モデルプレスのインタビューに応じた土屋太鳳、佐藤健(C)モデルプレス

佐藤健、土屋太鳳の「どうしても辛かった」時期を支えていた 3年ぶり共演の舞台裏<映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」モデルプレスインタビュー>

2017.12.14 06:00

俳優の佐藤健と女優の土屋太鳳が、モデルプレスのインタビューに応じた。2人は、感動の実話を基にした映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(12月16日公開)で、約3年ぶりに共演。初のカップル役に挑み、奇跡の純愛物語を描く。本作に込めた思いから撮影の舞台裏、久々の共演で抱いた互いへの印象、そして結婚観までたっぷりと語ってもらった。

本作は結婚式の直前に突然の病で意識不明となった花嫁・麻衣と、彼女を8年間待ち続けた新郎・尚志(ひさし)の奇跡の実話を描いた物語。

撮影前には2人そろって岡山を訪れ、尚志さん、麻衣さん、ご家族と面会し、長時間の取材と、スタッフとのディスカッションを重ねて役作りに励んだ2人。スクリーンでは尚志さん、麻衣さんの激動の人生を、全力の演技で表現している。

実話を映画化―演じることへの“責任”

― 完成作をご覧になっていかがでしたか?

佐藤:いい映画だなと思いました。実話だということももちろんですが、作り方にも嘘がなかったので、自然とこみ上げてくるものがありました。もちろん自分が演じているので、反省点はありながらも、すごくいい映画だと素直に思えたし、自信を持って人に勧められる。出演できたことを幸せに思いました。

土屋:この作品で麻衣さんを生きられたことが奇跡だなと思いました。撮影前に麻衣さんと尚志さんにお会いしたんですけど、麻衣さんはいつも笑顔でチャーミングな方でした。だけど豪快さがあってしっかり芯を持っていらっしゃる。時々メッセージを交換させていただいたり、お料理を教えてもらったりもしたんですけど、言葉一つ一つに思いやりのある方で、たくさんの人に愛されている方なんだなと感じました。だからこそ、尚志さんと出会うシーンは大切にしたいと思って演じました。

(C)2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会
(C)2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会
― 実話を作品にするということでオリジナル作品と違った難しさややりがいを感じた部分はありましたか?

佐藤:慎重にはなりました。まずは麻衣さん、尚志さん、ご家族の皆さんがこの作品を観て、少なくともネガティブな気持ちにはなってほしくない。もちろん自分の役を魅力的に見せること、映画として目指すものはありながら、皆さんが観て、「昔はあんなことがあったね」と懐かしんでもらえるような作品にしたかったんです。なので、他の作品に比べて責任感のようなものが大きかったです。

土屋:そうですね。ご本人が同じ時代に歩んでいらっしゃるので、今回の映画がご家族の皆さんにいい影響になることを願って演じていました。自分とは違う人生を演技で表現することの責任というのはやっぱり大きかった。とにかく喜んで欲しいなという思いでした。

土屋太鳳の「どうしても辛かった」瞬間…佐藤健に支えられた撮影

― 佐藤さんと土屋さんは約3年ぶりの共演になりましたね。

土屋:はい。3年越しの奇跡でした。やっと健先輩とご一緒させていただくことが出来て、改めて器の大きい素晴らしい方だなと。たくさん助けていただきました。

土屋太鳳、佐藤健(C)モデルプレス
土屋太鳳、佐藤健(C)モデルプレス
佐藤:現場は自然といい空気ができていたので、僕が意識して空気を作ろうっていうことはなかったんですけど、現場では土屋さんは年下ですし何かあっても言いづらかったりすることもあるんじゃないかなと。なので、できるだけ違和感があったら言ってほしかったですし、そういう環境を作ろうというのは目指していました。

土屋:もうそれは本当に、一瞬一瞬すごく感じていました。リハビリのシーンは減量もして臨んでいたんですが、どうしても辛くて、自分から見える景色がすごく暗かったんです。だけど健先輩の「麻衣」という声で人の温かさを感じられたんです。それはきっと健先輩の持つ、人としての優しさや、温かさなんだろうなと。私が麻衣さんとして生きられたのは、自分の力で苦しさを乗り越えられたからというよりは、自分の思った違和感を引き出して、溜めないように溜めないようにしてくださった、健先輩の支えが一番のパワーになったからだと思います。それはきっと麻衣さんも同じなんじゃないかな。尚志さんが愛し続けて支え続けてくれたから、麻衣さんも乗り越えられたんだと思います。

佐藤健「こんなに応援したのは初めて」土屋太鳳に抱いた思い

― 病院に運ばれるシーンや闘病中のシーンは、体当たりの演技で強烈なインパクトがありました。やはり気持ちが重たくなる部分でもありましたか?

