モデルプレスのインタビューに応じた松尾太陽(超特急)(C)モデルプレス

純白の“俳優・松尾太陽”がモスグリーンの少年を演じたら― 山崎賢人との“約束”も実現<インタビュー>

2017.01.27 12:00

7人組メインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」のタカシ(20)が“俳優・松尾太陽”として、グループ結成後初の映画単独出演を果たす『一週間フレンズ。』(2月18日公開/村上正典監督)。グループでは「タカシやで!」と元気いっぱいのあいさつでおなじみの彼だが、今作ではその笑顔を封印し、クールでありながらも温かい心で親友に寄り添う桐生将吾役を演じている。俳優としてまだ“純白”の彼が、“モスグリーン”の少年を演じたら―。現場での空気を繊細に察知した役作りを振り返るとともに、主演・山崎賢人(22/※「崎」は正式には「たつさき」)と交わした約束についても語ってくれた。

桐生将吾の気持ち、言葉の重みを大切に

クールな表情に温かな心を秘めた桐生将吾役を好演(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
クールな表情に温かな心を秘めた桐生将吾役を好演(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
― 葉月抹茶氏のベストセラーコミックを実写映画化した今作は、“友達の記憶”を一週間で失ってしまう記憶障害を持つ藤宮香織(川口春奈)と、そんな彼女に「友達になってください」と想いを伝え続けるクラスメート・長谷祐樹(山崎)の青春ラブストーリー。松尾さんが演じる桐生くんは長谷くんの親友ですが、本当に非の打ち所のないイケメンで!

そうですよね!桐生って本当にそうなんですよ!(笑)すごくいいところがてんこ盛りなんです!

― 完成した作品をご覧になった率直なご感想をお聞かせください。

もともと原作の漫画とアニメを観ていましたが、映画でも『一週間フレンズ。』ならではの温かい空気が生まれているなぁ、というのが一番に感じたことです。そして友達の大切さに改めて気づけたような気もします。

― ご覧になった時は、観客目線で?

観客目線で観たいんですけど、やっぱり自分のシーンになるとどうしても出演者としての自分の目線で観てしまいます。

授業中はいつもこんな風景… (C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
授業中はいつもこんな風景… (C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
― 桐生くんは授業中いつも寝ているのに成績優秀、女の子からもモテるけど決してチャラつかずクールな振る舞いをするイケメンですね。

ほどよい位置にいるんですよね、彼は。いい意味でずるいんですよ(笑)。

松尾太陽(C)モデルプレス
松尾太陽(C)モデルプレス
松尾太陽(C)モデルプレス
― (笑)。役作りの中で特に意識されたことは?

桐生の気持ちをすごく大事にしました。ただ単にクールで黙っているだけじゃなくて、そこに感情があるからこそ放つ言葉があると思ったので。桐生がしゃべる一言一言全てに意味があるし、その言葉の重みを感じ取りながら、「何を思ってこの言葉を言ったんだろう?」ということを大切に演じました。

― 台詞が少ないと難しい部分もあるかと思いますが、桐生くんの心の温かさを繊細に表現されていました。

彼の気持ちはあまり表には出ないけど、誰よりも友達のことを想っているんですよね。素直じゃない部分もあるので、ちょっと黙っちゃったりもするんですけど、ここぞという時に気にかけてくれたり、言葉をかけてくれたりもする。本当に彼がいなければ、香織と祐樹の関係はうまくいかなかっただろうなと思います。

― 松尾さんの超特急でのイメージカラーは“純白”ですが、桐生くんを色で例えるとしたら?

桐生の衣装は結構グリーンが多かったんですよ。その中でも濃い系のモスグリーン。だから僕はそのイメージが強いです。

― 制服の上に羽織っていたパーカーもモスグリーンですね。確かに、森のように静かで、強く包み込むイメージもピッタリかもしれないです。

自然色って感じですよね。もしかして衣装さんはそこまで計算していたんじゃないかなって思うくらいしっくりくる色だなって。だから僕がイメージカラーをつけるとしたらモスグリーンです。

― 撮影にあたり、原作にゆかりのある聖地巡礼にも行かれたとか。

はい。実際に行ってみて、そこの空気を感じたかったんです。でも撮影に入ってからは、教室をはじめ、その場所でしか生まれることのない気持ちを大事にしました。生徒役のエキストラの方々もたくさんいるすごく賑やかな空気の中で、事前の準備では感じられなかった気持ちがたくさん生まれてきて。それをすごく大事に、丁寧に扱いながら演じようと思っていた記憶があります。

山崎賢人と「いつか共演したい」約束が実現

山崎賢人と交わした“約束”とは?(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
山崎賢人と交わした“約束”とは?(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
― 山崎さんとは同じ所属事務所で年齢も近いですね。

山崎くんとは僕が中学1年生ぐらいの時にお話させて頂いて、そこからずっと知り合いだったんです。その時に「いつか共演したいよね」と話していたので、今回この作品に出演できると決まった時は、すごく感慨深いものがありました。

― しかも親友役で!

はい!中学1年生って、本当に僕が事務所に入ってすぐくらいだったんですけど、こうして初めて大きな役をいただけて、さらにその約束を果たせたというのは嬉しかったです。

― これまでは山崎さんの作品を観て刺激を受けることもありましたか?

はい、ずっと観ていました!山崎くんが俳優として活動を始めて間もない頃からドラマや映画を観てきたので、彼の演技がどんどん変わっていくのが映像を通して伝わってきて。それは僕が「演技ってこんなに面白いものなんだな」と感じることのできたきっかけでもあったんです。

― 今回の共演で新たに気付いたことは?

