Hey! Say! JUMP山田涼介、ディズニー作品初参加で「ズートピア史上1番難しいキャラ」演じた覚悟 21年間の芸能活動経て「全てのものはぶつけたつもり」【「ズートピア2」インタビュー後編】
ディズニー・アニメーション・スタジオ最新作『ズートピア2』(12月5日(金)公開)にて、新キャラクター・パウバート役を演じるHey! Say! JUMPの山田涼介にインタビュー。後編では、今作の収録で難しかった部分、自身が葛藤や悩みを抱えた時に大切にしていることを語ってくれたほか、爬虫類への愛が溢れ出したこぼれ話までたっぷりとお届けする。
山田涼介「ズートピア2」新キャラクターに抜擢
動物たちが人間のように暮らす夢の都市“ズートピア”。頑張り屋なウサギ初の警察官・ジュディと、皮肉屋だけど根は優しいキツネのニックは、憧れだった捜査官のバディとして様々な事件に挑んでいた。そんなある日、100年ぶりに街にヘビが現れたことをきっかけに、ズートピア誕生の裏に隠された驚くべき秘密が明らかに。謎のヘビ・ゲイリーの目的は?そして、彼らが姿を消した理由とは?ズートピア最大の謎を前に、正反対なジュディとニックの絆が試される。山田は今回、US本社の厳選なるオーディションを勝ち抜き、新キャラクターであるパウバート役を射止めた。ズートピア創設者一族の御曹司であり、柔和で社交的なオオヤマネコ・パウパートは、保守的な一族に生まれながらもジュディの理想に共感し、「世界をよりよくしたい」という熱い想いを胸に秘めて捜査に協力するという役どころ。確かな演技力に加え、聴く人の心を包み込む温かさと凛とした品格を持ち合わせた声で見事に演じている。
山田涼介「ズートピア史上1番難しいキャラクター」演じた苦労
― パウバート役を演じるにあたり、特に収録で難しかった部分はありますか?山田:元々は英語のセリフじゃないですか。なのでキャラクターが英語の表情なんですよね。直訳するとこういう日本語のセリフだけど、英語の方が日本語より長かったりもする。その部分の息の溜め方や、どういうふうにこの表情でこのセリフを言えばいいんだろうというところは、すごく考えながら演じていました。パウバートというキャラクター自体、すごく表情が豊かなキャラクターで、監督も「『ズートピア』史上1番難しいキャラクターになったんじゃないか」とおっしゃっていたので、それぐらい自分でも「これ、どうやって演じよう…」みたいなのは考えながらやっていました。
― 山田さんが演じてみて「『ズートピア』史上1番難しいキャラクター」というのはどういった部分にあると感じましたか?
山田:表情がコロコロ変わるんです。本当に豊かなキャラクターで、おちゃらけている時もあれば、真剣な時もあるし。どのキャラクターもそうだと思うんですが「口角が上がっている時にこの音質では出ないよね」などそういった部分が非常に多いキャラクターではあったのかなと思いますし難しかったです。
― 映像としては映らないと思いますが、山田さんご自身もアフレコ中にかなり色んな表情をされていたんですよね?
山田:ブースの中では身振り手振りを結構オーバーにしていましたし、あまり意識していないですが表情は多分すごいことになっていたと思います(笑)。
山田涼介、野心・やりたいことは常にある「絶対に途切れないように」
― ジュディの大ファンであり、ミステリアスな部分も多いキャラクターであるパウバート。その個性を引き出すにあたって、ご自身の経験が役立ったと感じる部分はありますか?山田:「あの時のどこが役に立ったな」というところまでは分からないですが、今までの経験があったからできた役ではあるとは思います。今まで僕は21年間この世界にいますが、その全てをとりあえず入れなければできない役だろうと思っていたので、今持てる全てのものはぶつけたつもりです。
― 保守的な一族にいながらもジュディの理想に共感しているパウバートのように、山田さんも表立っては出していないけれども抱えている熱い思いはありますか?
山田:野心だったり、やりたいことは常に頭の中にある状態を維持するようにはしています。頭が空っぽにならないというか。オフの日とかでも「これやったら面白いんじゃないかな」とかちょっとしたことでもインプットするようにしているし、仕事のことや自分のやりたいことも含め、それを絶対に途切れないようにはしているので、それがパウバートに繋がるかは分からないですが、自分の中でそういうのはあります。
山田涼介、葛藤や悩みの乗り越え方「相談もしますが答えまでは聞かない」
― 山田さんのお話からもパウバートが様々な面や感情を持っていることが分かるのですが、この役を通じて観客に伝えたいメッセージを教えてください。山田:難しいんですよね…「観て!」っていう感じです(笑)。言葉で表現ができないんです。パウバートはもちろん穏やかで優しい部分もあるんですが、自分なりの葛藤もあって。これは別にパウバートだけではなくてニックもジュディも誰もが持っていることだと思うんです。自分に置き換えて、自分たちが抱えている葛藤と照らし合わせた時に自分だったらどうするか。「じゃあ何が正解なのかな」「やってみなきゃ答えは生まれないよね」という部分をパウバートを通して感じてもらえるのではないかなと思います。岐路に立たされる瞬間というのは人生で絶対あると思うのですが、そこに立った時にどういう判断ができるかというのは、パウバートから学ぶことができる部分の1つだと思うので、そこを観て何を思うかは自由ですが、そういった部分を感じてもらえたらいいのかなと思います。
― この作品を通じて、山田さんご自身は葛藤や悩みを抱えた時「自分だったらどうするかな」と考えましたか?
