木村文乃「心がすごく忙しかった」 自分と重ねて、グサッときて…「先回りして勝手に病んじゃう」過去から成長した自分<モデルプレスインタビュー/Vol.1>
2017.08.14 12:30
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俳優の岡田将生と女優の木村文乃がW主演をつとめる映画「伊藤くん A to E」(2018年初春)が、公開に先駆けドラマ化(TBS:8月15日深夜1:28~、MBS:8月20日深夜0:50~/全8話)される。同作は、容姿端麗だが、自意識過剰で無神経すぎる【痛男】伊藤誠二郎(岡田)と、彼に人生を振り回される高級カバン販売員、フリーター、タルト店の店員、大学院生、脚本家の【A~E】の5人の女性たちの物語。ドラマ版では、木村が単独主演をつとめ、映画だけでは描き切れない、【A~D】の女性たちと“伊藤くん”の切なく痛い恋模様を赤裸々に映し出す。今回モデルプレスでは、【A~E】の女性を演じる木村文乃、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆にインタビューを実施。Vol.1は、【E】崖っぷちアラサ―毒女・矢崎莉桜を演じる木村のインタビューをお届けする。
目次
「伊藤くん A to E」ドラマ化
同作は2014年本屋大賞にランクインした「ランチのアッコちゃん」をはじめ、あらゆる世代の女性から熱い支持を受ける作家・柚木麻子が、2013年に発表し、自身初の直木三十五賞候補作となった会心の恋愛小説を廣木隆一監督が実写映画化。落ち目の脚本家で、【A~D】の恋愛相談を利用し、再起をかけて新たなドラマの脚本を書き始める【E】木村のほか、【A】「ぞんざいに扱われる女」高級カバン販売員・島原智美役を佐々木、【B】「自分の殻に閉じこもる女」フリーター・野瀬修子役を志田、【C】「愛されたい女」タルト店の店員・相田聡子役を池田、【D】「高学歴の鉄壁女」相田聡子の親友で大学院生・神保実希役を夏帆がそれぞれ演じる。
このほか男性キャストには、【E】(木村)のかつてのパートナーで、【A~D】4人の恋愛相談をネタにしたドラマ企画をけしかけるプロデューサー・田村伸也役に田中圭、莉桜の大学の後輩で、今や彼女の存在を脅かす売れっ子若手脚本家・クズケンこと久住健太郎役に中村倫也、ドラマ版のみの出演となる莉桜がかつて脚本を手がけた伝説の大人気ドラマ「東京ドールハウス」に出演する主演俳優・沖田役に山田裕貴。
ドラマでは、【A~D】4人の女性たちが語るそれぞれの“伊藤くん像”を、莉桜が妄想する姿として、田中(【A】の伊藤)、中村(【B】の伊藤)、山田(【C】の伊藤)が、自身の本来の役どころとは別に演じ分け、徐々に本物の“伊藤くん”へと迫っていく莉桜の目線を追体験できる演出が施されている。
毒女役は「心がすごく忙しかった」
― 今回、木村さんにとって新境地とも言える“毒女”という役どころに挑戦されていますが、ご自身が演じた莉桜の印象を教えてください。木村:イタいです(笑)。でも、イタいところが良い。演じてみて、そう感じました。
― 「こういう人いるな」とリアリティを感じる部分はありましたか?
