【小芝風花「私の夫と結婚して」インタビュー】日本ドラマ化に懸ける覚悟とプレッシャー「賛否は絶対にある」佐藤健からの心強かった言葉とは
モデルプレスの独自企画「今月のカバーモデル」で2025年6月のカバーモデルを務めたのは、Amazon Originalドラマ「私の夫と結婚して」(全10話/毎週金曜日2話ずつ配信※Prime Videoにて世界独占配信)で主演を務める女優の小芝風花(こしば・ふうか/28)。2024年に韓国で実写化され、国境を越えて熱い支持を集めたドラマの原作が、日韓共同プロジェクトにより、日本ドラマ化が実現し再注目を集めている。そんな話題作の主人公を演じる彼女が、本作に懸ける想いや監督・共演者に救われたことなどを赤裸々に語ってくれた。
「私の夫と結婚して」日韓共同プロジェクトで日本ドラマ化
NAVERウェブ小説の同名作は、韓国でウェブ漫画化され、LINEマンガでランキング1位を記録。さらに、韓国で実写化されたドラマシリーズは2024年Prime Videoで世界独占配信されると、口コミが広がり、たちまち人気を博した。そして今回、韓国の大手エンターテインメント企業・CJ ENMと、韓国屈指の制作会社スタジオドラゴンがタッグを組み、初の日本映像作品の企画として手掛けられた。小芝演じる主人公・神戸美紗は、いつも周りを優先する“脇役”の人生を送った末に命を落としてしまう。しかし気がつくと、10年前の過去にタイムリープ。“いい人”という脇役を捨て、かつての親友と夫を破滅させようとリベンジ計画を立てるも、1度目の人生では関わりのなかった部長・鈴木亘(佐藤健)との出会いが、復讐に向かう美紗の心に新たな変化をもたらし、自分の物語の主役として幸せに生きる術を学んでいく。
小芝風花「私の夫と結婚して」日本ドラマ化に懸ける覚悟
― まずは、出演が決まった際の心境を教えてください。小芝:韓国の監督さんやプロデューサーさんと一緒にお仕事できるような機会はこれまでになかったので、すごく魅力的で新しい学びを得られると思い、オファーを受けさせていただきました。韓国ドラマも拝見しましたが、コメディやシリアスなシーン、女性同士の激しい戦いがあってすごく面白かったです。ただ、人気作品なのでプレッシャーはありました。
― そのプレッシャーはどのように乗り越えられていますか?
小芝:日本版は韓国ドラマに全て合わせるのではなく、原作の面白さや魅力を残しつつ、ストーリーの展開が少し変わっている部分があるので、また違った視点で楽しんでいただけるんじゃないかと思います。だから、撮影中はあまり意識しすぎず、とにかくこの脚本を面白く演じられるよう挑みました。
― 小芝さんは、主演を務めた「彼女はキレイだった」(カンテレ・フジテレビ系)で、韓国ドラマのリメイクに挑戦されていますが、当時の経験が活きたことはありますか?
小芝:両方とも人気作品なので、賛否は絶対にあるだろうという覚悟はありました。ただ、日本のドラマにも面白いところが沢山あります!また、日本の視聴者の方々が共感しやすいヒロイン像にしたいという思いがあって、麗奈(白石聖)とのシーンで言えば、韓国版のように髪の毛を掴み合うような激しい戦いも観ていて楽しいですが、日本人同士だとリアルには考えにくいかなと、台本も変わっている部分があります。
小芝風花、韓国チームとの撮影に刺激「すごく新鮮でした」
小芝:例えば、浮気現場を目撃した時、日本だと引いてしまう方が多い印象で、私もそのイメージで演じていたのですが、監督からは「もっときてほしい」と指示がありました。たしかに、浮気現場を発見した女性の映像がSNSで流れてきて見てみると、海外では相手に殴りかかるくらいの勢いがあるので、きっと感情の起伏が日本人と違うんだろなという発見がありました。
また、監督から「もう少しこうした方が綺麗に映るから気をつけてみて」と表情が綺麗に見えるアドバイスをいただきました。今までの撮影では、いかに綺麗に映るかどうかというよりも、欲しい絵を撮っていることが多いイメージだったのですが、監督はアングルや表情の作り方で「こうした方が美しく見える」「俳優さんがかっこよく見える」とキャストの映り方をすごく考えてくださって、そういう演出が初めてだったのですごく新鮮でした。
― 監督のアン・ギルホさんとは、通訳の方を通してコミュニケーションを取られていたのでしょうか?
