モデルプレスのインタビューに応じた藤田富(C)モデルプレス

藤田富「仮面ライダー」主役で脱皮 “読モ出身”の自覚と決意「違う景色を見せてあげたい」 モデルプレスインタビュー

2016.06.25 08:00

モデルで俳優の藤田富(ふじた・とむ/24)が、モデルプレスのインタビューに応じた。俳優の谷口賢志と共に主役を務める「仮面ライダーアマゾンズ」(Amazonプライム・ビデオにて全13話が配信中)が7月より地上波で放送されることが決定。歯科大学に通う読者モデルとして注目を浴び、大倉士門、鈴木勤、こんどうようぢと共に、“メンズ読者モデル四天王”に君臨。『SamuraiELO』専属モデルや『Popteen』のメンズモデルを務め、原宿を中心として10代女子から圧倒的な支持を集めてきた藤田にとって、今作は“読者モデル”から“俳優・藤田富”に脱皮するための大きな挑戦となった。

人を喰う“アマゾン”が主役

仮面ライダーシリーズ第4作目にして、そのビジュアルとほかの仮面ライダーとは一線を画すワイルドなアクションから、シリーズ最大の異色作と呼び声も高い“仮面ライダーアマゾン”の完全新作となった今作。4月の配信スタート後からそのダークな世界観、圧倒的な映像クオリティ、リアルな演出で反響を読んでおり、シーズン2の制作も決定(2017年春配信予定)。盛り上がりを受け、オリジナル版を再編集したテレビ版の放送決定に至った。

(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
仮面ライダーアマゾンオメガ(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
仮面ライダーアマゾンオメガ(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
藤田演じる水澤悠(みずさわ・はるか)は、自身が病気だと教わり、家の中だけで育てられてきた心優しい青年。だがある日、たんぱく質を好む“アマゾン”細胞が覚醒。コントロールの効かなくなったアマゾンが4000体解き放たれた街で、仮面ライダーアマゾンオメガとして、駆除側に協力することに。同種のアマゾンである仁(谷口)との出会いで、自らの出生とその生き方に向き合っていく。

藤田富、演技に絶賛の声集まる

藤田は、昨年4月に「はっぴぃはっぴぃどりーみんぐVol.9『大正浪漫探偵譚-東堂探偵事務所-』」で舞台デビュー。以降、役者としての経験を積み重ねてきた。

藤田富(C)モデルプレス
「仮面ライダーアマゾンズ」では、「自分は人間なのかアマゾンなのか」と葛藤する悠を熱演。野生が目覚め、アマゾンオメガに変身する場面では、猛獣のような雄叫びを上げ、狂気をはらむ演技を披露。伝統ある作品で、大役を務め上げた藤田の演技に、視聴者からも「演技がすごく良い」「正直演技力に驚かされた」と絶賛の声が寄せられている。

「仮面ライダー」へのプレッシャーは「嬉しすぎてなかった」

藤田富(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
藤田富(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
― 撮影を終えた今の心境をお聞かせ下さい。

藤田:入る前は、4ヶ月間くらいの撮影が長いなって思っていたんですけど、今はすごく寂しい気持ちとすっきりした気持ちです。

― 仮面ライダーシリーズの主人公ということに対するプレッシャーはありましたか?

藤田:今までも舞台を半年で5本とか、俳優業をちょこちょこやってはいたんですが、やっぱり“モデル”って言われ続けていたんですよ。「読者モデルが舞台やっている」と思われている部分はどうしてもあったので、こうして人気シリーズに出ることが出来て本当に嬉しくて。決まってから現場に入るのも早かったですし、嬉しすぎてプレッシャーがなかったです。

― 喜びが先行したんですね。

藤田:はい。でも、出来るかなという不安はありました。「めちゃくちゃ怒られるんじゃないかな」とか。台本も撮っている内にどんどん変わったりするので、「もしかしたら途中で(役が)殺されるかもしれない」とか、「芝居できないからセリフ減らそう」とか言われるんじゃないかなって思ったりして。

藤田富(C)モデルプレス
― 演技でこだわった部分はありますか?

藤田:義理の妹・美月(武田玲奈)とのシーンですね。引き止める美月を「俺はもう変わったから、君とはもう違うから」と突き放すんです。そこでストレートにその行為そのものが伝わってしまうと、すごく嫌なやつになってしまう気がしたので、美月を思いながらもしている行動という表現を表情で出来るように、結構考えました。

藤田富、武田玲奈(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
藤田富、武田玲奈(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
― 悠の葛藤が伝わってくるシーンでした。

藤田:仁とは、谷口さんの演技に対して真剣に応えるだけだったんですけど、美月に対しては相手の演技を受けつつも拒否するという複雑な感情をどう表現するか、すごく悩みました。

葛藤を抱える役柄に共感「厳しい家庭で育ってきた」

― 心に葛藤を抱える難しい役どころだったと思いますが、どのように役作りされましたか?

