【山崎賢人インタビュー】さらなる高みへ走り続ける原動力とは――俳優人生の転機「ゴールデンカムイ」で得た学び「俺は不死身だ」と自身を鼓舞した日々
2026.03.11 17:00
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モデルプレスの独自企画「今月のカバーモデル」で2026年3月のカバーモデルを飾ったのは、映画「ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編」(3月13日公開)で主演を務める俳優の山崎賢人(やまざき・けんと/31 ※「崎」は正式には「たつさき」)。2024年の「ゴールデンカムイ」実写プロジェクト始動から座長としてチームを牽引し、主人公・杉元佐一と共に激動の歳月を駆け抜けてきた彼が、作品への想い、そして役を通して得た人生の学びを語ってくれた。<※一部ネタバレあり>
俳優人生のターニングポイントになった“杉元佐一役”
同名人気コミックを実写化した本作は、明治末期の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリーと、厳しい大自然の中で一癖も二癖もある魅力的なキャラクターたちが躍動するサバイバル・バトルアクション。2024年公開の映画第1弾を皮切りに、「連続ドラマW ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-」を経て、再びスクリーンへとバトンを繋いできた。今作では、物語の大きな山場となる「網走監獄」を舞台に、手に汗握るサバイバル・バトルの行方が圧倒的なスケールで描かれる。プロジェクトの始動から主人公の元陸軍兵士・杉元佐一役としてチームを牽引し続けてきた山崎。今作について「映画第1弾、連続ドラマを経て『どうしたらもっと面白くなるんだろう?』『より良くなるんだろう?』ということを日々考えながら撮影していました。それをみんなで共有していたので、撮影自体もどんどん良い方向に進んでいって、すごく良い作品になったと思っています」と、積み重ねてきた時間があるからこその自信をのぞかせる。
一人のキャラクターの人生をこれほどまでの熱量で、かつ長期間にわたって演じ続け、共に歩むことができるのは俳優にとって稀有な経験。そんな濃密な歳月を振り返り「どの役も毎回“挑戦”だと思っているのですが、杉元は今まで演じてきた“成長していく主人公”というより、様々なことを経て失ったものを取り戻していくような人物。そんな彼を演じて、作品を観ていただいた方に『良かった』と言っていただけたことはすごく嬉しかったです」と回想。杉元という男を突き詰めた経験は、彼にとって確かな糧となったようで「自分の中でも、かなり大きなターニングポイントになりました」とその重みを噛み締めるように語った。
山崎賢人、再確認した“当たり前の尊さ”
戦争という過酷な経験を経て、心が凍りついてしまった杉元。その役どころを演じる難しさについて「大変でした」と笑いながら率直に明かしつつ、山田杏奈演じるアシㇼパの「役目があるから生かされている」という言葉や、彼女と共に自然と触れ合う時間、実際に山を登り、植物を知り、食してみるという撮影現場での経験は、山崎自身の内面にも変化をもたらしたという。「アシㇼパさんと自然の中で過ごすほのぼのしたシーンが個人的に好きです。実生活における勉強にもなりますし、(劇中で)獲物の鹿を仕留めた時に『その命に自分たちは生かされているんだ』ということを実感して、地球の当たり前のことに感謝しようと改めて考えさせられる機会にもなりました。生きていく上で当たり前のことに感謝して生きるという想いには深く共感できます。だからこそ丁寧に演じていきました」杉元の人生に寄り添うことで得た気づき。それは俳優としての枠を超え、山崎自身の日常をも豊かに彩る確かな学びとなったようだ。
杉元佐一役のための徹底した身体づくり
激しいアクションを支える、杉元の筋骨隆々な肉体。2024年公開の映画第1弾に際し、約10kgの増量を敢行した山崎の圧倒的な存在感は今作でも健在だが、徹底した自己管理を貫くなど、役作りにおける舞台裏は驚くほどストイックだ。映画第1弾から作り上げた強靭な肉体をベースに、今作ではより引き締まった状態を目指したという。「プロテインはもちろん、現場にはゆで卵やチキンサラダなどを持参していました。男性キャスト同士でも共通の話題は“筋肉”です(笑)。『どのくらい筋トレしてる?』『何食べてる?』とか、それぞれが現場に持ってきているタンパク質中心のご飯を見て『それいいですね』と話したりしていました。控え室にダンベルを持ち込んで、空き時間はみんなで筋トレもしていました」