土屋:そうですね。気持ちの面でもそうですが、特殊メイクで体がすごく重たくて、呼吸器などをつけていたので酸素が入りづらくて、ちょっと意識が遠くなったりもしたんです。だけど実際の病院で撮影させていただいて、お医者様の力もお借りして。今回は本当に自分の努力というより、皆さんのパワーと愛で押し上げてもらえたなと思っています。

(C)2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会
(C)2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会
佐藤:土屋さんの役は本当に難しい役なので、僕がこれを演じろと言われても出来ないですよ。でも土屋さんだったらいけると思っていました。目の前で実際にこんな難しい役に挑戦している姿を見られたこと、側にいられたことが僕にとってもすごく幸せなことでした。自分も頑張らなきゃという気持ちもありながら、一緒に芝居をしていて共演者のことをこんなに応援するというのも初めてでしたね。「頑張れ」って。

土屋:ありがとうございます(照れ笑い)。

佐藤健&土屋太鳳の“8年後”、結婚観…

土屋太鳳、佐藤健(C)モデルプレス
土屋太鳳、佐藤健(C)モデルプレス
―今回8年越しの奇跡を描いたお二人ですが、もし8年後また共演する機会があったらどんな自分になっていたいでしょう?

佐藤:8年後か…。僕が36ですね。何歳?

土屋:私ちょうど30歳です。健先輩、あと2年で30歳ですか?

佐藤:そうだよ(笑)。たぶん8年後もこんな感じじゃないかな(笑)。見てみたいですね、土屋太鳳の8年後を。かなり興味深い。

土屋:30歳…結婚してるかな?

佐藤:結婚して子供がいてもおかしくない年齢ですからね。

― 結婚願望はありますか?

佐藤:今回の作品で、結婚して幸せな形というのが確かに存在するということがわかりました。

土屋:私もわかりました!お互いがお互いを愛し合っているお二人はすごく理想です。せっかく生きているんだから、結婚も前向きに挑戦したいなっていう思いはありますね。1人の人とつながる感覚っていうのは本当に大事だと思うので。人じゃなくても本でもいいですし。

佐藤:本?人じゃなくてもいいの(笑)?

土屋:あ、違います(笑)!人とつながることでも、本とつながることでも、自分が夢中になれるものがあれば素敵だなって。

佐藤:なるほどね(笑)。30歳になってもこんな感じでいてほしいですね(笑)。

― ありがとうございました。

――「伝えたいことがありすぎて…」と丁寧に言葉を選びながら話す土屋を、佐藤が優しく見守り、時折フォローを出す。そしてまた懸命に思いを伝えようとしてくれる土屋。…そんな2人の温かな空気感は、責任と覚悟を胸に、互いを信頼しあって本作を作り上げたからこそ生まれるものなのだろう。2人が描いた愛の結晶の物語をぜひスクリーンで見届けてほしい。(modelpress編集部)

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佐藤健/スタイリスト:岡部俊輔 (UM)/ヘアメイク:古久保英人(OTIE)

土屋太鳳/ヘアメイク:永瀬多壱(VANITES)/スタイリスト:木村舞子/スカート¥16,000(税抜)MERCURYDUO:03-5447-6533 その他スタイリスト私物

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』12月16日公開

(C)2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会
(C)2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会
出演:佐藤健土屋太鳳、薬師丸ひろ子、杉本哲太、北村一輝、浜野謙太、中村ゆり、堀部圭亮、古舘寛治
監督:瀬々敬久
脚本:岡田惠和
原作:中原尚志・麻衣「8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら」
主題歌:back number「瞬き」(ユニバーサル シグマ)

【ストーリー】
意識の戻らない恋人を、あなたは何年待てますか―。

結婚を約束したカップル、尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)。結婚式を間近に控え幸せ絶頂だったある日、原因不明の病が突然麻衣を襲い、意識不明となってしまう。いつ目が覚めるかわからない状態に、麻衣の両親(薬師丸ひろ子、杉本哲太)からは「もう麻衣のことは忘れてほしい」と言われるが、尚志は諦めず麻衣の側で回復を祈り続ける。長い年月の末、ようやく麻衣は目を覚ますが、さらなる試練が二人を待ち受けていた。そして二人が結婚を約束してから8年、ついに最高の奇跡が訪れる―。

佐藤健(さとう・たける)プロフィール

1989年3月21日生まれ、埼玉県出身、A型。主な近年の出演作に映画「バクマン。」(2015)、「世界から猫が消えたなら」「何者」(2016)「亜人」(2017)、ドラマ「とんび」(2013年)、「ビター・ブラッド~最悪で最強の親子刑事~」(2014年)、「天皇の料理番」(2015年)など。2018年には映画「いぬやしき」「ハード・コア」が公開予定。また、2018年4月よりNHK連続テレビ小説「半分、青い。」に出演。

土屋太鳳(つちや・たお)プロフィール

1995年2月3日生まれ、東京都出身、O型。2005年、スーパー・ヒロイン・オーディション MISS PHOENIX 審査員特別賞を受賞し、2008年に映画「トウキョウソナタ」にて女優デビュー。平成27年度前期連続テレビ小説「まれ」ヒロインをつとめ、知名度と人気が急上昇。その後も、ドラマ「下町ロケット」、映画「orange」「青空エール」「PとJK」「兄に愛されすぎて困ってます」「トリガール!」などに出演。今後は、映画「となりの怪物くん」(2018年公開)、「累―かさねー」(2018年公開)などを控える。2018年1月からは初舞台「プルートゥ」に出演。
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