木村:莉桜だけでなく、全体を通して、男性から見たら女性という生き物を知る良い説明書のようなお話だと思います。「何で女の人は、こういうときこうなるんだろう」っていう疑問が全部詰まっているんじゃないかなと。
― 莉桜のほかにも、様々なタイプの女性が登場するので、そういった視点で観てみるのも面白いですね。
木村:そうなんですよね。傷口に塩を塗るようなイタい話ではあるんですけど、真面目さがシュールな面白さになって笑えると思います。莉桜は相談役という立場で、4人にとっては、痛みをさらけ出せる場所、自分が向き合える場所でもあるんです。実はそんな風に思ってる彼女たちを、心の中では汚い言葉で罵ったりするんですけど、結局1番傷ついているのは莉桜自身で…。そんな莉桜が、彼女たちから逃げずに、最後まで見届けているっていうところが、私はすごく好きでした。向き合ったからこそ、見えてくるものがあると思うので、それを感じていただきたいです。
― 彼女たちをしっかり見ているからこそ、莉桜のツッコミは的確ですよね。
木村:自分が良いと思ってやっていたことが、周りにはそう見えてないってことを代弁しています。それは、同じような境遇の人からすれば、「世の中がそう思っていたんだ」と知るチャンスだと思うんです。案外ズバッと言ってくれる人っていないですし、気付けないまま大人になったらイタい人間になってしまうし。皮肉だけど、愛情を持って毎回ツッコんでいました。
― 視聴者の方は、そのツッコミに共感すると思います。
木村:そうなっていただけると嬉しいです。演じてる側としては、「本当に女って!」って思いながらも、「自分もそうだな」って重なる部分があったので、しんどかったですけどね(笑)。毒を持ってツッコミつつ、自分にもグサって刺さって、心がすごく忙しかったです。
「今が完成形ではない」自分
― ちなみに、木村さんが【A~D】の中で1番共感できたのは誰ですか?木村:夏帆さん演じた実希です。頭でっかちになっちゃって、何かする前に先回りして勝手に病んじゃうところですね。今はさすがに色々成長できたと思いますが、昔は特にそうでした。そういう女性って少なくないと思うんです。例えば、仕事ばっかりやって来たから、いつの間にか恋愛を置いてけぼりにして今さらどうしたらいいか分からない、とか。
― バランスのとり方に悩む、と。
木村:そうそう。でも、この間共演させていただいた俳優さんたちから、「女性が必死な姿を見せるのは、悪くない」って話を聞いて、何だか少しホッとしました。ひとつ1つのことに熱中してることや、それをさらけ出すことって、やっぱり悪いことではないんだなと思いました。
― “必死さ”もさらけ出していい。
木村:本編でも、【A~D】の女性たちが、それぞれそのことに気付いていく場面があるんですけど、自分がひっかかっていた部分って、何かのきっかけでふと「なんでこだわってたんだろう?」「なーんだ」って思えることって多いと思うんです。
― 先程、実希のように「昔は先回りして病んでしまう部分があった」とおっしゃっていましたが、何か考え方が変わったきっかけがあったのでしょうか?
木村:具体的に何かこれというきっかけがあったわけじゃなく、仕事をしていく上で、色々な考え方を身に着けなくてはいけないなと思うようになってから自然とです。生きていくうちに、身についたという感覚です。もちろん、今が完成形ではないですし、これからも考え方は変わっていくと思います。経験を重ねたことで変わっていくんだと思います。
“嫌い”だけで排除しない生き方
― 女性たちが振り回される“伊藤くん”には、モンスター級の【痛男】というキャッチフレーズがついていますが、木村さんから見た印象はどうですか?木村:はっきり言って最低なんですけど、伊藤くんがいなければ皆、自分と向き合うことがなかったと思うんです。その姿を見ていると、最低だからって排除するんじゃなくて、どうして自分はその人を最低だと思うんだろうってところから掘り下げていくことが大事なんじゃないかなと思いました。そういうことがきっかけで、自分の中のひっかかってる部分が見つかる可能性もありますし。
― 実生活に置き換えても、同じものの見方をしていますか?
木村:同じだと思います。もし嫌いなことがあったとしても、だからという理由だけで全部を否定はしません。私はこれが嫌いだけど、それを好きな人もいて、じゃあ好きな人はどの角度から見ているんだろうって。黒いものは、少ない方が絶対生きやすいだろうから、それを減らしていくってイメージです。
相談は受けないタイプ
― 今回、莉桜は4人から相談を受けるという立場ですが、もし莉桜のように仕事に悩んでいる女性から相談を受けたら、どんなアドバイスをしますか?木村:ん~…私自身はあんまり相談にのるタイプじゃなくて…。
― ご自身が相談をすることもあまりないですか?
