朝ドラ「あんぱん」サブタイトルにマイナスな言葉使う理由【脚本家・中園ミホ氏インタビューVol.4】
今田美桜主演の連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)の脚本を務める中園ミホ氏に、モデルプレスら報道陣がインタビュー。Vol.4では、キャスティング秘話を語ってくれた。
今田美桜主演朝ドラ「あんぱん」
放送100年、そして戦後80年を迎える朝ドラ第112作目となる本作は、「アンパンマン」を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦がモデル。2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を、激動の時代を生きた波乱万丈の物語として大胆に再構成。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。主人公・のぶを今田、後にのぶの夫となる嵩を北村が演じる。中園氏は、小学生の頃にやなせさんにファンレターを送ったことをきっかけに文通がスタート。やなせさんを知る中園氏だからこそ描ける「あんぱん」とは。
「あんぱん」キャストキャスティング秘話
― 第4回で朝田結太郎(加瀬亮)が亡くなったとき、朝田くら(浅田美代子)や屋村草吉(ヤムおんちゃん/阿部サダヲ)のセリフの中に、やなせさんの詩だなと思った場面がありました。セリフを作るときに、やなせさんの詩はどんな影響を与えていらっしゃいますか?中園:やなせさんの「愛する歌」という詩集を小学校4年生のときに読んで、やなせさんにファンレターを送って、そこから文通が始まりました。その詩集はもうボロボロですが、この間開いてみたらほとんど覚えているんです。それくらい繰り返し読んでいたので「アンパンマン」のやなせさんとしてだけでなく、その前にも素敵なお仕事たくさんなさっていた“やなせたかしワールド”を、みなさんに知っていただきたいと思っています。「たったひとりで生まれてきて たったひとりで死んでいく 人間なんてさみしいね 人間なんておかしいね」という詩があって、まさに私が10歳で父親を亡くしたときに、その詩を読んですごく救われて、やなせさんに手紙を書いたんです。最初からこの詩を使おうと思っていたわけではなかったのですが、キャストの顔を思い浮かべながら描いていたら、セリフが降りてきました。今のところ、柳井寛先生(竹野内豊)とヤムおんちゃんの言葉として使わせていただいていますが、やなせさんは絵本もたくさん描かれていて、そういったエピソードも忍ばせているのでファンが増えると良いな、見つけてくださったら嬉しいなと思って描いています。
やなせさんと暢さんのことを考えていると、今まで覚えているほど読んでいた詩ももっと深く味わえるので、そこも楽しいです。たまにやなせさんを近くに感じるときがあって、気が付いたらそのシーンを描き終わっていて記憶がない、みたいなことが起こるので、それは多分私ではなく、やなせさんが描かせてくれたんじゃないかなと思います。
― 加瀬さん、二宮和也さんなど豪華なキャスト陣がすごく贅沢な出演をしていますよね。
中園:倉崎プロデューサーはじめ制作チームがとても頑張ってくれました。キャスティングは基本はなかなか希望通りには叶わないですが、次々に決まっていくのでびっくりしました。こんなドラマは本当にないです。
「あんぱん」サブタイトルにマイナスな言葉使う理由
― 第1週のサブタイトルが「人間なんてさみしいね」、第2週が「フシアワセさん今日は」と朝ドラのサブタイトルに“さみしい”“不幸せ”という言葉が出てきたことが気になりました。中園:実はそこに一番力を入れています。何も失わない人生はないですよね。暢さんとやなせさんは、お父さんを早く亡くされて、若いときにいろいろな別れがたくさんあるんです。その深い悲しみを何度も乗り越えてきたから「アンパンマン」が生まれました。私がお会いした頃のやなせさんは、愚痴っぽいところもありましたが、それ以上にすごく明るい方でした。冗談もお好きで…。人生って辛いことがあるから、楽しい物語、音楽が必要ですし、そういったことをよく考えていた方なのかなと思って、私もその精神を大切にしています。ドラマの前半は辛いことがずっと続きますが、それをどうやって楽しく面白くみなさんに届けられるかなと。顔合わせでも「結構辛いことが続きますけど、それでも毎日毎朝観て元気になれるドラマにしたいので、とにかく楽しく明るくやってください」とお願いしました。深い悲しみを味わわなければ、喜びも幸せも分からないだろうという気持ちで描いています。それがやなせさんの作風であり、人生だと思います。