藤田:悠は感情を内に秘めてはいつつも、MAXに出すか、それを全て我慢するか、というある意味極端な人間。「60%で演技するんじゃなくて、100%で演技してくれ」と指導を受けて、個人的にはやりやすかったです。逆に日常の生活の方が悩みました。

藤田富(C)モデルプレス
― 感情を爆発させるシーンはとても迫力がありました。悠に共感できるポイントはありましたか?

藤田:僕自身、結構厳しい家庭で育ってきて「勉強するために部活辞めろ」だとか言われてきたんですよね。自分のやってきたことに似ていたので、悠の気持ちが分かる気がしました。悠はストーリーが進むにあたって、自分の内に秘めているものに従っていくんですけど、僕も内に秘めていたやりたいことを今結局やっているので、そういうところもリンクするなと。

― 厳しい家庭で育ったということですが…。

藤田:もちろん僕の家庭よりも厳しい所もたくさんあると思うんですけど、僕の場合は、幼稚園の頃から小学校受験をしたりだとか、結構教育熱心な家庭でした。自分の意思でもあったんですけど、例えば友達がみんな遊んでいる間も僕は塾に通っていて。あと、20歳になるまでお泊り禁止だったんですよ。友達と旅行とかも絶対ダメで、高校時代の門限は20時でした。

藤田富(C)モデルプレス
― 悠と境遇が似ていますね。

藤田:その中でも楽しんではいたんですけど。僕も大人になるにつれて色々な世界を知って、やりたいことも見つけて今に至ります。

親の反対も

― 芸能活動をスタートされてからは、ご両親の反応はどうですか?

藤田:今も反対していますよ~(笑)。この作品が決まったときも家族に電話かけました。お父さんもおばあちゃんも喜んでくれたんですけど、その後にお母さんにかけたら「え、それがどうしたの?」って。まだ少し反対しているみたいです。

藤田富(C)モデルプレス
― それはやはり、歯医者の道に進んで欲しいということでしょうか?

藤田:やっぱりずっと教育して来て大学も行かせてもらったので、そっちの道に進んで欲しいという気持ちはあると思います。僕がまず「モデルになる」って言ってフリーで活動して、109の販売員とかもやっていて…、まさか俳優の仕事をやるとは想像していなかっただろうなと思います。

ファンへの思い「違う景色を見せてあげたい」

藤田富/ヘアメイク・衣装:長野一浩(C)モデルプレス
藤田富/ヘアメイク・衣装:長野一浩(C)モデルプレス
藤田富(C)モデルプレス
藤田富(C)モデルプレス
― モデルから俳優を目指すようになったきっかけを教えて下さい。

藤田:もちろんモデル業も楽しかったです。でも、長い間ファッションショーやトークショーしか出演経験がなかったので、そこをなんとか変えて一歩先のことをしたかったんですよね。自分をそこまでかっこいいと思わないですし、ファンの方にイベントなどで「キャー」って言ってもらえること自体が疑問で。モデルを始めてからもう3年近く経つのですが、ずっとどんなことがあっても付いてきてくれるファンの子がいて、そういう子たちに違う景色を見せてあげたいっていうことがきっかけです。

― 作品が始まって、“俳優・藤田富”としての反響は感じてらっしゃいますか?

藤田:舞台で長い間姿を見せて声も聞こえるっていうことに喜んでくれますね。それにその舞台や作品自体を好きになってくれたりしますし、他のキャストさんを観に来てくれた方が、俺のことを好きになってくれるとか。今回の作品は特に、仮面ライダー愛好家の方からTwitterで感想を頂いたりしました。

藤田富、谷口賢志(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
藤田富、谷口賢志(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
― 今回の作品でご自身の演技に100点満点で点数をつけるとしたら?

藤田:20点です。

― 厳しい!

藤田:まだまだですね…何をするにしても不安で、毎回自分の演技をモニターで見に行きたいくらい。自分は常にやった演技がカメラにどう映っているのかも分からない“ぺーぺー”ですし、自分が出来たと思って見ても出来てなかったりするので、もっと上手くなりたいです。

藤田富(C)モデルプレス
藤田富(C)モデルプレス
― ストイックでさすがです。楽しいことだけじゃないと思いますが、ファンの方の声が一番のモチベーションでしょうか?

藤田:やっぱり環境がどんどん変わるにつれて出会いも増えますし、元々読者モデルしかいない中で、エキストラに毛が生えたような役をやって、それをファンの皆が一気にTwitterで拡散してくれたりすることから始まったんです。そのときは、まさか自分が仮面ライダーをやらせて頂けると思ってなかったし、今こうしてすごいところにいさせてもらっているんだなと思うと、もっともっと上の景色があるような気がして。

― まだまだ全然やりきってないと?

藤田:やりきってないです!今後どうなるかは不安ですけど、僕がまだ出来てないこととか、出来てない演技とか、やれることがいっぱいあるので、やりきったときに、この先のことを悩もうかなって思っています。

カリスマ読者モデルから“俳優・藤田富”へ

― これからモデルと俳優を両立するのか、俳優だけでいくのか、今後の目標は?