小芝:はい。でも監督が日本語を勉強してくださって「ここはもうちょっとゆっくり」と指示があったり、監督自らスタッフさんに「もう少しこういったアングルで」と説明してくださったりと、本当にチャーミングな方で、私たちに歩み寄ってくださっているなと強く感じました。感情的になるシーンを撮影した後には「良かったよ」という意味合いで沢山グーサインをして「良かった!」と言ってくださって、その言動一つひとつにとても救われました。もちろん言葉の壁はありますし、通訳さんを通しているので監督が望んでいるものに100%応えられているかどうか不安もありましたが、お芝居で見てくださる監督だったので、監督がOKしてくださるとすごく安心感がありました。
― 韓国のスタッフはどれぐらいいらっしゃいましたか?
小芝:監督とプロデューサー、通訳さん、助監督の方が何人か韓国から来てくださりました。通訳さんは芝居についての感情表現などを役者の方に伝えてくださって、助監督さんは日本語が話せるので、カメラマンさんや技術スタッフさんに「こういうアングルで」とお伝えする形で進めていました。
佐藤健からの「心強かった」言葉
― 美紗の役作りで1番こだわったところを教えてください。小芝:攻撃の仕方です。麗奈みたいな意地悪さとはまた違うので差別化しつつ、1度目の人生と変わらないくらい笑顔で話しているのにトゲがある気がすると違和感を持たせるようなシーンもあれば、麗奈が100%マウントを取られていると感じるくらい嫌味たっぷりのシーンもあって「ここは純粋なフリをして攻撃した方がいいですか?」「ここは嫌味全開の方がいいですか?」と監督と毎回話し合いながら作っていきました。
ただ、復讐が軸ということもあり、強い女性にはなりつつも、どこか優しさが抜けきらないところや、亘さんが守ってあげたくなるような女性像は崩したくないと考えていました。どうしても意地悪できつく見えてしまうので、その塩梅がすごく難しかったのですが、美紗の真のまっすぐさ、優しさは忘れないようにしたいと思いながら演じました。
― 「亘さんが守ってあげたくなるような女性像」というお話もありましたが、亘役の佐藤健さんと相談したことはありますか?
小芝:佐藤さんには、私の悩みを聞いていただいていました(笑)。1回目の人生から生まれ変わって、すぐに強くなりすぎてしまうと「じゃあなんで1回目の人生でできなかったの?」という違和感が生じる気がしたのですが、視聴者の方が観ていてスカッとする爽快感は欲しかったので、そのバランスが難しいと相談していました。その時「冒頭の浮気が発覚するシーンでは、美紗が敵わないぐらい負けていた方がいいんじゃない?」「このシーンのここはこういう見え方の方がいいんじゃない?」といったアドバイスを事あるごとにいただきました。
― その中で特に印象に残っている言葉はありますか?
小芝:1話と10話のシーンを1日で撮るくらい撮り順がバラバラだったので、回を重ねて少しずつ美紗が成長していく過程を見せたいと思いつつ、最初にクライマックス辺りのシーンを撮った後に前の場面に戻ると、ちゃんと繋がっているのか不安になって「前撮ったシーンやりすぎてなかったですか?」と自分で反省することがありましが、佐藤さんから「監督がちゃんとお芝居を見てくれる人だから、監督のOKを信じていいと思う」と言っていただいて、すごく安心した記憶があります。「言葉が全部分かっていなくても、お芝居をしっかり見てくれているから監督がOKを出したなら大丈夫だと思うよ」と声を掛けていただいてすごく心強かったです。
白石聖と築き上げた関係性・横山裕は「地元のお兄ちゃん」
― 共演の白石聖さん、横山裕さんの印象を教えてください。小芝:美紗と麗奈の関係性がすごく大事だったので、聖ちゃんとは役の相談を沢山していました。役としてはいがみ合っているような関係性なので、人によっては役柄と同じような距離感でいたいと考える方もいらっしゃる中で、ちゃんと話せる関係性を聖ちゃんと築けたことがすごく良かったです。
― 今回が初共演?
小芝:同じ作品に出演したことはあったのですが共演シーンがなかったので、今回初めてお芝居でご一緒しました。すごく話しやすくて本当に助けられました。
― 横山さんはいかがですか?