(modelpress編集部)
もっと詳しくみる
-
【写真】「あんぱん」今田美桜&北村匠海の老けメイクが「再現度高すぎ」と話題
-
【写真】今田美桜&北村匠海、夫婦役で密着
-
「あんぱん」二宮和也の初登場シーンに反響殺到
-
朝ドラ「あんぱん」、前々作「虎に翼」との繋がりが話題「リンクにびっくり」
-
【写真】今田美桜、美バストのぞく水着姿
-
TVer公式サイト
関連ドラマ
あわせて読みたい
-
朝ドラ「あんぱん」全登場人物に当てはめられた「アンパンマン」のキャラクター 視聴者の推察に“ネタバラシ”も【脚本家・中園ミホ氏インタビューVol.3】
モデルプレス
-
朝ドラ「あんぱん」脚本家が語る今田美桜への信頼 北村匠海のファーストシーンは「鳥肌が立ちました」【中園ミホ氏インタビューVol.2】
モデルプレス
-
【あんぱん 第21話あらすじ】のぶ、女子師範学校の寮に入所 嵩は本当の思い吐き出す
モデルプレス
-
朝ドラ「あんぱん」のぶ(今田美桜)&嵩(北村匠海)、幼馴染設定の理由 実際は出会っていなかった幼少期スタートの意図【脚本家・中園ミホ氏インタビューVol.1】
モデルプレス
-
視聴総合ランキング
2025年12月13日 10:00時点
※TVer内の画面表示と異なる場合があります。
-
01緊急取調室 (2025)
第8話 紫の旗
12月11日(木)放送分
TVerで見る -
02フェイクマミー
最終話 2人のママは娘を守れるか!?心で繋がる家族の運命
12月12日(金)放送分
TVerで見る -
03じゃあ、あんたが作ってみろよ
最終話 不器用な愛で、変われ!
12月9日(火)放送分
TVerで見る -
04小さい頃は、神様がいて
第10話 今、僕は怒ってます
12月11日(木)放送分
TVerで見る -
05アメトーーク!
芸人矢印トーーク ~実は前から思ってたけど…~
12月11日(木)放送分
TVerで見る
最新ランキングはこちらPowered by -
-
朝ドラ「あんぱん」不穏ナレーションに視聴者ざわつく「すでに圧倒されてる」「怖すぎ」
モデルプレス
-
朝ドラ「あんぱん」のぶ(今田美桜)&嵩(北村匠海)の受験結果明らかに「フラグ立ちまくりだった」「同情する」の声
モデルプレス
おすすめ特集
-
12月のカバーモデルは「今年の顔」Mrs. GREEN APPLE大森元貴
特集
-
2025年「モデルプレス今年の顔」発表
特集
-
「2026年ヒット予測」発表 モデルプレス独自調査
特集
-
インフルエンサー影響力トレンドランキングを発表!「モデルプレスカウントダウン」
特集
-
モデルプレス独自取材!著名人が語る「夢を叶える秘訣」
特集
-
モデルプレス読者モデル 新メンバー加入!
特集
-
国内作品見放題数2位!アニメ・お笑い・ドラマ・映画が充実!オリジナル作品も!
特集
-
日本テレビ系日曜ドラマ「ぼくたちん家」の情報をたっぷり紹介
特集
-
FODでは放送中の最新作はもちろん、オリジナルの独占作品も見放題配信中!
特集
-
業界初! 全プラットフォーム横断の大規模読者参加型アワード
特集
-
SM ENTERTAINMENT JAPANが手がける『GPP』の情報をお届け!
特集
おすすめ記事
SPECIAL NEWS
記事ランキング
RANKING
-
01
高橋恭平×木村柾哉×中島颯太、1番ロマンティックなのは誰?“推し男子”&“かめはめ波練習”まで告白【「ロマンティック・キラー」インタビュー】
モデルプレス
-
02
櫻坂46井上梨名、卒業前に振り返るアイドル人生 期待と悔しさと感謝の7年間「自分を認められるようになった」【「Unhappy birthday構文」インタビュー】
モデルプレス
-
03
日本一かわいい高校生・なんりさん、3冠獲得で芸能界へ興味 夢は“バラエティ女子”「出川ガールになりたい」【女子高生ミスコン2025】
モデルプレス
-
04
森崎ウィン&Snow Man向井康二、意を決した監督への直談判・台本を超えた芝居――「迷わず飛び込むことができました」共鳴した2人の絆【(LOVE SONG)インタビュー】
モデルプレス
-
05
乃木坂46梅澤美波&菅原咲月、新Wセンターへ“心から願うこと” 久保史緒里卒業に対する素直な思いも 【「ビリヤニ」インタビュー】
モデルプレス