藤田富(C)モデルプレス
藤田:いただいた仕事をしていくだけなので、特に決めてないです。モデルだけどCMに出たり、タレントとしてバラエティ番組にたくさん出ている人もいたり、変に決めるよりも読者モデルとしての幅も広げたい。だから「読者モデルだったんでしょ?」って言われるのも、僕は恥ずかしいと思ってないし、下に見る人はただの偏見だと思います。

― 読者モデルの後輩たちのためにも、先輩として活躍の場をもっと広げていきたいという思いもあるんですね。

藤田富(C)モデルプレス
藤田:もちろん!士門(大倉)くんと毎月ご飯行って、激励会みたいのをやって「下の奴らを引っ張っていくのは俺らだから頑張る」って話していますよ。そんなことしなくても、XOX(キスハグキス)とかグイグイ行く後輩たちも出てきていて、頼もしいです。

― ありがとうございました。

藤田富の“夢を叶える秘訣”

藤田富(C)モデルプレス
「もっともっと上の景色がある」と語るその目からは、現状に全く満足していない気持ちが溢れていた。

勉強に打ち込んできたストイックさが、これまでの成功に関係しているのだろうか。“夢を叶える秘訣”を聞いてみると、「賛否両論あると思うし、ちょっとセコい考えですけど…」と切り出し、「勉強でも何でも教科書がないと勉強できないじゃないですか?教科書っていうのは、前の人がやったことを真似しているだけだから、真似することってすごく大事だと思うんですよね」と秀才らしい回答。

「例えば身近に目標とする人を決めて、その人を真似していけばいつかその人をちゃんと真似できた時に、その人を越えて逆にその人が俺を真似するくらいになる。常に同じ環境の中で目標にする人を見つけて、『この人のここを真似しよう』って、色々な人の良いところを取り入れようって感覚。個性で売っているモデルさんもいるけど、自分はそれが出来ないので。だから『自分は自分』とも思いながらも、色々な人を尊敬して真似するっていうのをやってきました」。

藤田富(C)モデルプレス
「かっこ悪いですけどね」と笑いながら控えめに話す姿は、紛れもなくかっこ良かった。まだまだ未知の可能性を全身に秘めながら、俳優としての階段を一歩ずつ登っていく。(modelpress編集部)

藤田富(ふじた・とむ)プロフィール

生年月日:1992年4月14日
出身地:大阪府
身長:180.6cm
趣味:恋愛邦画鑑賞

藤田富さんがモデルプレスに来社!(C)モデルプレス
藤田富さんがモデルプレスに来社!(C)モデルプレス
現役医大生モデルとして注目を浴び、大倉士門、鈴木勤、こんどうようぢと共に、“メンズ読者モデル四天王”に君臨。『WEGO』専属契約モデル、『SamuraiELO』専属モデル、『Popteen』のメンズモデルなどを務め、原宿を中心として10代女子から圧倒的な支持を集める。昨年4月に「はっぴぃはっぴぃどりーみんぐVol.9『大正浪漫探偵譚-東堂探偵事務所-』」で舞台デビュー。出演作に舞台『真っ白な図面とタイムマシン』(2015年)『不知森の神石』(2015年)『ざ☆くりもん』 (2016年)と、ドラマ『恋の三陸 列車婚で行こう!』(NHK、2016)など。昨年4月のバラエティ番組『ラストキス~最後にキスするデート』(TBS系、金曜深夜24時20分~)で披露した高橋ユウとのリアルキスも話題を呼ぶなど、モデル、俳優、タレントとして活躍の幅を広げている。

『仮面ライダーアマゾンズ』

Amazonプライム・ビデオにて全13話配信中。

原作:石ノ森章太郎(※「ノ」は半角)
脚本:小林靖子
監督:石田秀範、田﨑竜太、金田治(ジャパンアクションエンタープライズ)
アクション監督:田渕景也(Gocoo)
音楽:蓜島邦明

<ストーリー>
(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
(C)2016「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
アマゾン。それは未知の生命体。そして全ての始まり。人工生命体を人型に成長させる実験「アマゾンプロジェクト」が大手製薬会社・野座間製薬で秘密裏に行われていた。

しかし、2年前研究施設内で事故が起き、約4000の実験体が街に解き放たれた。制御装置である腕輪が人間のタンパク質を好む、いわば人喰いという実験体本来の特性を抑え込んでいたが、その効力も約2年と残された時間はあまりに少なかった。野座間製薬は実験体駆除のエキスパート・駆除班を組織し、その対処に明け暮れていた。

その一方で「アマゾンプロジェクト」の責任者・水澤令華のもとに2年前から養子として引き取られた一人の青年・水澤悠がいた。彼も自らの変調に気付きつつあるのであった。

そしてアマゾンを狩るアマゾン、鷹山仁も独自に行動を開始していた。その男の目的は以前謎のままである…様々な思惑が錯綜する中、悠と仁の出会いによって物語は大きく動き出すのであった。

テレビ放送

各話30分、全13話
BS朝日(7月3日よりスタート)毎週日曜深夜1:00~1:30
TOKYO MX(7月6日よりスタート)毎週 水曜よる22:30~23:00

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