山崎くんは切り替えがすごくしっかりしているんだなと思いました。空き時間はたわいもない話をしたりするんですけど、いざ本番になると、そこにはもう長谷祐樹がいるんですよ。そして演技に対してすごいストイックです。現場にいる間は、一回演じてみて、モニターをチェックしに行って、また演じて…と丁寧に繰り返していて、すごく貪欲なんだなと思いましたし、僕もその姿勢に強く刺激を受けました。

映画『一週間フレンズ。』より(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
― 映画単独初出演ということで、現場ではすごく緊張されていたそうですね。

だいぶ緊張していましたね(笑)。現場でクランクインした直後は、まず自分の中でどうやって空気を作っていこう?というところから始まって。いろいろ模索しながら進めていきました。その気持ちをほぐしてくれたのが共演者の皆さんや監督、スタッフの方々でした。皆さんの力があったからこそ、僕は桐生将吾という役を最後まで演じ切ることができたので、本当に「ありがとうございます」と心から伝えたいです。

友達には頼られたいし、協力したい

映画『一週間フレンズ。』より(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
― 長谷くんと桐生くんはタイプが違うからこそ、親友としていいバランスなのかなと思うのですが。

そうですね。まさに両極端な感じがいいコンビネーションを生んでいるんだなと思いました。似た者同士がぶつかるよりも、違うタイプがぶつかったほうが絶対に面白いものが生まれると思うし。異色ではあるけど、ぶつかってみたら案外しっくり来たりするものなのかもしれませんね。

― 松尾さんご自身はどちらのタイプに近いと思いますか?

僕は桐生みたいにクールな感じではないので、どちらかと言うと祐樹かな。でも祐樹がすごいのは何事も諦めないところ。そこはすごく尊敬するべきところだなと思いますね。

― 香織との間には本当に大きな壁がありますが、まさに“当たって砕けろ”精神で前向きに立ち向かっていきますね。

祐樹を見て、“当たって砕けろ”がこんなにもカッコイイんだ!って思えました。

― もし松尾さんの近くに長谷くんのような友人がいたらどうしますか?

僕もできる限り背中を押してあげたいし、相談に乗ってあげたいと思います。協力できることがあったらしてあげたいですね。友達が悩んでいる姿って、自分もそばで見ていてつらいじゃないですか。だからそういう悩みは遠慮なく言ってくれたほうがお互いすっきりするんじゃないかなって。

松尾太陽(C)モデルプレス
― 普段は悩みを話す方と聞く方、どちらが多いですか?

どちらかというと聞く方が多いかな。自分が何か相談をするよりも、頼られる方が嬉しいです。「友達なんやったらもっと頼れよ!」って思います。

― ご自身は困難な恋にも突き進んでいくタイプ?それとも尻込みしてしまう?

どうだろうなぁ…。でも本当に好きな人だったら諦めないんじゃないかなって思います。

― どんなハードルがあっても。

はい。でも祐樹ほど積極的には行けないと思うので、そこが彼のすごいところだと思います。彼の純粋な気持ちの大きさが直に伝わってくるからこそ、何度も何度も諦めず…というのが許されるというか。誰にでも真似できるものじゃないと思うので、そこはすごく面白いですよね。

“俳優・松尾太陽”のこれから

松尾太陽(C)モデルプレス
― 最後に“俳優・松尾太陽”のこれからについて。今回は等身大の学生役でしたが、今後はどんな役を演じてみたいですか?

今回は学生役で、自分の経験をもとに想像しやすい範囲内ではあったので、いつかは警察官や消防士など、自分が経験したことのない特定の職業を演じてみたいです。あとは桐生がクールだったので、逆にめっちゃ明るい役とか…二面性のある役もやってみたいし、なんでも挑戦してみたいです!

― 楽しみにしています!ありがとうございました。(modelpress編集部)

松尾太陽(まつお・たかし)

松尾太陽(C)モデルプレス
1996年生まれ、大阪府出身。2010年、『大奥』(金子文紀監督)に出演し芸能界デビュー。2011年より、史上初のメインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」のバックボーカル・タカシとしても活躍中。映画『サイドライン』(2015/福山桜子監督)では超特急として主演をつとめた。

映画『一週間フレンズ。』(2017年2月18日公開)

映画『一週間フレンズ。』(2017年2月18日公開)(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
映画『一週間フレンズ。』(2017年2月18日公開)(C)2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会
原作:葉月抹茶「一週間フレンズ。」
主題歌:スキマスイッチ「奏(かなで) for 一週間フレンズ。」
監督:村上正典
脚本:泉澤陽子
出演:川口春奈、山崎賢人、松尾太陽、上杉柊平、高橋春織、上杉柊平、古畑星夏、国生さゆり、甲本雅裕、戸次重幸 ほか
<ストーリー>
高校2年生の長谷祐樹は、初めて会った日から惹かれていた同級生・藤宮香織に、思い切って「友達になってください」と声をかける。が、香織は必死で祐樹を拒む。実は彼女には“友達のことを一週間で忘れてしまう”という記憶障害があった。それでも香織のそばにいたいと願い、毎週月曜日、記憶がリセットされるたびに、香織に会いに行く祐樹。2人は交換日記をはじめて、少しずつ距離を縮めていく。そんなある日、香織の過去を知る転入生が現れて―。

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