。

「普段からずっと一緒にいるから言わないでもわかるっていうこともあって、真面目な話をわざわざしたりとかはあんまりしないんです。今回もただメンバーそれぞれが自分の場所で、自分が持っている役割を頑張りました。でも、曲が出来上がって、これで活動をして行くと決まってからはたくさん話をしました。そして、例えこの曲の世間の反応がよくなくても、僕らは楽しんで活動しましょう。幸せに活動をしましょう、と約束しました」(スンユン)

ソン・ミノ (C)モデルプレス
ソン・ミノ (C)モデルプレス
それだけに、予想以上のヒットを記録している現状に対しては、素直に喜びの言葉を口にする。

「最近、毎日幸せです。朝、ベッドで起きる瞬間から“あ~、幸せって”(笑)」(ミノ)

「あははは(笑)」(3人)

「今、この瞬間も幸せですか?」(ジヌ)

「もちろんです!」(ミノ)

「そしたら、今日の取材も頑張りますよね?(笑)」(スンフン)

「はい!幸せですから」(ミノ)

「僕も楽しいです。幸せです。4人で一緒に活動できることは全部楽しいです!」(ジヌ)

「ただこうやって活動できていることが本当に幸せです。4人での活動が上手くできるのかと心配していた分、今の反応は本当に感謝しています」(スンユン)

「本当に光栄です。僕らのことを愛してくれて、声援を送ってくださることもすごく嬉しいんですけど、こうやって曲が長く愛されていることはまた格別ですね。本当に本当に感謝しています」(スンフン)

イ・スンフン (C)モデルプレス
イ・スンフン (C)モデルプレス
現在、日本で全国を巡るファンクラブミーティング中のWINNER。そんな中で、4人一緒に写真を撮ることにハマっているそう。

「日常的に写真と撮るのは職業病のようなものかも(笑)。ファンの皆さんに僕らのことを伝えたいんです!」(スンフン)

「そして、それがまた僕らにとっての想い出にもなるしね!」(ミノ)

今後写真を撮ってみたい場所は?

「4人一緒ならどこでもいいですね」(スンユン)

「(今)ここでも大丈夫です(笑)」(ジヌ)

「(思い出したように)京都!以前、日本で全国ツアーをさせてもらったんですけど、京都はまだ行けてないんですよ」(ミノ)

「僕も昔のものが好きなので行きたいですね。伝統的な建物とかも見たいし、伝統的な味も味わってみたい!」(スンフン)

キム・ジヌ (C)モデルプレス
キム・ジヌ (C)モデルプレス
最後にこれからやりたいことを教えてもらった。

「とにかく、今、久しぶりに活動をしているので、もっともっといろんな人とご挨拶をしたいです。ファンクラブミーティングもそうですけど、取材とかもたくさんやりたいですし、皆さんにお会いできるチャンスがあれば、いつでもどこでも行きたいです!」(ミノ)

WINNER(左から)ソン・ミノ、キム・ジヌ、カン・スンユン、イ・スンフン (C)モデルプレス
WINNER(左から)ソン・ミノ、キム・ジヌ、カン・スンユン、イ・スンフン (C)モデルプレス
4人になって、再び“WINNER=勝者”としての道を歩き出したWINNER。何よりもそれを証明する楽曲「REALLY REALLY」ともに、今後の彼らに注目して行きたい。(modelpress編集部)

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