「半分、青い。」永野芽郁と佐藤健、脚本・北川悦吏子の目にはどう映っていたのか<インタビュー【2】>
2018.09.19 05:00
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北川悦吏子氏が脚本を手掛け、女優の永野芽郁がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)。放送開始前、北川氏自身が語っていたように「明らかに異端」であった物語は、9月29日、ついに最終回を迎える。「1話につき与えられた時間は3日」という執筆活動を終えた今、北川氏は何を思うのか――最終回目前、モデルプレスのインタビューに応じた。<2>
永野芽郁と佐藤健、北川悦吏子の目にはどう映っていたのか
「“朝ドラ”ってヒロインと作家が大変と聞いていた」という北川氏。ともに走り抜けたヒロイン・楡野鈴愛役の永野について「(クランクアップ後の)パーティーのスピーチでは、『笑えなくなった日もあったし、眠れなくなった日もあったし、泣いている日もあったし』と正直におっしゃっていて、苦しんでいる人がもう1人いたんだなと思いました」とエピソードを明かす。現場では寝ている姿も目撃したそうだが、それはプレッシャーから。「インタビューで『家に帰っても鈴愛が抜けない、夜不安で眠れなくなる』って言っていて、タフなだけじゃ、あの感受性豊かなお芝居はできないんだなと。彼女がどれだけ辛かったのだろうと思うと、年齢は離れてますけど、同志だったなと思っています」と大役を全うした彼女を労った。
そして、放送開始前のインタビューにて「ラブストーリーの相手役として、集大成になるんじゃないか」と語っていた鈴愛の幼馴染・律を演じる佐藤健については「律は分かりづらくて、そういうところが魅力であったと思うんです。ちょっとユラユラしたまま進んでいた。佐藤健くんはとてもお芝居ができてニュアンスも出る人なので、私のユラユラを彼がグイッグイッとリアルに立体に起こして画鋲のように止めていったのかなと。結局『律ってこういう人』っていうのは焦点を結ばないまま終わらせたいなという気持ちになったのは、佐藤健くんありき」と振り返る。
結果、「どこか天使のような妖精のような、それでいて“弱っちい男の子”みたいなイメージを行ったり来たりしながら書いていたような気がします」とはっきりとした輪郭を持つ鈴愛とは対極的な存在に。「理想というわけではないんですけど、『律がいたらいいな』って全女子が思ってくれるといいなと感じていた」という願いは視聴者に届き、物語中盤、一時律の出演がなかった時期には“律ロス現象”を巻き起こした。
「半分、青い。」で刺激を受けたキャストは?本人の魅力を投影させた若手俳優たち
また、個性豊かなキャラクターが多数登場したが、その中でも特に刺激を受けたキャストには鈴愛の同級生“梟会”の1人・西園寺龍之介(ブッチャー)を演じた矢本悠馬を挙げた。先に子役が決まり、あとから本役が矢本に決定したという今回の配役。「ブッチャーがあんなに愛されると思ってなかった」と想定外の反応を喜び、「当て書きではなかったんですが、一緒に育っていった感じ」と矢本が演じたからこそのブッチャーができあがった。
このほか、“マアくん”こと朝井正人役の中村倫也からも刺激を受けたようで、「私はテレビを観ないので彼のことは知らなくて、いただいた資料を見てその第一印象だけでゆるふわの掴みどころのないモテる男の子にしました」。
さらに、鈴愛の元夫・森山涼次役の間宮祥太朗についても、撮影前に直接会う機会を設けたといい、実際会った印象から、役を広げたと言う。
「りょうちゃんの欠片が見つかって、とにかく声がいいことに気づき、『僕は。』という詩を読むシーンを作った」と明かすなど、愛すべきキャラクターたちは本人の魅力を投影させ作り上げられていったようだった。
北川悦吏子の「◯◯したい!」は?
全156回。「1時間の連ドラや映画とは全然違うノウハウで作っていく。1年半書き続け、自分でも新しい技を編み出していく楽しみがありました」と、北川氏にとっても新たな発見が多かったという“朝ドラ”。最後に、第1週「生まれたい!」に始まり最終回が放送される第26週「幸せになりたい!」まで、鈴愛の感情や欲望を表現しているサブタイトルにかけ、幻の第27週として北川氏自身のサブタイトルを聞くと「『もう書きたくない!』(笑)」と即答。「初めて否定的なサブタイトルです(笑)。また書きたいを思うまでにどれだけ時間がかかるのか、でもまた書きたいと思う日が来るのを信じて待っている。なので、『また書きたい!』でもあるかな」と、1年半駆け抜けた今だからこその答えだった。(modelpress編集部)
あらすじ
そよ風の扇風機を作るために実験を重ねる鈴愛(永野芽郁)と律(佐藤健)。しかし、扇風機の風特有の「渦」を消す方法は見つからない。ある時、鈴愛は100円ショップ大納言で働いていた頃に田辺(嶋田久作)から聞いた話を思い出し、渦を消す方法をひらめく。それを受けて律が扇風機の羽根の改良を試みる。鈴愛は資金集めに奔走。二人三脚でようやく、そよ風の扇風機の試作機第一号が完成する。しかし、喜んだのもつかの間、試作機、試験データ、設計図など全ての資料が盗まれる。盗んだのは津曲(有田哲平)だった。
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