ハードな身体づくりについて聞くと「もちろんきついと思う瞬間もあります。だから、自分のことは“不死身”だとは思いませんが、鍛えながら『俺は不死身だ!』と声に出していました」と言葉に。こうして、劇中の杉元さながらに自らを鼓舞し何事にも全力で挑む山崎は、連日、数時間をかけて傷メイクを施し、丁寧に役を積み重ねていった。
「ゴールデンカムイ」チームの強い結束力
そんな現場の熱量は、コメディシーンにも注がれている。ラッコ鍋を囲むシーンでは、監督や共演者と「どうやったら面白くなるか」を真剣に追求。「一つひとつの動きにしても声色にしてもみんなで考えて、それぞれ変な声を出したりと試行錯誤していました(笑)。尾形(眞栄田郷敦)の服をみんなで脱がせにいく場面は、キロランケ(池内博之)が入ってきた時に、杉元が『お前も見ろ』みたいなテンションで尾形の頭をキロランケの方に向けるんです。これは、監督から『尾形にもキロちゃんの裸を見てもらったほうがいいんじゃない?』という提案があって、僕たちも『それ面白いですね』と実際にやってみてできた場面です。本当にみんなで楽しんで作っていました」と、長期間の撮影で培われた抜群のチームワークをうかがわせた。現場での和やかな空気感や、撮影を通して築かれたキャスト陣の結束は、作品においても確かな説得力を支える土台となっている。
物語後半にある、杉元のアシㇼパへの想いが溢れ出すシーンについては「これまで積み上げてきた杉元とアシㇼパさんの関係性は、今作でより一層深まっています。僕たちも実際に長い期間をかけて撮影してきたからこそ、嘘なく、全ての想いを込めて表現できたと思っています。『アシㇼパさんには、山で鹿を捕って脳みそを食べてチタタㇷ゚してヒンナヒンナしていて欲しいんだよ、俺は!』というセリフからは、杉元がアシㇼパさんのことをちゃんと見てきたことが伝わりますし、アイヌ文化へのリスペクトがある彼だからこそ出てくる言葉で、杉元の人間らしい一面を感じました」と熱を込めて語った。
山崎賢人がトップランナーであり続ける理由
今作「ゴールデンカムイ」シリーズをはじめ、「キングダム」シリーズなど大作の主演を次々と務め、常に第一線を走り続けている山崎。多忙な日々の中で、彼の原動力となっているものは何なのだろうか。「やっぱり、楽しめるかどうかですね。この『ゴールデンカムイ』は撮影していてすごく楽しくて面白くて好きなので、間違いなく原動力です。そして、作品を観てくださっている方々が楽しみに待っていてくれていることも実感していて、それも大きな力になっています」という。自身のオフの過ごし方も「映画鑑賞や筋トレ。あとは、自然が好きです。キャンプに行ったり、温泉に入ったり…。まさに『ゴールデンカムイ』です(笑)。僕の好きなものが全部詰まっているのが『ゴールデンカムイ』なんです!」
そう晴れやかに笑う山崎の姿は、役を通して再確認した“当たり前の幸せへの感謝”と、シリーズを背負い続ける“覚悟”の両方を纏っている。作品と共に歩み、さらなる高みを目指す彼の挑戦は、これからも止まることはない。
取材こぼれ話
山崎の何事にも全力な姿勢は、スチール・動画撮影の現場でも随所に垣間見えた。「動く表紙」の参考として、過去に同企画に登場した吉沢亮の動画を流すと「あ、お亮だ!」と画面を覗き込み、にこやかに眺めていた。また、1月のカバーモデルを務めた事務所の後輩・佐野勇斗(M!LK)の動画や写真もしっかりチェック済みだったようで、スチール撮影では佐野が見せた、腕を後ろに回すポージングを自ら再現。「このポーズは思いつかなかった」「(佐野のポーズと)対にしたい」と、左右対称になるよう懸命に真似るチャーミングな姿が印象的だった。
楽しみながら、目の前のことに全力で取り組む。そんな彼の飾らない真っ直ぐな素顔に、現場全体が温かな空気に包まれた。(modelpress編集部)
山崎賢人(やまざき・けんと)プロフィール
1994年9月7日生まれ。2010年に俳優デビュー。「キングダム大将軍の帰還」(24)で第48回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。近年の主な主演作品は、映画「キングダム」シリーズ(19~24)、「劇場」(20)、「陰陽師0」(24)、「アンダーニンジャ」(25)、ドラマ「今際の国のアリス」シリーズ(20~25)など。2024年、ニューヨーク・アジアン映画祭で“The Best from the East Award”など受賞し、日本人として初の快挙を達成。2020年、米経済誌「Forbes」発表のAsian’s 100 Digital Starsにも日本人で唯一選出、2018年、IQIYI Screaming Night アジアベスト俳優賞を日本人として初めて受賞。スタッフクレジット
ヘアメイク:永瀬多壱(vanites)スタイリスト:伊藤省吾(sitor)
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