木村:しないです。女性の相談って本当に答えを迷っているというよりは、背中を押してほしいとか話を聞いて欲しいとか、そういう比重の方が大きいと思うので、もし相談されても話を聞くことに徹します。
恋愛に悩んでいる読者へ…
― 恋愛に悩んでいる読者に向けに、このドラマの見どころポイントを教えてください。木村:恋愛において、何失敗するって怖いことだと思うんです。自分だけじゃなく周りを巻き込んでいくし、怖さから踏み切れない人もいると思います。でも、このドラマには莉桜とか伊藤くんとか、悪いお手本がたくさん出てくるので、「こうしなければいいんだ」という教本として観てもらえると楽しいと思います。
― 反面教師にして。
木村:「男の人ってこれをしたら引くんだ」とか「これが嫌なんだ」とか、気付かされることがたくさん!これから恋愛する人も、今恋愛で躓いている人も、ある意味、元気をもらえる作品になっていると思います。
“夢を叶える秘訣”
― では、最後に木村さんがこれまでのキャリアを振り返って実感する「夢を叶える秘訣」を教えてください。木村:「秘訣」というほど偉そうに言えませんが強いて言えば、ちゃんと自分の頭で考えること、です。すぐに「どうしたらいいですか?」って聞かず、まず自分がどうしたいのか考えることが1番かなと最近思います。相手に委ねている時点で、考えることを諦めてるのかなと思うんですよね。何をするにも、頭って必要で、考えることが次に向かうステップになると思うので、常に自分自身に問いかけていくことを大切にしています。
― ありがとうございました。
<1・2話>【A】ぞんざいに扱われる女
ドラマ版で単独主演をつとめる木村にとって、「毒女」という新境地を切り開く意欲作。4人の女性たちに辛辣なツッコミを入れると同時に、彼女たちを通して自分と向き合っていく姿に共感できる人も少なくないはずだ。第1話(TBS15日・MBS20日放送)・第2話(MBS20日・TBS22日放送)は、【A】島原智美(佐々木)の物語。高級カバン専門店で販売員として働いている智美は、容姿端麗・スタイル抜群。合コンで知り合った“伊藤くん”とは、5年間一方的に付き合っていると信じ込み、尽くし続けている。しかし、どれだけ経っても相手にしてもらえない彼女…「ぞんざいに扱われる女」の恋の行方は?(modelpress編集部)
木村文乃(きむら・ふみの)プロフィール
生年月日:1987年10月19日出身地:東京都
血液型:AB型
身長:164cm
2006年に映画「アダン」にて女優デビュー。以降、「梅ちゃん先生」(NHK/12)など話題のドラマに多数出演。その演技力が高く評価され、2014年には、第38回エランドール賞新人賞を受賞。2015年、「マザー・ゲーム~彼女たちの階級~」(TBS)で連続ドラマ初主演を果たす。代表作に「銭の戦争」「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」(KTV/15年)、「石の繭 殺人分析班」(WOWOW/15年)、「A LIFE〜愛しき人〜」(TBS/17)など。今後は映画『火花』(2017年11月23日公開)、『羊の木』(2018年公開予定)など待機作が多数控えている。
ドラマあらすじ
矢崎莉桜(木村文乃)、32歳。職業・脚本家。5年前に担当したドラマ「東京ドールハウス」は大ヒットを記録し、伝説の恋愛ドラマを書いた脚本家になりつつあったが、以降ヒット作を出せず、過去の栄光になんとかすがってプライドを保っている。そんなある日、「東京ドールハウス」をネタに書いたエッセイ本「ヒロインみたいな恋をしよう!」が発売され、トークショーを開催することに。「ほんの少しの知識と勇気があれば、恋はきっと叶うんです」。恋愛について講演する莉桜の話を真剣に聞く女性たち。けれど莉桜の心の声は──「私が笑えば無条件に頷く、つまらない女たち……」毒舌だ。
かつて、公私ともにパートナーだったドラマプロデューサーの田村伸也(田中圭)が、トークショーに参加した女性たちの恋愛相談企画を勝手にすすめていたことも気に入らない。「くだらない…」と思いながらもアンケート用紙に目を通すと、4人の女性たちに“ある共通点”があることに気づく。それは、彼女たちが相談している男の名前がみんな“伊藤”だったことだ。偶然?
莉桜は恋愛相談の当選者として、島原智美(佐々木希)、野瀬修子(志田未来)、相田聡子(池田エライザ)、神保実希(夏帆)に会って話を聞くことにする。彼女たちを振り回す男たちは、みな容姿端麗らしいが、自意識過剰で幼稚で無神経。聞くにつけ首をかしげたくなるほどの「痛男」。こんな男のどこがいいのか―。
恋愛相談を利用し、再起をかけて新たなドラマの脚本を書き始める莉桜は、徐々に4人が語る伊藤が同一人物ではないかと考え始める。いったい伊藤は何者なのか―。彼の狙いとは―。
待ち受ける予測不能な衝撃のラストに誰もが震撼する―。
【Not Sponsored 記事】
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