小芝:お互い関西人ということで、地元のお兄ちゃんのような感覚でお話できました。シリアスなシーンが多い中で、地元の言葉を聞けて安心しましたし、すごく楽しかったです。
― 現場は和気あいあいとした雰囲気だったんですね。
小芝:はい!いつもどこかで笑い声が響いていました(笑)。
小芝風花の悲しみを乗り越える方法
― 本作の登場人物は様々な悲しみや怒りを抱えています。小芝さんご自身も様々なお仕事と向き合っていく中で、時にはこうした感情を抱える瞬間もあると思いますが、これらを乗り越える方法を教えてださい。小芝:私は誰かに相談することが多いです。1人で頭の中で、何がこんなに悲しいのか、モヤモヤしているのかを考えているとこんがらがってしまうので、誰かにお話しすることで自分が悩んでいたことが明確になっている気がします。
―「怒りが私の原動力だ」というセリフもありますが、こうした感情を乗り越える上で共感されることはありますか?
小芝:たしかに怒りや悔しさをバネにしていく考えもありますよね。でも私は、怒りや負の感情を持っていると物事が上手く行かないタイプなので、そういった感情を持つよりも、楽しくいられるような現場作りを心がけています。
小芝風花が大切にしたい“支えになる存在”
― タイムリープによってリベンジを果たしていく一方で、最初の人生では気付かなかった周りの人の優しさや支えを知っていくことになる美紗ですが、小芝さんご自身が誰かに救われた経験や心に残っている言葉を教えてください。小芝:言われた言葉ではないですが、気にかけてくれる人がいるという事実が支えになっています。何かあった時に話を聞いてくれる人や心配してくれる人がいる、味方になってくれる人がいる…そういう存在が私の周りにはちゃんといるんだと安心します。タイミングはたまたまかもしれないけど、しばらく会っていなかったり、連絡を取ってなかったりした中で、ふと「あの子今元気しているかな」「大丈夫かな」と心配してくれる人がいると、それだけで救われる気がして、そういう人を大事にしたいと思いました。
小芝風花の夢を叶える秘訣
― モデルプレス読者には夢を追いかけている読者が沢山います。2022年のインタビューでは「言葉にしてみること」「口に出して言ってみること」とお話されていますが、様々なお仕事を通じ変化したことや新たに加わった考えはありますか?小芝:20歳の時に25歳までの目標を全部ノートに書いていたら、書いていたことが叶っていたので、口に出したり書いたりすることはやっぱり大事だなと思います。25歳を超えてから、ちょうどコロナ禍でこれから先どうなるか分からないという不安もあって全くやらなくなってしまったのですが、最近「やっぱり何か書いておいた方がいい」と考えていたところだったのでこれから書いてみようと思います(笑)!ただ、家族や身近な人には「こういうことを叶えたいからこれを頑張る」と宣言したり、作品ごとに自分の中での課題を毎回決めてクリアできるように臨んでいます。
― 美紗が第2の人生を歩んだように、小芝さんも新たな環境でスタートを踏み出した時の心境に変化はありますか?
小芝:美沙は周りの人の感情に敏感になりすぎて、自分の感情が疎かになっているので「自分の人生は自分が主役のはずなのに最も脇役になってしまった」と考感じる美沙を見ていると、もっと自分を大切にするべきだと思いました。もちろん周りの人や、その場の空気感もすごく大事にしたいという気持ちはありつつ、自分が苦しくなったら意味がないので、自分を殺しすぎず、程よく力を抜きながら自分も周りの方も楽しめる現場作りができるようにと考えています。
― それは今回の現場でも?
小芝:そうですね。「俺についてこい」というタイプではないので(笑)、ハードスケジュールだったり大変なことがあったりしても「現場に来ると楽しい」と思ってもらえる現場作りを心がけたいです。でも決して無理して楽しい現場を作りたいのではなく、自然体でいられて心から楽しめる雰囲気が広がっていけばいいなと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
小芝風花(こしば・ふうか)プロフィール
1997年4月16日生まれ、大阪府出身。2011年「ガールズオーディション2011」でグランプリを受賞し、2012年にドラマ「息もできない夏」(フジテレビ系)で女優デビューを果たす。近年の主な出演作は、ドラマ「大奥」(フジテレビ系/2024)、「GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜」(日本テレビ系/2024)、「べらぼう」(NHK大河/2025)、映画「レディ加賀」(2024)など。もっと詳しくみる
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