山田:最終決断は結局自分であったとしても、自分の周りにいる人たちを大切にするべきだというのが自分の中でずっとあって。「助けてくれてバトンは渡されるけれども、そのバトンを最終的にどうするかは自分の判断だよ」というところは、この映画からも学べることだと思いますし、自分が大事にしている部分でもあります。なので、悩んだ時は相談もしますが、答えまでは聞かない。最後に決断するのは自分だし、自分の人生だからというのは譲らない部分というか、大事にしている部分ではあります。
― 悩んだ時は誰に相談することが多いですか?
山田:周りにいるスタッフさんかもしれないです。一番近くにいてくれるマネージャーを含め、本当に毎日何かしらは話しているかもしれないですね。
― 周りの方とのコミュニケーションは大切ですよね。
山田:結局1人じゃ何もできない世界ではありますし、たくさんの人の支えがあって僕は輝けているから。もちろんファンの方もそうだし、スタッフさんもそうだし、僕1人の力でここまでやれることって何1つなかったと思うので、そこは大事にしなければいけない部分だし、忘れてはいけない部分だと思っています。
― 素敵なお話をありがとうございました。
山田涼介インタビューこぼれ話
①今回演じたパウバートはオオヤマネコ。では、山田さん自身が「ズートピア」の住人になれるとしたらどの動物になりたい?山田:うわあ難しいな!誰がいいかな…。すごい真剣になっちゃう(笑)。今回で言うと、爬虫類ですかね?カメレオンなどいっぱいいる爬虫類の街があるんですけど、そこで暮らしたいです。爬虫類が好きで飼っているのでやっぱり出てきた時には「あの街最高じゃん!」と興奮しました。あの世界に住みたいです。職業であったら警察かな。逆にどんな動物たちが事件を起こすのかを見てみたいというか。人間界で起こる事件とはまたちょっと毛色が違うことが起きるじゃないですか。人間の視点でそのまま入って、「チーズを盗まれた」とか可愛らしいほっこりした事件で優しく捕まえようかなと考えました。
②「ズートピア」の住民で現実の世界に連れてこられるとしたら誰を連れていきたい?
山田:柄本明さんが演じられているカメレオン(ヘイスース)ですね。次に買おうとしているのがカメレオンなんです。
③爬虫類好きの山田さん。なぜそこまで爬虫類が山田さんの心を奪うのでしょうか?カメレオンを飼いたい理由も教えてください!
山田:犬や猫もそうだと思うのですが、同じ種類でもやっぱり性格って全員違うじゃないですか。顔も違えば性格も違うし、表情や動作も全部違うんです。自宅で17匹飼っているんですが、「こいつはねぼすけさんだな。ずっと寝てるな」「こいつはもうすぐ餌をくれって言うな」とか1匹1匹の癖や性格がものすごい明確に分かれているのが僕のツボを押さえてきています。同じ種類なのに何万通りのバリエーションがあるのも面白いんです。そういうのは観ていて飽きないですし、飼育していて楽しい部分ではあるかなと思います。
ずっとカメレオンが欲しかったんですが、今僕が飼っているレオパードゲッコウという種類よりも少し飼育の難易度が高くて、最初に手を出すには難易度が高いかなと勝手に思っていたんです。でももう17匹を何年も飼っているのでもういけるという自信がついて、次はカメレオンだと考えています。
④次にもしアニメーション作品に参加するとしたらどんな役をやってみたい?
山田:それこそディズニーキャラクターで言うと王子様みたいなキャラクター、反対にもっと陽気でずっとふざけているようなコメディチックなキャラクターも面白いかもしれないですね。今回のパウバートも御曹司でイケメンオオヤマネコなので、王子様ではないですが割と近いかと思って、コメディでもいいのかなと思いました。(「アラジン」の)ジーニーとか、ものすごくコメディ要素が多いじゃないですか。もちろんジーニーは山寺宏一さんにしかできない技術だとは思いますが、ああいった個性の強いキャラクターもやってみたいです。
(modelpress編集部)
山田涼介(やまだ・りょうすけ)プロフィール
1993年5月9日生まれ、東京都出身。Hey! Say! JUMPとして2007年にCDデビュー。2008年には『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』(日本テレビ)で連続ドラマ初主演。2015年3月21日公開の主演映画『暗殺教室』では「第39回日本アカデミー賞」で「新人俳優賞」を受賞した。その後もドラマ『カインとアベル』(フジテレビ/2016)『セミオトコ』(テレビ朝日/2019)『王様に捧ぐ薬指』(TBS/2023)、映画『鋼の錬金術師』シリーズ(2017・2022)、『サイレントラブ』(2024)など数々の話題作に出演している。『ズートピア2』は山田にとってディズニー・アニメーション作品初参加、『スマーフ』(2011)以来2度目の声優出演となる。もっと詳しくみる
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