朝ドラ「あんぱん」全登場人物に当てはめられた「アンパンマン」のキャラクター 視聴者の推察に“ネタバラシ”も【脚本家・中園ミホ氏インタビューVol.3】
今田美桜主演の連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)の脚本を務める中園ミホ氏に、モデルプレスら報道陣がインタビュー。Vol.3では、テーマとなっている「アンパンマン」との繋がりを明かしてくれた。
今田美桜主演朝ドラ「あんぱん」
放送100年、そして戦後80年を迎える朝ドラ第112作目となる本作は、「アンパンマン」を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦がモデル。2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を、激動の時代を生きた波乱万丈の物語として大胆に再構成。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。主人公・のぶを今田、後にのぶの夫となる嵩を北村が演じる。中園氏は、小学生の頃にやなせさんにファンレターを送ったことをきっかけに文通がスタート。やなせさんを知る中園氏だからこそ描ける「あんぱん」とは。
「あんぱん」中園ミホ氏、朝ドラは「断ろうかなと」
― やなせ夫妻を題材に選ぶとき、制作統括の倉崎憲さんと偶然一致したというお話を伺いました。今までにも制作統括の方とテーマが合致することはあったのでしょうか?中園:初めてでした。朝ドラの執筆は本当に大変なので「お断りしようかな」と半分思っていましたが、やなせ夫妻を描かせていただけるのなら、絶対に私が描く、老体に鞭を打って頑張らなきゃとお引き受けしました。お酒飲むのが大好きですが、今は我慢の日々です。たまにスタッフと飲む場所でも結局仕事の話になってしまうので、24時間朝ドラ漬けです。夜型なので、夜帰って朝ドラのBS放送を観て、朝の本放送、あさイチの朝ドラ受けを観て寝る生活をしています。
「あんぱん」登場人物に当てはめられた「アンパンマン」のキャラクター
― ドキンちゃんは暢さんをモデルにしているのではないかというお話がありますが、登美子(松嶋菜々子)にもドキンちゃんの要素が入っているように感じました。中園:やなせさんがいろいろなことをおっしゃっているのですが、お母さんと暢さん両方がドキンちゃんのモデルであるということは、2人は似ていたんだと思います。バタコさんのモデルが暢さんであるということもどこかでおっしゃっていたらしく、ドキンちゃんみたいな好奇心が強くてわがままな部分とバタコさんのような優しく支えていつもニコニコしている部分、暢さんにはどっちの要素もあったのだと感じました。
― 「あんぱん」の中でも「アンパンマン」のキャラクターを反映させている部分は出てくるのでしょうか?
中園:実は私の初稿には全部「このキャラクターはロールパンナ」など、本当に小さい役でも全部「アンパンマン」のキャラクターたちに当てはめて描いてあります。それは私の趣味の世界で楽しいのでやっているのですが、最近いろいろと推察されているらしいですね(笑)。釜じい(朝田釜次/吉田鋼太郎)と天宝和尚(斉藤暁)、団子屋の桂万平(小倉蒼蛙)は、かまめしどん、てんどんまん、カツドンマンです。朝ドラの執筆は大変なので、そんな楽しみ方をしながら一生懸命描いています。
「あんぱん」中園ミホ氏、戦争シーンへの強い思い
― 放送100年の記念すべき年に朝ドラを担当する思いを聞かせてください。中園:放送100年のことは、後々に知りました。それよりも戦後80年ということをとても意識しています。朝ドラで戦争をしっかりと描くことには賛否あるかもしれませんが、やなせたかしを描くことは、戦争を描くということだと私は思っているので、みなさんが驚くくらい時間を掛けて、しっかり描きます。やなせさんは激しい戦闘には巻き込まれていないのですが、戦地で餓死寸前まで追い詰められました。その飢えの辛さが「アンパンマン」を生みますし、飢えることがどんなに辛いことか、本人もたくさん残しています。だからお会いすると「お腹空いてない?」と言ってくださっていたのだと思いますし、飢えることのつらさ、切なさなどもしっかりと描きます。自分より大変な思いをした人たちが多くいる中で、それでも戦争は嫌だ、大嫌いだと言い続けた方なので、本当に気合いを入れて描きました。戦争当時のことは知らない国の言葉みたいに難しいです。考証のスタッフに手取り足取り教えていただきながら、他のシーンの4倍くらい時間がかかりましたが、それでもここは逃げずに向き合わなければいけないと思って描いています。
(modelpress編集部)
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